コンビニ店舗用の不動産を上手に探すことは、長期的に高収益を得る上で大切なポイントになります。
悪い立地に店舗を建ててしまうと利用客が少なくて経営が悪化しますが、優良立地へ建てるなら経営が安定するからです。
どのようにしたら利用客が多いコンビニ店舗用の不動産を探すことができるでしょうか。
コンビニ店舗用の不動産選びで覚えておきたいコツや、コンビニ経営が成功しやすい立地の特徴を紹介します。
不動産を賃貸するときに必要な手順と、一般の住居を賃貸するのとは違う点についても説明していきます。
コンビニ店舗用に向いている不動産には何か特徴がありますか
どのような不動産がコンビニ店舗に向いているのか教えますね。上手にコンビ店舗用の不動産を探すコツも説明していきます
目次
コンビニ店舗用に向いている不動産の特徴を押さえておこう
コンビニ店舗用に向いている不動産には5つの特徴があります。
- 人通りが多い
- 周辺のコンビニ店舗より有利な点がある
- アウトカーブ沿いの立地
- 両方向から入れる道路沿い
- 渋滞しない道路沿い
以上の特徴を持つ不動産を見つけられるのであれば、コンビニ運営が成功する確率が高まります。
各特徴について詳しく見ていきましょう。
通勤や通学などの人通りが多い場所
一つ目の特徴は人通りが多いことです。
当然のことながら人通りが少なければ店舗の運営には不利ですが、人通りが多ければそれだけ店舗を利用する人が多い見込みがあるので店舗の運営が安定します。
通勤や通学の通り道にある不動産はコンビニ店舗に向いています。
他にも以下の場所の近くは、人が集まりやすいので店舗運営に有利です。
- 駅やバス停
- 保育園や幼稚園
- 塾やスイミングスクールなど子供の習い事の場所
- 大型商業施設付近
- 銀行や役所付近
- ビジネスホテルの周り
- 団地や大型マンションの入り口
- 高校や大学の前
利用者の多い駅やバス停の近くにある不動産もコンビニ運営に適しているでしょう。
保育園や幼稚園、塾やスイミングスクールといった子供を迎えに来る親が待機するような場所も、意外とコンビニ店舗に向いているので覚えておいてください。
銀行や役所、そして大型商業施設付近は施設を利用する人の入店が見込めますし、ビジネスホテルの周りは宿泊客に入店してもらえます。
団地や大型マンションの入り口に店舗を構えれば、数百人の住民が利用客になる可能性があります。
高校や大学の前は、学生たちの買い物に利用してもらいやすくなります。
人通りが多い場所は敷地が狭くても効率よく売上を上げやすい特徴があります。
周辺のコンビニ店舗より有利な点がある
周辺にすでに他のコンビニがある不動産は購入しない方がよいと思われるかもしれません。
しかし他の店舗より有利な点がある不動産なら成功する確率が高くなります。
周辺のコンビニより駅やバス停に近かったり、車で入りやすかったりする不動産は有利です。
近くのコンビニが混雑しているのであれば、自分の店舗も繁盛する可能性があります。
他の店舗から十分に距離が離れているなら売上に大きな影響を与えないので競合店として気にしすぎる必要はありません。
アウトカーブ沿いの立地の不動産
アウトカーブ沿いの立地もコンビニ店舗に向いています。
車通りの多い道路沿いに不動産を見つけようとする場合、2種類の選択肢があります。
- アウトカーブ沿いの立地
- インカーブ沿いの立地
アウトカーブとは右曲がりになる道路のことで、インカーブとは左曲がりの道路のことです。
日本は左側通行ですから右曲がりのアウトカーブの方が店舗に入りやすくて有利です。
緩やかなアウトカーブだと、遠くからドライバーがカーブの先にあるコンビニが確認できるため店舗に入ってもらいやすいです。
アウトカーブでも急な曲がりになっていると、ドライバーがカーブを曲がっている途中か曲がった後に店舗を認識することになって店舗へ入りづらくなります。
コンビニ店舗をドライバーが認識してから、店舗の前を通るまで時間があった方が入店率は高くなります。
ドライバーが遠くから店舗を認識できるような不動産がオススメです。
アウトカーブ沿いで敷地が広いことも大切なポイントです。
敷地面積が400坪から500坪前後であるなら駐車場スペースに余裕が出て、トラックと大型車ドライバーに利用してもらいやすくなります。
都市部のコンビニ店舗以外の郊外の店舗は来店手段が車になるため、駐車場スペースの広さは重要なポイントです。
駐車場スペースが十分あり、アウトカーブ沿いの立地ならコンビニ店舗用に向いています。
両方向から入れる道路沿いの不動産
車で両方向から入れる道路沿いの不動産もオススメです。
どんなに車通りの多い道路沿いに店舗があっても、中央分離帯があって片側車線からしか入れない場所は不利になります。
中央分離帯が障害となって逆方向の車が入店できないからです。
逆に中央分離帯が無くて両車線から入店できるなら有利になります。
中央分離帯がなくても片側車線が複数ある道路は右折がしにくく、入店できる車が半減してしまうので注意してください。
車通りが多い道路沿いに不動産を探すときは、中央分離帯がないことと反対車線から右折がしやすいことを条件にしましょう。
渋滞しない道路沿いの不動産
車通りが多くても、渋滞する時間が長い道路はコンビニ店舗用に向いていないので気をつけてください。
店舗前の車線が渋滞するコンビニは、渋滞している車が壁になって反対車線側から入店できないので不利です。
反対車線から入りにくくても、渋滞している車線のドライバーは休憩のためにコンビニを利用するのではないかと思われるかもしれません。
しかし渋滞中のドライバーの心理は、急いで目的地に行きたいと思っているので、できるだけ休憩を取ろうとしないのです。
ベテランドライバーは、渋滞中にコンビニに入ってしまうと店舗から出るときに、列になかなか入れてもらえないことを知っているのでコンビニを利用しません。
店舗前の道路が渋滞しやすい立地はコンビニには向いていないことを覚えておいてください。
コンビニ店舗用の不動産を探すためのコツとは?
コンビニ店舗用に向いている不動産を探すのは簡単なことではありません。
店舗運営に有利な特徴や条件を満たしている不動産は競争率が高く、他の人に先に買われてしまうことがあります。
どのようにしたら優良物件を効率よく探し、誰よりも早く手に入れることができるでしょうか。
コンビニ店舗用の不動産を上手に探すためのコツを紹介します。
地元不動産会社などで非公開物件を探す
非公開物件を探すことで誰より早く優良物件を探すことができます。
まだ市場に出ていない物件をどのように探したらよいでしょうか。
一つの方法は、出店したいエリアを自分で歩いてみることです。
歩いているとテナント募集中といった広告を見かけるかもしれません。
テナント募集中という広告が出ているということは、すでに市場に出ている物件ではないかと思われるかもしれませんが、実は優良物件の場合は不動産会社が業者用の市場に出さず、直接借り手を見つけようとします。
市場に出さないで借り手を見つけると他社と競合しなくてよく、仲介手数料を多く取れるからです。
優良物件は市場に出さなくとも、テナント募集中の広告を出すだけで簡単に借り手を見つけられます。
周辺にある他の店舗がより優れた立地を探していることが多いので、広告を出しておくだけで借り手をすぐに見つけられるのです。
優良物件であればあるほどテナント募集中の広告だけを出し、市場に情報は流れません。
条件の良い優良物件は、インターネットだけでは探すことが難しいです。
歩くのが面倒だから車を使おうと思っても、上手く探せないことがあるので気をつけてください。
車はスピードが速く、よそ見ができないのでテナント募集中の広告を見落としてしまいがちです。
歩きながら物件を探すほうが効果的です。
非公開物件を探す別の方法は、出店を考えているエリアの不動産会社に顔を出すことです。
できれば大手不動産会社ではなく、地元の不動産会社を訪問するようにしてください。
地元の会社を訪問することによって、今は店舗運営をしている場所が半年後に閉店するなどの情報を教えてもらえるかもしれません。
郊外の店舗オーナーや地主は、地元の不動産会社を懇意にしていることが多く、不動産の管理を任せています。
近々、店舗をたたむことやテナントが退去する情報を地元の不動産会社しか持っていないことがあります。
現地を歩くときには必ず何社か地元の不動産会社を回ってみましょう。
購入予定の土地の用途地域を確認する
これはと思う土地が見つかったときには用途地域を確認することを忘れないでください。
土地がある地域には役所によって設定された用途地域というものがあり、建設できる建物が決まっています。
役所が市街地を計画的に開発していくために、用途ごとにエリアを分けているのです。
用途は細かく分けると13になりますが、大きく分けると3つに分類できます。
用途の種類 | 内容 |
---|---|
住居系 | さらに8地域へ分けられる 基本的に工場や商業施設は建てられない地域 |
商業系 | さらに2地域へ分けられる 買い物や遊びに使用できる施設が建てられる地域 |
工業系 | さらに3地域へ分けられる 工場の利便性を高められる地域 |
コンビニ店舗は住居系に区分されている地域でも建設することが可能です。
住居系の中には第二種低層住居地域と呼ばれる地域がありますが、一定の条件をクリアすればコンビニ店舗を出店することができます。
今までは出店が難しかった第一種低層住居専用地域と呼ばれる最も規制が厳しいエリアでも、コンビニが出店できる可能性があります。
第一種低層住居専用地域に住む高齢者の生活利便性を向上させるために出店を認めるべきではないかとの意見が出ており、規制緩和が検討されているのです。
規制緩和された際にコンビニが出店できる条件は主に2つあります。
- 住環境を害さない
- 公益上必要である
騒音などによって住環境を害さないことや、ライフラインとして公益上必要であることが認められる場合に限り出店ができるようになるでしょう。
現在は規制緩和前ですが自治体の建築審査会で許可を得れば、第一種低層住居専用地域でコンビ店舗を建設することが可能なケースがあります。
限られたケースしかありませんが、建築審査会で許可を得られれば第一種低層住居専用地域でもコンビニを建てられます。
各エリアには用途地域が定められていますから、良い条件の土地を見つけたときには役所の都市計画課に問い合わせてコンビニ出店が可能な地域か確認してください。
コンビニ店舗用に賃貸・売却を考えていない物件を探す
コンビニ店舗用の不動産を探す別のコツは、潜在的な優良物件を探すことです。
潜在的な優良物件とは、今はコンビニ用に賃貸や売却することを考えていない物件のことです。
例えば、自分の土地で繁盛している自前の店舗を持っているものの、後継者がいないので不動産を将来どうするか検討しているとします。
将来的には誰かに不動産を使って欲しいと考えているかもしれません。
土地のオーナーが不動産会社に今後のことを相談しているとすれば、不動産会社を通して土地のオーナーと知り合える可能性があります。
不動産会社とこまめに情報交換をしておくことで潜在的な優良物件を見つけられます。
コンビニ業者の統廃合があるタイミングを活用することによっても潜在的な優良物件を見つけられることがあります。
そうそうあるタイミングではありませんが、コンビニ業者の統廃合があると優れた立地の店舗が空くことがあるので良い物件を探しやすくなります。
統廃合のニュースを見たなら該当するコンビニの店舗が空くかどうかチェックしてください。
急に空いた店舗が売りに出されることがあります。
コンビニ店舗用物件が得意な不動産会社を選ぶ
コンビニ店舗用の不動産を探すときに、コンビニ店舗が得意な不動産会社を選ぶようにしてください。
今までコンビニに関わった実績が多い不動産会社を利用することで効率よく優良物件を見つけられます。
それぞれの不動産会社には得意不得意があり、住宅系不動産専門の業者や賃貸専門の業者があります。
コンビニなどの店舗用の不動産が得意な業者があるので、ぜひ店舗売買の実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。
店舗を出したいエリアで一番実績がある不動産会社を見つけることも優良物件に出会えるコツです。
商業用ビルの中に店舗を出したいときには、ビルを管理している不動産会社へ問い合わせるとよいです。
不動産会社の担当者と良い関係を築く
購入を依頼する不動産会社が決まったなら担当者と良い関係を築くようにしてください。
不動産会社の担当者は何件もの案件を抱え非常に多忙です。
複数の案件の中で、自分の案件を優先して進めてもらうには担当者との良い関係が欠かせません。
関係を築くのに必要なことは、担当者から連絡があったのであれば、すぐに対応することです。
電話になるべく出るようにしたりメールにすぐ返信したりするようにしてください。
担当者から紹介された物件が気に入らなかった場合には、何が嫌だったのか、何が良かったのかを丁寧にフィードバックしてください。
自分と担当者がイメージする優良物件が同じになるように意識しましょう。
依頼している自分の方が不動産会社より偉いのだと考えず、一緒に協力して物件を探すパートナーであると考えるようにしてください。
不動産のオーナーへ上手にアピールする
紹介された物件に複数の購入希望者がいることがあります。
同じ物件を購入したいと考えている競合先に勝つには、オーナーへ上手にアピールすることが重要です。
コンビニ店舗にすると、どんなメリットがあるのかアピールしてください。
安定した賃料収入が見込めることや、周囲の住民の利便性が向上するメリットを説明できます。
上手なアピールをするために、競合先の契約条件を把握することも大切です。
競合先の業種や営業時間、そして年商などを把握するようにしてください。
オーナーが求める購入希望者や、借主への条件も知っておくとアピールの際に役立ちます。
不動産会社と協力して競合先の情報収集をするようにしましょう。
優良物件であればあるほど競合先が増えるのでこれらの点を覚えておくと役立ちます。
不動産のオーナーと信頼関係を作る
オーナーへアピールしても、競合先と自分の条件が同じことがあります。
自分が提示する賃料や購入金額などの条件が競合先と似ている場合、オーナーはより信頼できる相手を選びます。
人間的に信頼できる相手かどうか、事業が安定しているかどうかを重視して最終的な決定をします。
そのためオーナーと信頼関係を作っておくことはとても大切です。
オーナーと話し合うときには、だらしない格好ではなく清潔な身だしなみをするよう心がけてください。
コンビニ事業のプレゼンをするときには安定性をアピールするようにしましょう。
テナントの運営実績や資本金で安定性を強調できるかもしれません。
すでに別のコンビニ店舗を運用して成功しているのであれば、その点を強調してください。
商談を進めるときには、物件の気に入っている点を具体的にオーナーへ伝えるようにします。
オーナーは相手が物件を気に入っているかどうかに敏感です。
内覧会の後には物件に好印象を持ったことをストレートに伝えるようにしてください。
物件は気に入ったので、条件をこれから検討させてくださいとオーナーへ伝えると相手は安心します。
基本的に物件と契約条件は別物なので、とりあえず物件が気に入ったこと、だからこそじっくり契約条件を検討することを伝えるようにしましょう。
この商談の進め方は、オーナーに自分が地に足の付いた信頼できる借り手であることをアピールできる方法です。
コンビニ店舗用の不動産を借りるときに知っておいた方がよい情報があったら教えてください
不動産を借りるときに役立つ情報を紹介しましょう
コンビニ店舗用の不動産を借りる方法は何種類もあるの?
一般の不動産を借りるときと、コンビニ店舗用の不動産を借りるときには違う点があります。
コンビニならではの借り方があり、借り方の種類は2つあります。
- リースバック方式
- 事業定期借地方式
リースバック方式は土地の所有者がコンビニ店舗を建てて、借り手へ貸す方式です。
事業定期借地方式は土地そのものを貸し出し、借り手がコンビニ店舗を建てる方式になります。
2つの方式の違いを表にまとめたので参考にしてください。
項目 | リースバック方式 | 事業定期借地方式 |
---|---|---|
土地 | 借り手へ貸し出し | 借り手へ貸し出し |
店舗 | 土地の所有者が店舗を建設 | 借り手が建設 |
建設資金 | 土地の所有者が支払う | 借り手が負担 |
賃貸契約期間 | 20年前後 | 20年前後 |
所有者のメリット | リターンが大きい | リスクを抑えられる |
リースバック方式は土地の所有者が資金を出してコンビニ店舗を建てるため土地の所有者にとって初期投資が大きくなりますが、リターンも大きくなるメリットがあります。
事業定期借地方式は土地所有者にとってリターンは小さいですが、初期投資が必要無い分リスクを減らせます。
どちらの方式で土地を借りるかは所有者と借り手との間で話し合って決めます。
2つの方法について、もう少し詳しく見ていきましょう。
リースバック方式の賃貸契約の特徴
リースバック方式は土地の所有者が店舗を建設するため、借り手にとって初期費用を節約できるメリットがあります。
初めてコンビニ店舗の運営をするときや、立地条件に多少の難があるときはリースバック方式での賃貸契約がオススメです。
土地の所有者からするとコンビニ店舗の建設費用を負担するといっても、アパートやマンションを建設するより安いので意外とリースバック方式を認めてくれます。
またリースバック方式にすることで所有者は相続税対策をすることができるため、所有者の方がリースバック方式を望むこともあります。
リースバック方式では、土地の所有者がコンビニ業者から建設のための資金を借りられる制度があります。
建設協力金と呼ばれるもので無利息で建設資金を借りられるのです。
この制度については後ほど詳しく説明します。
事業定期借地方式の特徴
事業定期借地方式では借り手が土地に店舗を建設します。
借り手は最初に建設費用を負担しなければいけませんが、その分毎月支払う賃料を安くできます。
土地の所有者に取ってみると初期費用が節約できる分、毎月のリターンは小さくなります。
建設協力金の制度があるため、ほとんどの土地所有者はリースバック方式での契約を希望します。
建設協力金について詳しく解説
建設協力金は、借り手が契約するコンビニ業者が土地の所有者に店舗建設費を貸し出す制度です。
無利子での融資となり、土地の所有者は毎月の賃料から建設費用をコンビニ業者へ返済していきます。
アパートやマンションを建設するために銀行から融資を受けると1.5%前後の利息がかかりますが、コンビニ店舗用の建設協力金は無利息になります。
資金が限られている土地の所有者には非常に便利な制度です。
所有者が建設協力金を利用することで、コンビニ業者は賃料を払い続けないと所有者から返済が受けられなくなるため、本気で店舗運営をしてくれる効果があります。
売上が少ないからといってコンビニ業者がすぐに撤退する可能性が少なくなります。
つまり借り手にとっても土地の所有者が建設協力金を利用してくれることにはメリットがあるのです。
ただし建設費用の100%を貸し出してくれるかどうかは立地によって変わってきます。
売上が確実に見込める優良物件であればコンビニ業者は必要な費用全てを融資してくれますが、普通の物件の場合は必要経費の一部が融資されます。
コンビニ店舗用の不動産を契約する手順は一般時と同じなのでしょうか
ほとんど変わりませんが、一部違う点があるので解説します
コンビニ店舗用の不動産を契約する手順と一般時とは違う点を解説
コンビニ店舗用の不動産を賃貸契約する手順は、一般の賃貸住宅を契約する手順と大きな違いはありません。
店舗の賃貸契約の手順は以下の通りです。
- コンビニ店舗用の不動産に求める条件を検討
- コンビニ店舗用の不動産を探す
- 物件を内覧
- 物件への入居申込
- 不動産会社による審査
- 賃貸借契約締結
- 引き渡し
コンビニ店舗開業は収入に関わるため、住居を探すときよりも入念な準備が必要となります。
最初のステップでは不動産に求める条件を検討していきます。
繁華街や駅に近いところと漠然と考えるのではなく、道路のカーブの形や渋滞の状態などを考えるようにしてください。
ターゲットにする年齢層や職種についても検討します。
不動産の条件を考えるときに予算立てをすることは大切です。
店舗用の物件を賃貸するときには取得費がかかります。
必要になる取得費の一般例を表からご確認ください。
項目 | 内容 |
---|---|
保証金、敷金 | 土地や建物のオーナーへ預けるお金 契約を解約後に返金される |
仲介手数料 | 物件を紹介してくれた不動産会社へ支払う手数料 一般的に賃料の一月分 |
礼金 | オーナーへ支払うお礼のお金 オーナーによって金額が異なる |
前家賃 | 賃料は前払いになるので、賃貸契約後に最初の月の賃料を支払う |
店舗向け保証金の平均額は賃料の半年分で、一般時より高くなります。
オーナーにとって店舗経営者へ貸し出すことは家賃滞納のリスクが高いですし、借り手が撤退する際にスケルトン戻し工事をしないことがあるので保証金が高めに設定されています。
コンビニ店舗用の不動産を探す際は、不動産会社に依頼することに加えて自分でも歩き回って探しましょう。
最近はSNSを活用して物件を探す人がいます。
自分が探しているコンビニ店舗用の物件詳細をSNSに載せることで、ちょうど貸し出したいと思っていた所有者と知り合うことができます。
気になる不動産が見つかったなら内覧を行います。
内覧の予約をする前には、地図を見て周辺の状況をチェックしたり、賃料や保証金の額を確認したりしてください。
自分の条件とかけ離れた物件なら内覧しても時間の無駄になります。
内覧の際には建物や設備の状態を確認することや、コンビニ店舗へ改装するためにどの程度の工事が必要になるかを見極めてください。
確認するポイントが一般時とは違ってきます。
契約してもよいと感じたなら入居申込を書面でしないといけません。
人気物件は競合相手がいるので、口約束だけでは正式な入居申込にはならないことがあります。
入居申込は賃貸契約ではないので後からキャンセルすることも可能です。
申込の際に必要となる書類は、法人と個人のケースで違ってきます。
項目 | 必要書類 |
---|---|
法人のケース | 法人謄本 連帯保証人予定の代表者の個人証明書 |
個人のケース | 借り手と連帯保証人の個人証明書 |
個人証明書は運転免許証や健康保険証を利用できます。
入居申込後は不動産会社による審査が行われます。
借り手と連帯象相人の収入がチェックされ、賃料を払い続けられるかが審査されます。
審査に必要な期間は数日から1ヶ月とケースごとに違っています。
物件の所有者と不動産会社を安心させられる資料があるなら提出してください。
コンビニ店舗運営の実績や、契約しているコンビニ業者の周辺地域の実績を証明する書類を提出できます。
審査に通ると晴れて賃貸借契約締結となります。
契約書に署名捺印する前に、以下の点を必ず確認してください。
- 契約形態
- 契約年数
- 賃料
- 保証金の金額
- 退去時の原状回復に関する規約
- 保証金の償却条件
- 賃貸契約解約を解約する予告期間
一度契約したら引き返すことはできませんから、上記の内容をしっかり確認しましょう。
契約書を受け取ってすぐに署名捺印することはせず、一旦家に持って帰って時間を掛けて確認してから署名するようにしてください。
最後に物件の引き渡しとなります。
引き渡し日が賃貸契約の開始日になります。
仮に引き渡し日前に物件に立ち入って何かトラブルが発生しても、保険が適用されないので気をつけてください。
物件の引き渡しが行われるときに、現場に撤去されているはずの不用品が残されていることが時々あります。
引き渡し日のトラブルを防ぐためにも、契約する際に引き渡し時の状態を書面で決めておくようにしましょう。
各手順で意識することが一般の住居を借りるときよりも多いですね
確かに一般時と違って多いですが、ここで紹介した点を意識するならコンビニ店舗に適した不動産を見つけやすくなりますよ
まとめ
コンビニ店舗用の不動産を探すためのコツは非公開物件を探すことです。
不動産会社へ丸投げするのではなく、自分の足で現場を歩いて優良物件を探してください。
どんなに良い土地を見つけてもコンビニ店舗を建設できない用途地域のことがあります。
店舗建設が可能な用途市域に属しているか必ず役所へ確認しましょう。
テナント募集中の物件でなくても、交渉すればコンビニ店舗用に貸し出してくれる潜在的な優良物件が時々あります。
潜在的な優良物件の情報を得るコツは、地元の不動産会社とマメに情報交換することやコンビニ業者の統廃合があるタイミングを活用することです。
コンビニ店舗が得意な不動産会社を選ぶこと、担当者と良い関係を築くことも大切です。
一般の住居を借りるよりも、コンビニ店舗を借りる手順の方が入念な準備が必要になる点も覚えておきましょう。