もし相続した中に遊林地がある場合、扱い方がわからない方が多いと思います。
相続したが使い方が分からず、山林を放置したままにしておくことはお勧めしません。
日本では使われていない遊林地は全国的にも多くありますが、そのほとんどが放置されているのが現状です。
使っていなくても毎年固定資産税の納税をしなければならず、所有することに対して疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで今回は、使われていない遊林地の6つのおすすめ土地活用方法について、詳しい内容や注意点と合わせてご紹介します。
土地売却についての疑問や知りたいポイントについても解説していきますので、遊林地を所有する方は是非参考にして下さい。
遊林地となると土地も広いだろうから、固定資産税を払い続けるのは大変ですよね。
住宅等に比べて固定資産税が安いとはいえ、放置しているだけの土地にお金を払い続けるのは勿体ありませんよね。
近年は地域活性化を狙って遊林地の活用を推し進めている自治体も多く、活用方法の選択肢はとても広くなりました。
田舎暮らしや地方移住に注目が集っていますから、有効活用することで所有者も大きなメリットを得られるでしょう。
目次
活用できる遊林地とはどんな土地?
遊林地とは、使われていない、または手入されずに放置された山林のことを言います。
遊林地というと、広大な土地や木が生い茂る山を想像するでしょう。
しかしそれが山や林に見えていたとしても山林であるとは言い切れません。
遊林地を活用するには、登記事項証明書の地目の欄に山林と記載されているかが重要です。
山林であることを確かめるには?
遊林地の活用方法を考える前に、まずはその土地が山林であるかを確認しましょう。
それを確かめるには、登記事項証明書が必要です。
登記事項証明書の地目の部分を確認し、山林と記載されていればその土地が山林であることの証明となります。
書類で確認したらその後は現地に行き、実際の状況を把握しなければなりません。
もし証明書の地目と現況の地目に不一致があった場合は、所有者がそれを一致させるための変更登記の申請をする必要があるからです。
登記事項証明書が手元にないのですが、どこで確認できますか?
登記関係の書類は法務局で手続きできます。
登記事項証明書は取得に時間がかからないため、その場で確認できますよ。
所有者本人以外でも、また所有する土地の管轄外の法務局でも取得可能です。
山林の定義とは
山林とは具体的にどのような土地のことを指すのか、その定義は決まっています。
それは、耕作の方法によらないで竹林の生育する土地です。
つまり、地を耕したり肥料をやったりせずとも自然のままに竹や樹木が生えている場所ということです。
そのため、植林した土地や下草刈りなどの手入れを行っている土地は定義に当てはまらず山林とはいえません。
地目が山林であるかの判断が難しい場合は、土地家屋調査士に調査を依頼すると良いでしょう。
遊林地をそのままにしておくのはもったいない!活用するメリットとは?
遊林地を所有する人の多くは、代々受け継がれているものを相続してきたケースが多いようです。
土地を持っているのはお金持ちという時代から一変し、今は固定資産税がかかるばかりで大きなメリットを得ることはできません。
しかし、遊林地を活用する方法を知れば、その土地は生かされ、所有者自身も大きなメリットを得ることができます。
遊林地を活用するメリットについてみていきましょう。
活用することで収入が得られる!
日本においては、不動産の所有者に固定資産税の支払が義務付けられています。
それは遊林地も同じです。
税額は不動産種別によって決められますが、遊林地ですと戸建てやマンションなどといった宅地にかかる税額よりも大幅に安く済みます。
山林や農地は所有者自身が活用するのが難しく、また売却も困難なため、安価に設定されているのです。
その安さゆえ、相続した山林が遊林地であったとしてもそのまま持ち続けようと思う人が少なくありません。
しかし遊林地を活用し、所有者が収入を得られれば支払の負担を軽減することができるでしょう。
活用方法次第では他の人にはマネできないため大きなチャンスとなる
山林は1haでもおよそ3000坪です。
そのような広大な土地を所有する人はそう多くありません。
次項でご紹介する遊林地の活用方法は、一般的な人が持つ宅地の活用方法とは比べられないほど大きなチャンスとも言えるのです。
近年の山林活用法は、第三次産業で発達したマーケティングの技術の影響が大きく、新たな活路を見出しています。
所有者自身が有意義な活用法を見出し、リスク対策することで、山林所有者しか得られない大きな利益をもたらす可能性が高いのです。
遊林地活用の注意点
山林が活用されない現状は、ニーズの少なさにあります。
担保としての価値も低く、売却するのも簡単ではありません。
また活用までに大掛かりな準備が必要であること、そして収益性が未知数であることもデメリットと言えるでしょう。
成功させるためには、下記でご説明するリスクとデメリットを理解し、十分な下調べと対策を行うことが大切です。
山林の活用には許可が必要な場合もある
遊林地の中には、規制がかけられているために開発許可なしでは活用できない場合もあります。
山林の法規制について、以下の表にまとめました。
法律 | 適用される区域・制限される行為等 |
---|---|
都市計画法 | 市街地調整区域内における切土や盛土等の造成工事 |
宅地造成等規制法 | 宅地造成工事規制区域内における切土や盛土などの造成工事 |
都市緑地法 | 特別緑地保全地区内の建築物の新築、土地の形質変更等 |
地すべり等防止法 | 地すべり防止区域内の地下水の誘致や停滞等、ぼた山崩落防止区域内の土砂の採石等 |
生産緑地法 | 生産緑地地区内の建築物の新築等 |
森林法 | 保安林の立木の伐採 |
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関して | 急傾斜地崩落危険区域内の工作物の設置等 |
土砂災害防止法の推進に関して | 土砂災害特別警戒区域内都市計画法上の一定の開発行為 |
この表に当てはまる山林は、開発にあたって行政上の許可が必要になります。
たとえ規制にかかっていたとしても要件を一つずつクリアすれば許可が下りる可能性が高いため、行政手続きは必ず行うようにしましょう。
また、山林に関する法律は上記のもの以外にも新設されることが多々ありますので、活用前には規制についてよく確認することが大切です。
活用法によっては高額な造成費がかかる
遊林地を山林ではない方法によって活用する場合は、木や植物を伐採したり斜面を造成するなどといった造成工事が必要になります。
例えば山林に囲まれた別荘地として活用する場合、建築物を建てるための土地と別荘に行くまでの道の整備が必要です。
遊林地だった場所を物理的に利用出来る状況にするためには造成工事が必要であると覚えておきましょう。
造成工事には次のようなメリットがあります。
- 不動産の担保価値が高くなる
- 安定した利益を得やすくなる
- 売却しやすくなる
- 活用方法の選択肢が多くなる
このようなメリットを得られる造成工事ですが、その費用は決して安くありません。
以下の表で造成工事費用の目安をみてみましょう。
撤去作業のない造成 | 伐採や伐根が必要な造成 | 地盤チェックが必要な造成 |
---|---|---|
500~600円/m2 | 2000~3000円/m2 | 5000~6000円/m2 |
角度15度以上の傾斜がある場合は1m2あたり30000円を超えることもあります。
多くの山林は傾斜地を含んでいるため、造成工事の金額は大きなものとなるでしょう。
また、造成工事をすると固定資産税が高くなる、もとの山林に戻すことが出来ないなどのデメリットもあります。
造成工事はあくまでも活用法が決まってから行うものと心得ておき、活用法に合わせた工事を行うことが大切です。
遊林地のおすすめ土地活用方法
ここからはいよいよ、遊林地を活用するための6つの方法についてご紹介します。
遊林地の活用法は大まかに分けて2種類あります。
- 山林としてそのまま活用する
- 造成工事をしてから活用する
具体的な活用方法として以下の6つをご紹介します。
- 木材や林産特産物の生産
- レクリエーション施設の開設
- 太陽光発電
- レストラン経営
- 産業廃棄物の中間処理施設
- NPO団体や企業への貸し出し
木材や林産特産物の販売
最も手軽で始めやすい活用方法といえば、山林そのままの自然を生かした木材の加工、販売ビジネスと林産特産物の生産です。
木材ビジネスは山林内の立木を販売することで、いわゆる林業の経営と位置付けられます。
特に相続して受け継いだ山林であれば、一から苗木をして育てるまでもなく立木がすでにあるため、すぐに販売が始められます。
林産特産物に関しても造成工事が必要なく、生産の初期投資も少なく済むことから、始めやすい活用方法といえるでしょう。
小規模林業なら収益化しやすい!
一般的に林業の収益率は乏しいと言われていますが、これは輸入された材木が流通量のほとんどを占めているためであり、林業の事業規模が大きいほど難しいのが現状です。
しかし、自伐型林業と呼ばれる小規模事業であれば、一定の収益を保てる可能性が高くなります。
事業規模が小さければ機械も小型機で十分ですし、運搬に使うトラックも軽トラックで事足ります。
コストが抑えられますし、一度に大量の立木を使うわけではないので、長期的に事業を続けられるのです。
近年は遊林地の活用を推進する動きから、木材販売に対する補助金制度を設けている自治体も少なくありません。
そのため、自伐型林業はこれから事業従事者が増えると予想されています。
木材としての販売が難しい立木であれば、薪や炭に加工して販売しても良いでしょう。
これらは一定数の需要が見込めるものであり、インターネット通販などで販売しやすいというメリットもあります。
立木が大量にあって加工に手間がかかる場合は、加工のみを専門業者に委託し、販売は自身で手掛けるなどするのも一つの方法です。
山林をそのまま活用する方法として、林産特産物の生産と販売もあります。
林産特産物とは木以外のもの、例えばきのこやタケノコ、山菜、くるみ、果物などが主流で、きのこに関しては林産特産品の8割を占めています。
またカブトムシやクワガタといった昆虫類も林産特産物であり、これらは高額な価格で取引されています。
いちご狩りやブドウ狩りのように、キノコ狩りツアーを行うなどといったアイディア次第では収穫の手助けも得られ、収益率アップが見込めるでしょう。
レクリエーション施設の開設
週末や長期休暇には家族連れや団体客の利用が見込めるレクリエーション施設は、遊林地ならではの活用方法です。
キャンピングカー等の大型車も停めやすく、広大な土地を最大限活用できます。
アウトドア人気はこれから更に高まると言われていますし、地域振興が期待できる点でも、将来性のある活用方法だといえるでしょう。
レクリエーション施設の例を以下にまとめました。
- キャンプ場
- 釣り堀
- アスレチック場
- ハイキングコース
有名な景勝地であればほとんど手を加えず、休憩所や通路を簡易的に設置するだけハイキングコースとして活用できます。
季節による利用数の減少を防ぐために様々なプランを計画すれば、1年を通してツアー客などの利用が期待できるでしょう。
景勝地でない場合はキャンプ場やアスレチック場が最適です。
近くに綺麗な川が流れていれば釣り堀をつくるのも良いでしょう。
レクリエーション施設に関しては、設備を整え規模を大きくするほどより多くの収益が見込めます。
しかし個人で全ての対応を行うのは難しいため、レジャー施設を取り扱う業者に対して土地を貸し出し、管理や経営をしてもらう方法もあります。
こうした業者の中には敢えて放置された遊林地を活用することを選び、森林を切り開くのではなく、そのままの自然を生かした開発をしているところも多くあります。
相続した山林を大胆に切り開くことはしたくないという方も、こういった方法なら希望する条件で有効に活用できるでしょう。
太陽光発電
太陽光発電は、整地された土地に太陽光発電装置を設置し、発電した電気を売って収入を得るものです。
政府による買い取り制度によって一般住宅にも浸透した太陽光発電ですが、遊林地を活用すればその広大な土地で大きな利益を得られる可能性があります。
国内の燃料の枯渇が懸念され再生エネルギーへの関心が高まっていることからも、将来性のある活用方法といえるでしょう。
太陽光発電に適した条件とは?
太陽光発電に適した山林の条件は以下の通りです。
- 太陽光を遮る障害物が周囲に無い
- 500m2(150坪)以上ある
- 傾斜の無い平らな土地
- 海岸から遠い
- 電柱が近くにある
- 景観条例に反していない
上記の条件を満たしている遊林地の土地活用なら、太陽後発電が最適といえるでしょう。
では次に、上記の条件を満たした土地で太陽光発電した場合の収支例をみてみます。
土地の広さ | パネルの出力数 | 設置費用 | 発電量 | 売電金額 | その他費用 |
---|---|---|---|---|---|
600m2(200坪) | 45kW | 1350万円(1kW当たり30万円) | 51000kWh/年間 | 116.23万円/年間(買取価格22.68円の場合) | 116.23万円/年間(買取価格22.68円の場合) |
一般的に設備投資の回収に10年かかると言われていますが、立木が多くない山林でしたら大規模な造成の必要もなく効率的に発電できるためそれほど時間はかからないでしょう。
固定価格買取り制度が設けられていることから、ほぼ毎月決まった金額を売電収入という形で手に入れることができます。
ランニングコストが小さいため所有者自身が収支の計算をしやすく、専門的な知識が必要ないため挑戦しやすいというのもメリットといえるでしょう。
レストラン経営
山林ならではの落ち着いた雰囲気を利用して、里山レストランを経営するのも一つの活用方法です。
山林を敢えて里山と呼ぶことがポイントで、普段暮らす街の喧騒を感じさせない空間に仕上げるのも成功の秘訣です。
山中にひっそりと佇む小規模レストランでも、近年注目を集めるSNSを利用すれば隠れ家的レストランとして注目を集められるかもしれません。
手軽に利用できて宣伝効果の高いツールを上手に使いこなすことができれば、付加価値の高いレストラン経営ができるでしょう。
里山振興ボランティアを活用しよう!
遊林地のある場所の多くは都心から離れた地方であり、その多くが高齢化や過疎化によって多面的に機能低下しています。
この状態が続くと耕作放棄地が増加したり、山林が荒廃していくと懸念されているのです。
この事態を打開しようと様々な自治体で農村地域の活性化を目指すプロジェクトが企画されています。
その一つとなるのが、里山振興です。
里山振興では農家民宿やレストランなどといった地域資源を活用した生業づくりの取り組みを支援しています。
その地域ならではの食材や食文化を活かし経営することで、里山の価値を上げることができます。
その結果、里山が適切に維持管理され、地域の活性化へとつながり、更に近隣の中山間地域に与える効果も大きいと考えられています。
従来、環境保全という位置付けで活動してきた森林ボランティアですが、現在は地域活性化を目指すボランティアとして多様な活動を広げています。
こうしたボランティアはNPOとして、また地域のグループや学校教育の一環として保全活動を行っています。
地域の活性化を目指したい、遊林地だった場所から里山へと価値を上げたいという場合は、ボランティアに協力を依頼するのも一つの方法といえるでしょう。
産業廃棄物の中間処理施設
人里から離れた遊林地を活用するなら、産業廃棄物の中間処理施設にするのも方法の一つです。
中間処理施設とは、産業廃棄物を分別、無害化、減容、安定化処理する施設のことをいい、最終処分場に行く前の処理を行うところです。
中間処理施設の業者はゴミの分別を行うことで産業廃棄物収集運搬業者から収入を得られるため、中間処理施設を拡大することで売り上げを上げられます。
そのため、より多く、大きな中間処理施設を設けようと考えているのです。
但し、このような施設をつくるのに反対する住民が多いのも事実で、なかなか建設にまで至りません。
こういった点から、周辺に住民が少ない人里離れた山林が最適であるといえます。
中間処理施設にする場合は業者にその土地を貸し出し、地代を手に入れる形となるでしょう。
NPO団体や企業への貸し出し
産業廃棄物の中間処理施設の活用方法のように、業者や企業に貸し出す活用方法が他にもあります。
近年は都心から離れた田舎暮らしに注目が集まっています。
里山振興ボランティアに多いNPO団体はもちろん、田舎暮らしに焦点を当てて活動する民間企業が地方でも暮らしやすい街づくりを推進しています。
他にも一般企業が会社の事務所にしたり、福利厚生施設、社員寮などとして地方地域を活用することもあるでしょう。
こういった活動、あるいは事業を行っているところに、遊林地を貸し出し、土地代を得るというのも一つの方法です。
但しこの場合、建物の建築や土地の開発が必要であれば、土地計画法に基づく制限の確認をしなければなりません。
もし都市計画法によって市街化調整区域や市街化区域に割り当てられている場合は制限があるため、行政の許可を得る必要があります。
また、地方自治体によっては自然保全を目的として、山林を賃貸しているケースも珍しくありません。
大きく手を入れずに自然を残したい、所有者自身の負担にならない活用方法が良いという場合は、自治体に山林地賃貸の公募を行っているか確認してみると良いでしょう。
多種多様な活用方法があるのですね!
大きな収入が期待できるもの、地域の活性化に役立つものなど、視点や分野が違うものをそれぞれご紹介しました。
様々な活用方法があることを踏まえ、まずは遊林地をどんな場所にしたいかを考えてみましょう。
土地の形状や費用で制限されることがあるかもしれませんが、所有者の希望に近い形で実現できれば有意義に活用できるでしょう。
遊林地の土地の売却について
固定資産税の項目でもご説明した通り、遊林地は資産価値がそれほど大きくありません。
傾斜地が多く造成が必要で費用がかさむうえに、活用用途が限られるなどといった流動性の低い資産のため、売却自体が難しいとされています。
売買が成立するまでに何年もかかったり、割安な価格で買い叩かれてしまうこともあるでしょう。
しかし、もし買い手が見つかるのなら、その相手は遊林地として放置されている場所を有効活用しようと考えているはずです。
遊林地を所有することに疑問を持っているのなら、売却も有効な土地活用といえるでしょう。
売却するのも活用方法の一つなのですね。
自身で有効な活用策が出来ない場合、積極的に売却を求める人がいたら売却を検討してみると良いでしょう。
購入者となるのは、林業業者やリゾート開発企業、高齢者向け施設、田舎暮らしを検討している個人など山林を活用したいと考えている人になりますから、結果的に有効活用しているといえるでしょう。
適正な価格で売却できれば、売主にとってのメリットも大きなものとなるでしょう。
遊林地の売却相場はいくら?
遊林地はいくらで売却できるのでしょうか。
費用の相場を知るために、まず山林の種類について知っておきましょう。
山林の種類は以下の4つに分類されます。
- 都市近郊林地 市街地郊外にある林地
- 農村林地 農村地にある林地(里山)
- 林業本場林地 林業をメインとした管理された林地
- 山村奥地林地 道などの整備がされていない山
では次に、以下の表で種類別の土地相場をみてみましょう
都市近郊林地 | 農村林地 | 林業本場林地 | 山村奥地林地 |
---|---|---|---|
1000~5000円/m2 | 100~1000円/m2 | 100円未満/m2 | 100円未満/m2 |
種類によって金額に大きな差があることがわかります。
都市近郊林地や農村林地は宅地に転用されることも多く、それなりの需要が見込めます。
林業本場林地は林業用として使用されるため宅地転用が難しいとされており、相場は低めとなっています。
但し、これらはあくまでも目安です。
より市場価格に近い相場を知るためには専門業者に査定を依頼しましょう。
遊林地を売却するのには税金がかかる!
一般的な住宅を売却する際には土地と建物に分けて考えられますが、山林を売却する際には土地と立木に分けられます。
つまり、伐採した立木と土地を別々に売る方法と、立木も含めて山林そのままを売る方法があり、その方法によって課税される税金が変わります。
山林の売買において、立木には山林所得税が、土地の部分には譲渡所得税が課せられるためです。
立木は伐採して売ることもできる、あるいは伐採せずに立木として売ることもできる財産として考えられているのです。
また、山林を所有していた期間によっても課せられる税金が変わります。
所有期間が5年以内で林業などの事業を行っていたら事業所得となり、それ以外は雑所得となります。
所有期間が5年を超えていれば、山林所得となります。
所有期間が5年を超える山林の立木を伐採もしくは立木として売却する場合は山林所得。
所有期間が5年以内の山林の立木を伐採もしくは立木として売却する場合は事業所得もしくは雑所得。
山林をそのまま売却する場合は譲渡所得です。
仲介手数料に上限がない!
一般住宅とは違い、山林の売買には宅地建物取引業法が適用されません。
この法律が適用されないとなると、売買を仲介する業者に支払う仲介手数料に関する問題が起こります。
一般住宅をはじめとする宅地建物取引業法が適用される場合、仲介業者に支払う仲介手数料には上限が定められています。
しかし、適用されない山林ではその上限が無いのです。
つまり、業者によっては大変高額な手数料を求められる可能性があるということです。
価格が低くなりがちな山林売買において高額な仲介手数料を取られてしまっては、売主が手に入れるはずの金額が減ってしまいます。
このようなリスクを回避するためにも、信頼できる仲介業者を選び契約するようにしましょう。
遊林地の売却に関する相談先はどこがいい?
山林の売買に対応している業者はあまり多くありませんので見つけるのが難しいでしょう。
それによく検討して選ばなければ高額な仲介手数料を要求したり、市場価格よりもずっと安い値段で買い叩くような悪徳業者につかまってしまう可能性もあります。
特殊な土地だからこそ、実績があり信頼のおける業者を選ぶことが大切です。
不動産会社に相談する
一般住宅を扱う不動産会社でも、山林売買に対応しているところはあります。
不動産会社に売買を相談する場合は、所有する遊林地に近い地域の不動産会社に依頼すると良いでしょう。
地元の不動産会社であれば、近隣の山林売買実績を有する可能性が高く、過去の売買データから適正な相場を把握しやすいというメリットがあります。
また、同じ地域内で山林を購入したいと考えている人が相談している可能性も高いため、買い手が見つかりやすいというメリットもあります。
森林組合に相談する
森林組合とは、森林を所有する人たちの組合のことで、都道府県ごとに森林組合連合会があります。
森林組合の中には山林の斡旋を行っているところもあり、山林を買いたい人とのマッチングサービスを行っています。
相談先の一つとして、所有する遊林地の最寄りの組合に確認してみると良いでしょう。
一括査定サイトを利用する
近くに山林を扱う不動産会社が無かったり、所有する遊林地が離れたところにあると、不動産会社を見つけるのは難しくなります。
そういったときは不動産売却の一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
一括査定サイトは全国各地の不動産会社と連携しており、山林を含めた様々な不動産種別に対応しています。
いくつかの不動産会社から査定してもらうことでより高く売却できたり、実績ある会社を選んだりできるメリットがあります。
遊林地の土地活用方法と土地売却のポイント、とても良く分かりました!
地方に関心が高まっている今こそ、活用するのに最適な時期なのかもしれませんね!
そうですね。
遊林地のままですと資産価値は低いですが、活用方法とその結果によっては資産価値の高い土地になる可能性もあります。
地域や土地の条件を考慮して、所有する遊林地にとってベストな活用方法を見つけてくださいね!
ここまで、使われていない遊林地の6つのおすすめ土地活用方法と、土地売却で知りたいポイントについて解説してきました。
遊林地の固定資産税は安いため、活用せずにそのまま放置している人は少なくありません。
しかし活用することで資産価値を高められ、収入を得ることができるようになります。
広大な土地を持つ人は多くありませんから、ベストな活用方法が見つかれば大きなチャンスにもなるでしょう。
土地の条件や周辺環境を踏まえ、その土地に合った良い活用方法を選んで下さい。
遊林地を売却するのも活用方法の一つと言えますが、山林の売却は簡単ではありません。
売却に対する相談先の選択肢は多くありませんが、十分に検討してその中から信頼できるところを選ぶことが大切です。
税金や仲介手数料など注意しなければならない点がありますので、売却に関する理解を深めておきましょう。