不動産売却は査定の仕方によって金額が大きく状況が変わると言われています。
相場は存在しますが、実際には査定する会社によって売却金額は変わるのです。
以前は不動産会社を訪れたり電話で依頼して、数日かけて結果が出るという流れが普通でしたが、今ではインターネットを使えば数時間以内に簡易査定の結果を見ることも可能です。
大まかな査定額は無料でインターネットを活用すればできる時代になりました。
その不動産物件の査定には、どのくらいの費用がかかると思いますか?
そんな疑問を持つ売主の方もいると思いますが、インターネットの不動産査定は無料で利用可能です。
それどころか不動産査定には、もはやお金をかけずに手軽に査定してもらうのが一般的とさえ言われています。
不動産査定は一体なぜ無料で行えるのか、また上手に活用して売却を成功させるためのコツについても気になる情報をまとめました。
目次
不動産査定はお金を支払うべき?
不動産売却の第一歩は査定を依頼するところから始まります。
以前とは違い、今ではインターネットでも手軽に行うことができますが、その依頼経路にはどのようなものがあるのでしょうか。
不動産査定は、お金を支払わずにできるって本当ですか?
はいそうです。不動産査定は原則お金をかけずにできるものです。その仕組みと理由を知るために、まずは査定を依頼する主な4つの経路について説明しましょう。
不動産査定を依頼する4つの経路
不動産査定を依頼するには主に4つの経路があります。
それは不動産会社、不動産鑑定士に直接依頼する方法と、不動産一括査定サービスとAI査定シミュレーションというインターネットを使う方法と、さらに2種類ずつに分類されます。
それぞれの査定方法の特徴や、気になる依頼費用についてもまとめました。
1.不動産会社に直接依頼
初めに紹介するのは不動産会社に直接依頼するやり方です。
今のようにインターネットが普及していなかった時代はこの方法が最も一般的でした。
店舗を訪問するまたは電話をかけて来てもらうというきわめてシンプルな方法ですが、営業マンと会うのが煩わしい、電話がくるのが嫌という声もあり、初めからこの方法でアプローチする人は多くありません。
査定の費用についてですが、不動産会社では査定を依頼するだけであれば、原則として費用負担はありません。
実際にお金を払う必要が出てくるのは、売買が成功した後からなので、その前に金銭のやり取りがあるのはむしろ違法となります。
2.不動産鑑定士に依頼
2番目の方法は不動産鑑定士に依頼する場合です。
不動産鑑定士は国家資格にも認定されている立派な専門家で、文字通り土地や不動産物件についての鑑定業務を行います。
鑑定が終わると不動産鑑定評価書という書類が作成され、証明書類として効力を持ちます。
しかしこの書類は一般的な不動産売却で使われることはほとんどありません。
鑑定評価書が必要になるのは病院やゴルフ場など特殊な取引、相続税の軽減対策、法人間の取引、銀行から借り入れを受けるための担保価値の証明などです。
そして気になる鑑定費用相場は20万円~30万円程度です。
費用は高額ですが通常の不動産売却では特に効力のある書類でもないので、特に取得する必要性はありません。
3.不動産一括査定サイト
3番目の方法はインターネットによる不動産一括査定サービスです。
このサービスでは、売却予定の物件のある所在地やその他の必要事項を入力するだけで、数時間以内に査定結果が書かれた回答メールが送られます。
メール内には査定を担当した複数の不動産会社の情報もあり、一回で比較検討まで完結できる点が便利だと支持されています。
査定費用は無料、さらにスマートフォンでも操作できるので忙しい時でも空いた時間に依頼できます。
手軽さもあり、今では一般の売却希望者の多くが利用しています。
4.シミュレーターやAI査定
最後に紹介するのがAIによる自動査定です。
AIを使って住所や延べ床面積などの情報を入力すると、自動で査定額が算出されるサービスです。
操作手順は不動産一括査定サービスとも共通していますが、AI査定では基本的に不動産会社の情報までは載せていません。
その代わりサイト上で直接売買取引を行うことも可能、極端な話スマホ一つで不動産取引が完結できることもあります。
査定だけの利用料金は無料ですが、実際に取引を始めて売買契約が成立した際、所定の費用がかかる場合もあります。
4つの経路では、不動産鑑定士以外は全てお金を支払わずにできますね。
しかも鑑定士の査定が必要になるのは特殊なケースがほとんど、その上お金もかかるのであれば一般物件の売却であれば他の査定方法で十分です。
机上査定と訪問査定とは?
一般物件に対して行われる不動産査定には、机上査定と訪問査定と呼ばれる2種類があります。
査定についての基礎知識となるので、その特徴と両者の違いについて比較表としてまとめたのでしっかり理解しましょう。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
特徴 | ・簡易査定とも呼ばれる ・インターネットでも利用可能 | ・詳細査定とも呼ばれる ・実際に物件を細かく見られる |
査定額の算出根拠となる要因 | ・物件の種類、所在地、延べ床面積、築年数など ・過去の取引実績からのデータ、近隣物件の売り出し価格、市場動向など | 机上査定で使われるデータの他、以下の点も対象になる 戸建の場合 家屋の傾き具合、外壁の状態、隣土地への越境物や土地の境界線の確定状況、日照、土地の形状や水はけの良さなど マンションの場合 階数、日照、部屋の位置、間取り、室内リフォームの必要性、建物や設備の劣化状況、管理項目の詳細など |
メリット | ・結果が早く分かる ・不動産知識がなくても使える ・不動産会社から電話がかかってくる心配がない | ・より正確な金額を知られる ・不動産会社の良し悪しを見極める最大のチャンスとなる ・不明点や疑問点をその場ですぐに聞けて知識も付く |
デメリット | ・実際の売却額と大きく異なるリスクがある ・詳細な条件については反映されない ・不動産会社の内部までは把握しきれない | ・担当者に会うための時間を作らなければならない ・媒介契約の電話がかかってくることもある ・一度頼むと断りづらい |
向いている人 | ・相場を知りたい人 ・売却を急いでいない人 ・不動産会社との接触を極力少なくしたい人 ・不動産知識が豊富な経験者 ・築年数がかなり浅く、人気エリア、駅近など非常に有利な物件を早く売りたい人 | ・慎重にかつ確実に手続きしたい人 ・信頼できる人に売却したい人 ・不動産知識がない初心者 ・売却損を出したくない人 ・駅から遠い、築年数が経っているなど少し不利な条件がある物件を売りたい人 |
2種類の査定方法では、出される査定額が異なりそうですね。
中古物件の場合では似たような場所や築年数でも、売主がどのように使ってきたかで経年劣化の程度も大きく変わります。しかしその部分まではさすがにAIでも判定することはできません。
無料でできる査定のまとめ
費用がかからない査定方法は以下の3つにまとめられました。
- インターネット一括査定サービス
- AI査定
- 不動産会社に直接依頼
上記3つのうち、一括査定とAI査定については机上査定、不動産会社の場合は詳細査定も両方可能です。
査定だけであれば、もはやお金を払う必要はないということですね。
よほどの理由がない限り、通常は査定の段階で金銭は発生しません。具体的な売却の予定がないけど相場が気になる、そうした場合でも手軽に使ってみましょう。
インターネットで無料査定が可能な理由
不動産査定はもはや無料で行うべきものとさえ今では言われるほどですが、いつからそんなことが可能になったのでしょうか。
さらになお、本当にお金が取られないか、まだ不安な人でも納得できる理由について説明しましょう。
確かに、不動産査定も調べたり計算したり、はたまたサイトを管理したりと人件費が発生しているはずですが・・・。
おっしゃる通りですね。しかし査定の料金が無料なのにはしっかりした理由があります。インターネット、不動産会社、それぞれの理由について説明しましょう。
インターネット査定が無料である理由
不動産一括査定やAI査定など、インターネットを使う査定方法では、ほぼすべてのサイトが無料で利用できます。
その理由は、不動産会社から収入を得ているからです。
不動産会社は広告宣伝費という名目で運営サイトに費用を払う代わりに、サイト経由で売却依頼者を通じて簡易査定を行い、自社のPR掲載にも使っています。
利益を出すためには広告宣伝費は必要経費、特にネット検索で物件を探す人が多い今では、Web広告に力を入れることは欠かせません。
そんな宣伝活動の中でも、不動産会社一括査定サービスに掲載されるのは最適なチャンス、うまくいけば媒介契約にもつながってより成約に近づくと、まさに一石二鳥です。
また一括査定サービスでは運営会社での審査があり、評判の悪い会社や悪徳業者が登録できない仕組みになっています。
このことから、サイトに上がってくる不動産会社は健全で安心という、さらなる宣伝効果にも期待が持てます。
サイトの運営会社としても不動産会社から登録されるのは大歓迎、両者のニーズがまさに合致しているのです。
なるほど、お金をもらう先が一般個人でなく会社からなのですね。
不動産会社にとっては一括査定サービスへの掲載は効率的、それに以前のように会社から電話をすることなく、依頼人からコンタクトがある点も大きいですね。
不動産会社に直接依頼しても無料なのか?
一方、不動産の店舗に依頼という昔ながらの方法でも、査定のみであれば無料で受けられます。
その理由は、事前査定は会社の営業活動の一環として考えられているからです。
不動産売却には一定の流れがあり、それに従って行われます。
具体的に金銭のやり取りが発生するタイミングも併せて、フローを頭に入れましょう。
物件査定
物件について必要な調査をした後に概算金額を算出し、それに基づいた販売価格を見積もります。
この時点では金銭のやり取りは通常発生しません。
媒介契約
査定金額に同意したら売り出し価格を決定、購入希望者との仲介を経て売買契約を結ぶための不動産媒介契約を締結します。
この時点でもまだ費用の負担はありません。
販売活動
物件を売るための営業活動が始まります。
売買物件の広告を作成し広く宣伝、購入を検討している希望者から申し込みがあると内覧を行います。
この時点でもまだ金銭の支払いは生じません。
売買契約の締結
買い手が決まると成約となり、売主との間で売買契約の手続きがあります。
この時に、ようやく売主の費用負担が出はじめます。
多くの場合は仲介手数料の一部(半額が多い)を支払うケースですが、会社によっては引き渡しまで支払わないところもあります。
引き渡し
売買契約手続きが済むと、物件の引き渡しと決済が行われます。
ほとんどすべての会社で仲介手数料を全額支払う他、登記関係の費用負担もあります。
確定申告
売却して利益があった場合には、所得税と住民税の課税対象になります。
翌年の確定申告にて届け出し支払います。
このように、一連の売却の中で初めてお金を支払うのが成約時(売買契約締結時)または引き渡し時となり、その際に支払われる項目が仲介手数料です。
仲介手数料とは不動産会社に対する成功報酬という意味合いがあり、その費用の中に広告費も一部含まれています。
ただし一部の会社では仲介手数料がないところもあります。
その場合、どんな名目での費用負担があるかを、媒介契約の前にしっかりと確認しましょう。
査定だけで利益があるとは限らないのに、先手で広告費を支払って大丈夫なのですか?
不動産会社にとって広告宣伝費は必要経費ですが、後に十分ペイできる仕組みになっています。そのためにも仲介手数料をいかに取得するかが、不動産会社にとっては生き残りのカギとなります。
無料査定は売却価格に不利になる?
不動産査定は不動産鑑定士に依頼する場合以外は、お金は発生しません。
しかし無料査定だと売却に不利になるのでは?という疑問の声も上がっています。
そうした疑問の根拠には、不動産売却での鉄則の一つにある、高額売却を目指すためになるべく多くの証明書類を持っていることが挙げられます。
具体的には戸建を売る場合には測量図や境界線図面、マンションを売る場合には管理規約書などが該当します。
このような正式な証明書類があると購入者にとって安心材料が増えます。
消費者の誰もが物を購入する際には安全性を求めていると言えますが、金額が大きな不動産物件の場合はその傾向が顕著に表れます。
しかし査定の段階では、不動産鑑定書が売却額アップの効力を発揮することは、残念ながらあまり期待が持たれていません。
その理由は不動産鑑定書が必要なのが特殊な取引の場合だからです。
一般の人にとっては相続税対策の時にいるくらいで、査定価格に対する影響はほとんどありません。
したがって売却に有利にならない代わりに不利になることもないので、お金を払ってまで鑑定書を手に入れなくても大丈夫です。
査定に必要な書類の一部は有料になるので注意!
物件の査定時には4種類の必要書類がありますが、書類によってはお金がかかるものがあるので、それだけは注意しましょう。
書類名 | 目的 | 費用 |
---|---|---|
登記事項証明書 | 不動産の権利者が記載されている | 450~600円 |
公図 | 地図として使う | 450~500円 |
登記済権利書 | 不動産を所有する人が記載されている | なし(再発行不可) |
本人確認書類 |
その他、必要に応じてあると便利な書類には以下のものがあります。
- 購入時の売買契約書
- 重要事項説明書
- 設備の仕様書
- 固定資産税の納付状況がわかるもの
- 建物の図面(戸建の場合)
- マンション管理規約(マンションの場合)
必要書類の発行のみ、少しお金がかかるのですね。
本人確認書類以外の3つはいずれも法務局で取得し、これらの発行費用は不動産会社には支払いません。
賢い活用術
賢い売却の基本は無料査定の利用から、どんな活用術をすれば良いのでしょうか。
せっかく無料でできるのであれば、ぜひともうまく活用したいですね。
そのポイントは、無料査定で行うことの目的にあります。先に挙げた依頼別に、手順を整理してみましょう。
AI査定で相場を調べる
無料査定を上手に使うには、目的別に順番をつけるのがポイントです。
最初に行いたいのがAI査定による相場調べ、この段階では物件がどのくらいの価格で販売されるかの平均値を知ることが目的です。
AI査定で必要な情報は所在地、延べ床面積など、サイトによってはマンションの名を入力するだけで、その場で金額を確認できるものもあります。
複数のサイトでAI査定を行い、各査定額の平均値を計算してそれを相場とみなします。
一番にAI査定が来るのですね。
不動産会社を探す前に相場を知っておくと販売価格の予想が立てられますね。その他には、次に行う不動産選びの参考にも使えます。
一括査定で不動産会社を探す
AI査定で相場を割り出せたら、次に不動産一括査定サービスを利用します。
一括査定サービスの目的は、複数の会社の中から媒介契約を依頼する不動産会社を選ぶためです。
AI査定サービスを自社サイトで行っている不動産会社もありますが、複数の会社の情報を集めて比較検討できるのは、一括査定サービスだけです。
使用方法はAI査定の手順とほぼ同じ、物件の所在地や面積、築年数などを入力し送信します。
ただしAIと異なるのはここから先のことで、査定結果を受け取るためにメールアドレスの情報が必要となります。
結果が送られてくるのは早くて2時間程度、AI査定よりは少し時間がかかりますが不動産会社の直接依頼だと数日かかることに比べたらはるかに速いです。
結果メールには査定を行った会社の情報や連絡先もあり、そこから直接連絡できるので、毎日忙しい一般の売却希望者に好んで使われています。
不動産会社のお客様の声を見ていると、出会ったきっかけが一括査定サービスだったという人も少なくありません。
なお、サービスを利用すると不動産会社から電話があるのではという疑問もありますが、こちらからコンタクトを取らない限りは、サービスを利用しただけでかかってくることはありません。
不動産会社の比較検討が一気にできるのは便利ですね。
AI査定で得られた相場とも比較し、その金額と大差がないところを選んでいくことがコツです。
なるほど、でもやっぱり査定額が高いところに目がいってしまいますね。
気持ちが分かりますがそれは慎重に。高額査定で釣っておいて後から下げてくる業者もいるので注意しましょうね。
不動産会社で本格訪問査定
AIや一括査定はいわゆる机上査定、ここで分かるのは概算価格までです。
本格的に売却手続きをする場合にはさらに細かい部分を調べ、より正確な価格を出してもらうことが必須です。
そんな時に行うのが訪問査定、不動産屋に会うのは煩わしいという意見も分かりますが、売却取引では初めの大切な部分なだけに、手を抜くと後で響いてきます。
一括サービスで見た会社で気になったところに連絡し、実際の物件を詳細に見て販売に適した金額を算出してもらいます。
訪問査定の所要時間は1時間~2時間程度、その間に、営業担当者の対応力や仕事ぶりを観察し、良い不動産会社を選ぶための絶好の機会だと言えます。
また疑問に思っていること、売却に関して不安に感じていること、不動産の知識について直接質問をするチャンスでもあります。
なお、訪問査定は時間も手間も多くかかるのでお金を支払うと思われがちですが、この時点での支払いはもちろん一切ありません。
来てもらったから悪いのでといううしろめたさを感じる人も中にはいますが、依頼者ができるだけ複数の会社を比較検討しているという点も会社はもちろん知っています。
それに訪問査定も必要な営業の一つという位置づけ、来てくれたからと言ってその場で媒介契約を決める必要はありません。
確かに、無料でわざわざ来てもらったのにという申し訳ない気持ちは残りますね。
そうですね、しかし最終的な決定権は売主にあります。この時に媒介契約を催促してくる会社であれば、逆に取引は慎重になるべきでしょう。
無料査定の時に心得るべき売却成功のポイントとは
無料査定は便利で手軽でメリットばかりですが、注意点もあります。
賢い不動産売却のためにも、以下の3つのポイントを踏まえて有効活用しましょう。
無料査定の利用上のポイントとは、詳細査定の意味を知ること、不動産会社の良し悪しへの判断材料、そして優良不動産会社との出会いツール、この3つについて説明しましょう。
出会いツール、ですか?!ちょっと興味深いですね・・・。
訪問査定でないと分からないこと
インターネットで使えるAI査定や一括査定には、膨大な数の不動産取引情報を基に、立地、駅からのアクセス方法、築年数などの他、同一物件や近隣の類似物件の売買実績から引き出されています。
しかしその中には、実際に販売するための価格設定の決め手になる部分までは反映されていません。
その実例として、以下の2つの例がよく聞かれます。
マンションを売却する場合
同一マンションで階数も同じ、日照条件も大差ないにも関わらず販売価格が数百万円違うことはよくあります。
確かに建物は一つなので駅からの利便性や周辺環境についての条件は変わりません。
しかし同じ階数の隣同士の部屋の場合では、間取りが左右対象というのがマンションにはよくあります。
これは1号室には浴室が左側にあるのに2号室は右側にあるといったような場合が該当します。
一見価格設定に影響がないように思えますが、マンションでは間取り図を見ないで買う購入者はいないと断言していいくらい重要です。
戸建住宅の場合
戸建の場合でも、隣同士の土地で面積がほぼ変わらない条件、建売住宅などで築年数も同じにも関わらず販売価格が違うというのも少なくありません。
その理由は売主がどのように使用していたかによって、室内の状況が大きく変わるからです。
例えばペットを飼っていたりすると床や壁紙に傷が目立つことが多くなります。
また住人が小さい子供がいた場合と高齢者がいた場合でもずいぶん違い、特に高齢者が同居していると既にリフォームが行われていたりもします。
そして戸建住宅の場合は土地に起因する要素も大切です。
隣との境界線が定まっているか、道路に面している部分はどのくらいあるか、形状、越境物の有無などでも価格は大きく変動します。
インターネットの情報で反映できるのはあくまでも実際に売れた金額まで、その理由についてまでデータ化させようとすればサーバーの量がどれだけあっても足りません。
そうなると最終的には人間の目で判断する必要があること、機械だけで完結できないのが不動産取引の大きな特徴であるとも言えます。
ゆえに、インターネットの机上査定だけで全てを決めてしまうのは、よほど不動産の知識があって取引経験が豊富という玄人でさえも滅多にやりません。
一般住宅の売却では必ず訪問査定を受けることが、成功へのプロセスの一つです。
補足すると中古物件の場合は使用年数による経年劣化が避けられずないので、建物の減価償却も価格決定の要因になります。
そうですね、査定価格一つ出すにも、物件を隅々まで見て計算してますね。
これから様々な仕事がAIに取って代わられると言いますが、不動産業はこの限りではない、人間でなければできない仕事だからこそ営業マンの質が問われているのです。
訪問査定は不動産会社の良し悪しの判断材料にする
訪問査定では不動産会社の営業担当者が訪れ、物件を直接目で見て査定しますが、実はその時は、売主にとっても不動産会社を査定する機会になります。
不動産の営業マンが見るポイントは机上査定のデータ的な部分はもちろんのこと、内部の状況や設備、リフォームの必要性や修繕箇所、その他の欠陥の他、以下の点についても質問される傾向があります。
- 売却する理由
- 希望する販売価格
- 引き渡しができる時期
- 住宅ローン残債
- 不動産売買の経験の有無
一方で、売主としては営業担当者を直接見るまたとないチャンスです。
以下の8つのポイントについて観察し、当てはまる項目が多いほど良い不動産会社と言え、安心して任せられます。
- 個人情報をいきなり聞いてこない、また漏らさない
- 宅地建物取引士(宅建)の資格を持っている
- 説明の仕方が分かりやすい
- 媒介契約を急かさない
- 査定価格が低い場合、その理由を隠さず話してくれる
- 住宅ローンの知識がある
- 店舗に連れて行こうとしない
- 販売に対しての戦略的思考が具体的
お互いに相手を見定めるなんて、なんだかお見合いみたいですね。
まあ不動産取引も結婚もめったにないことという点では同じですね。それにその後にも売買活動や内覧、契約締結、引き渡しなど数か月にわたるお付き合いになるので、選ぶ方は少し慎重すぎるくらいでもちょうどいいでしょう。
査定は優良な不動産を探すための出会いツール
気に入った営業マンに出会ったら、出来れば最後に実際の店舗も訪れてみましょう。
店内はきれいに整頓されているか、他のスタッフの対応も感じが良いか、担当者の上司も信頼が置けそうかなど、会社全体の雰囲気を見ることも大切です。
不動産会社の営業マンと言えば、真面目で丁寧という印象です。
確かに言葉使いや立ち姿などは社内で教育を受け、また一般の人が知りえない不動産の知識を豊富に持っているので、そう見られるのも不思議ではありません。
しかし営業マン1人の力だけは限りがあり、そんな時に彼や彼女を支える会社自体も頼りになるか、気持ち良い取引のためには会社の姿勢も大切です。
インターネット査定では残念ながらこのような部分までは分かりえません。
頼れる会社できちんとした人に売りたければ不動産会社が良いに越したことはありません。
無料査定はこのように相手のスペック(査定額)だけでなく、内面的な部分(営業担当者の対応、営業力、人間力など)も総合的に見られます。
ネットとリアルの良い部分を使って最適な不動産会社を探す、まさに出会いツールとしては欠かせないのが無料査定の存在ですね。
出会いツールと聞いてドキッとしましたが確かに。今後のお付き合いに関して売却成功を前提に申し込む、と喩えられますね。
不動産売却では成約までに早くても3か月、売買契約から引き渡しだけでもさらに1か月くらいかかります。しかしこれ以上かかる例も多く、1年近くに渡ることだってあるくらいです。
不動産のことだけで数か月から1年は長く感じますね。
不動産査定は物件だけでなく、売主もまた会社を査定しているみたいですね。
確かにそうですね。でも出会いのきっかけ探しだけなら無料でも構いませんね。
まとめ
以前は不動産会社を訪れて数日かかって行われていた不動産査定ですが、今は無料でやるのがもはや当たり前の時代です。
その理由は、インターネットの普及で不動産会社が宣伝広告費を安く上手に活用できるようになったこと、そして査定依頼を受けて行うことも会社の大切な営業活動の一環とされているからです。
無料査定の賢い査定活用術は、まずAIで相場を知って次に一括査定サービスで不動産会社の候補をピックアップする、そしてその中から複数の会社に訪問査定を依頼して媒介契約する会社を決めるという流れで行います。
売却の成功は査定から始まると言うのは事実、そのためには無料で利用できる査定サービスを最大限に活用しましょう。