旗竿地とはどのような土地か
気になるエリアに土地を購入したいと思い探してはいても、人気エリアであるほど土地の価格は高く手に入りづらいと言えます。
とても良い感触を抱く土地でも、価格面で折り合いがつかなければ諦めざるを得ません。
そのような時に注目したいのが、若干形の変わった旗竿地というものなのです。実際、土地探しを始めてみると、以下のように土地の形状にも種類があることがわかります。
整形地 | 不整形地 |
平らで四角く整っている土地 | 四角ではなく多角形である 土地が凸凹している 旗竿地 |
大きく整形地と不整形地に分かれるのですが、中でも特殊なのが旗竿地と呼ばれる土地形状です。
文字通り、土地が四角く竿のような部分がくっついており、全体的にはまるで旗のようにも見えることから、旗竿地と呼ばれているのです。
道路まで延びる道が竿の部分になっており、狭い竿を通って家の敷地に出入りするようなイメージです。別名、敷地延長や敷延とも呼ばれており、特に多くの家が建ち並ぶ都市部によく見られる土地の形状だと言えます。
土地を住宅向けに四角く整形していった結果、細長い余りが出てしまうため、一部の土地だけがいわゆる竿の部分を持った土地になるのです。
苦労しがちなのが、雪が降る地域の旗竿地だと言われています。狭く長い竿の部分に雪が積もると、道路に出るまでの道がふさがれてしまうため、雪かき自体が大変になるのです。
実際に旗竿地に住んでいる人からも、雪かきしてからでなければ出かけることもできない、玄関口とアプローチが雪に埋もれているため除雪が大掛かりになる、といった声も聞かれます。
このように大きな特徴を持つ旗竿地ですから、特徴が活かされたメリットと特徴が邪魔になるデメリットの二面性を併せ持っているので、もう少し詳しく見ていきましょう。
分かりました!
旗竿地のメリット
旗竿地は相場より安く手に入る
土地の評価を左右する要素の1つとして、その土地が整形地か不整形地かという点が挙げられます。
これは不動産業界における慣習でもあり、面積が同じでも不整形地であるために坪単価が安くなる傾向があるのです。
つまり、人気のエリアであっても、不整形地であれば周辺の土地より割安な価格で購入できる可能性があるので、考え方によってはお得な買い物になるとも言えます。
後述しますが、旗竿地ならではの特徴として次のような点を理解しておく必要があります。
土地の用途 | 竿部分の土地の用途に工夫が要る |
隣家との距離 | 土地全体的に隣家に囲まれやすい |
日当たり | 制限されることがある |
プライバシー | 隣家に囲まれることで制限を受けることがある |
こういった点でも工夫次第で素敵な家を建てることは可能なので、あえて不整形地に注目して土地を探し購入する人もいるほどなのです。
道路から距離があるため騒音の影響を受けにくい
形状から言っても、道路から奥まったところに家を建てる必要があるため、周辺の騒音が届きにくいという特徴があります。
一般的に生活する上で、付近の道路を行き交う車や通行人の音や声等が家の中にも聞こえてくるものですが、奥まった地形がそういった音をある程度遮断してくれるため、比較的静かな環境を手に入れやすいでしょう。
また、奥まったところに家があるということは、道路に面した家や道路から近い家に比べると、通行人からの視線を受けることもないので、落ち着いて暮らすことも可能だと言えます。
竿部分を逆に有効活用できる
旗竿地だということをデメリットと見るのではなく、逆に有効活用できないか見当してみると、案外方法があることがわかります。
例えば、細長い形状を活かして駐車スペースを作れば、竿の部分を無駄にせずに済みます。
一般的な四角い土地の場合では、駐車スペース分の空き部分を考慮した上で、残りの土地に家を建てなければいけませんが、旗竿地の場合は駐車スペースと家を建てる土地とを完全に切り離して考えることができるのです。
さらに、消防上特に問題がない場合は3階建ての家を建てることも可能ですから、土地が狭かったとしても十分な居住スペースを持つこともできるでしょう。
旗竿地のデメリット
竿部分が無駄なスペースになりやすい
前述の通り、駐車スペースを作る場合を除けば、用途のない細長い土地として使いづらさを感じるかも知れません。
駐車スペースにしたとしても、道路幅が狭ければ車の出入りが若干面倒になりやすいですし、複数台の車を停めるとすれば縦列駐車になるため苦手を感じる可能性もあります。
竿部分の土地の幅が非常に狭い場合、あまり大きな車を停められないこともあり、やむを得ず軽自動車で我慢しているという人も少なからずいるようです。
駐車スペースにしない場合は、安全な子供向けの遊び場にする選択肢もあるのですが、ファミリータイプの車を停めたい場合は使い勝手の悪さが露呈するでしょう。
実際、価格の安さに惹かれて旗竿地を購入したのは良いが、家の建築作業時に重機が入れないといった問題も起こっているようです。
また、土地にインフラ設備が通っていなかった場合、一から工事する必要があり、その分費用が高くついたという声もあります。
以上のことを踏まえれば、旗竿地にはメリットもある一方で、家を実際に建てるとしたらどれくらいの費用がかかることになるのか、竿部分の土地活用はどうすれば良いのか等について、予めイメージをはっきりさせ具体的な予算を算出しておくべきだということがわかります。
隣家との境界に塀を建てる工事費が必要
旗竿地は竿部分の土地が細長いことから、塀を建てる場合の費用が若干高くつく傾向にあります。
しかし、塀を建てなければ隣家から敷地が丸見えになり、プライバシーの問題も発生するため、塀の建築費用は必要経費だと言っても良いでしょう。
中古住宅ですでに塀がある場合は特に問題ありませんが、新たに塀を建てる必要がある場合、いわゆる外構工事費用が余分にかかることになるので、前もって考慮しておかなければ当初の予算を大きく超えてしまう可能性もあることを念頭に置いておきましょう。
例えば、敷地面積が119坪で境界ブロック三面工事を施した場合の予算は、以下の通りとなります。なお、外構工事に関する費用等を抑えたい場合は、材料だけは自分で用意しておく方法もあります。
項目 | 費用 |
土工事 | 179,000円 |
門工事 | 75,300円 |
アプローチ | 58,250円 |
設備工事 | 11,734円 |
植栽工事 | 110,734円 |
駐車場工事 | 655,810円 |
物置設置 | 79,000円 |
キッチンガーデンレンガ枠 | 16,318円 |
照明インターホン設置 | 59,770円 |
サイクルポート(特注品) | 195,525円 |
隣地境界ブロック・フェンス | 287,280円 |
隣地境界ブロック・フェンス | 244,188円 |
隣地境界ブロック・フェンス | 335,664円 |
除草対策 | 67,000円 |
産業廃棄物等処分費 | 53,000円 |
諸経費等 | 170,059円 |
合計 | 2,598,632円 |
風通しや採光の環境が良くない場合がある
旗竿地は1つの土地を分割した最後の残りですから、その形状はどうしても隣家に囲まれる形になりやすいと言えます。
したがって、周りの建物が壁となって風通しが悪くなったり、採光が制限されたりすることもあるのです。
今現在は建物が建っていなくても、数年後に大きな家が建つ等して、景観や風通しが遮られることもよくあるので、長い時間軸で見て旗竿地の購入を検討する必要があるかも知れません。
対策として人気の高い方法は、2階にリビングを作るやり方です。くつろぎの間を2階に持ってくることで、風通しや採光の問題も解決されやすくなりますし、1階をカーポートにしたり小さな庭にしたりして、土地を有効活用することが可能です。
セキュリティ面の整備や残土処理の問題を考慮する
旗竿地のメリットの1つとして、奥まったところに居住空間があるため閑静な環境を手に入れやすい点が挙げられますが、見方によってはセキュリティ面での危うさも考慮しておく必要があるでしょう。
例えば、奥まった土地は外部から見られにくいことから、空き巣被害に遭いやすいとも言われます。防犯的な不安を感じる場合は、ホームセキュリティサービスを利用する等して、万全の対策を施しておくことも大切です。
もう1つの問題としてよく注目されるのが、整地して家を建てることによって出る残土処理についてです。
特に都心部ほど残土処理施設がないことから、処理費用が高くつきやすいと言われているので、予算は余裕を持って見積もっておくことが大切になります。
住宅ローン審査や接道義務に関する不安について
住宅ローンの利用にあたり、金融機関による審査を受けることになりますが、旗竿地であることがあまり良い影響を与えないのではないか、という疑問があります。
当然ながら、審査上、借りる人の与信調査だけではなく購入対象となる土地や家も見られることになるからです。
金融機関としては、資金を貸し付ける以上は回収しなければなりませんから、貸し付けの対象となる土地や建物の内容も必ず確認します。
万が一、返済不能となった時は担保である土地や建物を売却して、できる限り資金を取り戻す必要があるからです。
この点において、旗竿地を低く評価されてしまえばローン審査に影響するということになるわけです。ただし、審査内容は金融機関ごとに独自の基準を持っているものですから、旗竿地であることがすぐ悪影響につながるとは限りません。
また、旗竿地に関するもう1つの心配材料の懸念材料として、接道問題があります。接道義務とは、建物を建てる時は道路に2m以上接する義務があるとするもので、条件を満たしていなければその物件は再建築不可とされてしまいます。
すると、その土地・建物を購入する人にとって住宅ローンの審査に大きく影響しますので、この点は予めしっかりと確認して購入することが重要です。
借りる本人が大企業に勤めており身分がしっかりしていても、十分な収入があったとしても、物件の担保価値が著しく低いと見なされれば住宅ローンの審査に関わってくることもあるのです。
旗竿地でも快適に過ごせる間取りや設計を
旗竿地に関していくつか不安点があるのも事実ですが、工夫次第ではオリジナリティと温かみのある素敵な家を建てることも可能です。
なるほどです。
例えば採光に関する問題は、前述の通り2階にリビングを設けることでかなり解消されるでしょう。周囲を囲まれている旗竿地だからこそ、人の目の届きにくい2階部分にリビングを作れば、光を遮るものも少なくなります。
大きめの窓や天窓を上手に使うことでも、自然光を十分に取り入れることができます。プライバシーの確保も大事な問題でしょう。
1階に部屋を作ってしまうと、隣家から丸見えになる可能性もありますので、塀を建てたり隣家との窓の位置を調整したりして、お互いに気持ちよく暮らせる工夫が必要です。
風通しに関して不安を感じる人もいますが、とても人気があるのが吹き抜けのある設計で、家に一歩入っただけでも解放感を抱くことができますし、空間を上手に使うことで風通しも改善されやすいと言えます。
家自体の設計について考えた時、正面に玄関を置く一般的な形よりも、あえて形状をL字にする等して変化を持たせることも良い案です。
建物の形状に動きを付けることで、やはり風通しが改善される要因にもなりますし、中庭を作る等すれば、プライベートな空間を持ちながら採光環境も満足いくものになりやすいからです。
旗竿地の一番の特徴は、その長細い土地部分にあるのですが、あえて特徴的な土地形状を活かした設計を行うのもお勧めです。
せっかく長いアプローチがあるのですから、タイル敷きに工夫を凝らしてみたり緑を配置してみたりするのも良いでしょう。
せっかくのマイホームですから、日々気持ちよく快適に過ごせるよう、設計段階から積極的に要望を出し、建築士や住宅メーカーと十分に相談しながら、素敵な家を建てることをお勧めします。
旗竿地の評価方法
路線価方式
土地の評価方法の1つに路線価方式と呼ばれるものがあります。住宅は道路への接道義務がありますので、土地を評価する時も道路に面した部分を基本として計算します。
路線価は、土地1㎡あたりいくらという形で決まっており、基本となる価格に所有する土地の面積を掛けてトータルの評価額を算出することになります。
路線価がいくらになるかは、国税庁のホームページに掲載されている情報を確認し参照します。
路線価に面積をかけた数字が土地の評価額ですので、例えば所有地の面積が100㎡あり、その路線価が10万円の場合は、評価額は1,000万円ということになります。
路線価方式の計算式 | 計算例 |
路線価×土地の面積=評価額 | 10万円×100㎡=1,000万円 |
倍率方式
都市部では、道路や住宅が整備されているので価格を付けることが可能ですが、地方や郊外地等では路線価が未設定であるケースも存在します。
そのような場合は、倍率方式と呼ばれる方法で土地の評価額を求めていきます。固定資産税評価額に評価倍率という数値を掛け、評価額が算出されるのです。
倍率は3年に1度見直されていますが、宅地の場合は1.1倍であることがほとんどです。固定資産税評価額が700万円で評価倍率が1.1倍だった時、土地の評価額は700万円×1.1倍=770万円ということになります。
なお、固定資産税評価額は毎年届けられる固定資産税通知書に記載されているので、確認して計算してみましょう。また、評価倍率も国税庁のホームページ上で探すことができますので、合わせて確認し計算を進めてみてください。
倍率方式の計算式 | 計算例 |
固定資産税評価額×評価倍率=評価額 | 700万円×1.1倍=770万円 |
対象が旗竿地の場合
上記は一般的な四角い形状の土地を前提とした計算式ですが、旗竿地の場合はどのように計算すれば良いのでしょうか。
実務では、補正をかけて計算する方法と整形地と見なして計算する方法のいずれかが使われています。
補正をかけて計算する方法の場合、旗竿地では奥行き部分について考慮しなければなりません。
したがって計算式は、地積×路線価×奥行価格補正率となり、評価額を算出することになります。
なお、奥行価格補正率とは、土地が細長く奥行きがあり使いにくいことから、評価額を下げる目的で使われる減額割合のことを言います。
最大で20%程度減額されることがありますが、詳しくは国税庁のホームページを確認するようにしましょう。
一方、整形地と見なして計算する場合は、竿部分を含んだ長方形の土地として一旦計算した後、不要な部分を差し引く方法が採られます。
竿部分を含んだ長方形の土地となると、隣家の四角い土地も含めた大きな長方形として計算を始める必要があるので、路線価×面積で旗竿地を含んだ評価額を算出します。
次に、隣家の土地評価額を差し引かなければならないので、路線価×面積×奥行価格補正率で隣家の土地評価額を求め、これを長方形の土地評価額から引いて、旗竿地としての評価額を出すのです。
つまり隣家の土地を仮に組み込んで計算し、その後、隣家部分の土地評価額を引いて旗竿地の評価額を求めるということになります。
補正をかけて計算する場合 | 地積×路線価×奥行価格補正率=評価額 |
整形地と見なして計算する場合 | 長方形の土地:路線価×面積奥行価格補正率を適用した隣家の評価額:路線価×面積×奥行価格補正率最終計算:長方形の土地評価額-隣家の修正評価額 |
相続税計算における旗竿地の評価
上記の通り、旗竿地の評価額は整形された一般的な宅地と比べると落ちてしまうため、相続税評価額もおのずと下がることになります。土地の間口になる部分が狭く奥まっていることから、以下の計算式を用いて補正をかけます。
補正率 | 補正の理由 |
奥行価格補正率と間口狭小補正率 | 竿部分の間口が狭く奥まっていることから、両補正率をかけることで評価額を下げる。 |
不正系率補正 | 整形地ではないと見なし、不整形地補正率をかけて評価額を下げる。 |
不動産評価額の種類
5つの評価額を知っておこう
一般的に、土地の評価額には種類があり、それぞれ用途によって使い分けられています。
例えば、土地を売却したいと考えた時に参考にする査定額や、土地評価額を計算するうえで必要な路線価、国土交通省が公開している地価公示価格等、大きく分けて5種類存在しますので、一覧で確認してみましょう。
ただし、以下に挙げた評価額は、いずれも土地の価格を算出するための単純計算式ですので、実際の売買では市場の動向により価格が前後する可能性があります。
この点に注意し、算出した評価額はあくまでも参考として考えるようにすることが大切です。
評価額の種類 | 説明 |
実勢価格 | 過去実際に取引された近隣不動産の取引価格 |
路線価 | 道路に面した宅地の評価額を計算するための1㎡あたりの単価 |
固定資産税評価額 | 市町村により決定される評価額 |
地価公示価格 | 不動産鑑定士が実際に現地調査を行い国土交通省が公開している評価額 |
基準地価 | 都道府県により決定され国土交通省が公開する評価額 |
竿部分の活用法は設計時に決まる
マイナス点だけではない旗竿地の竿部分
上記の設計例のところでも述べましたが、旗竿地と言っても活用方法によっては十分メリットを兼ね備えた土地に変わるということも覚えておきましょう。
分かりました!
評価額の計算上は低く見積もられがちですが、実際に住む際にきちんと環境を整えておけば、むしろ快適な住宅を安価で手に入れられる可能性があるからです。
例えば車を持っている家庭であれば、竿部分の奥まった形状を活かして駐車場にする人が多いと言えます。
接道義務から言えば幅は最低でも2m以上あるはずなので、限られた条件をいかに活用するかがポイントとなってきます。
住宅部分についても、周囲を隣家で囲まれているため道路からの騒音は遮断されやすくなりますが、隣近所から自宅を見られやすいという難点があるのも事実です。
この点については、前述の通りリビングを2階に設けたり、竿部分にやや高めの塀や垣根を作ったりすることで、自然な形でプライバシーを守ることができるはずです。
また、隣家に囲まれていると言っても、互いの家の窓の位置が向かい合う形でない限り、覗き見られることはありません。
このため、設計時点で窓を付ける位置を十分検討し、窓を開ければ隣の家の壁、という状態にすることで、隣家の目を気にせず暮らしていくことが可能になるでしょう。
隣家も自分の家を覗き見られては困りますので、窓の位置をずらす設計はお互いにwin×winの状態になります。
あるいは設計段階から近所の人に積極的に意見を聞いて回り、相手のプライバシーや採光環境等にできるだけ差し障りのない住宅を建てるにはどうしたら良いか、参考とするのも大変良い対策です。
家全体の設計としては、特に若い人の場合、旗竿地を上手く使い中庭を設ける等した変形型を好む傾向が高いと言えるでしょう。
中庭を設ければどの部屋からも自分達だけのプライベート空間を味わうことができますし、隣家から見られることもありません。
庭を取り囲むようなコの字型の家等は、中庭の活用によって解放感が得られ採光環境もより良くなるでしょう。
心にもゆとりが生まれるはずです。旗竿地の全く別の活用法としては、住宅ではなくトランクルームにしてしまうという案も挙げられます。
実際、一軒家と言っても、長く生活するうちにどんどん荷物が増えていってしまうものですから、収納に困っている家は少なくないはずです。
そこで、あえて住宅街の中にトランクルームを作ることにより、近隣住民の物置ビジネスを展開してみるのも、良いアイデアかも知れません。
同様に、住民の隠れたニーズに対応できるビジネスとして、駐車場にしてしまうという考えもあります。
広い土地を区分けして家を建てているということは、各家庭とも限られた敷地内に車を停めているということでもあり、複数台の車を持ちたい場合はその駐車場に困るケースも多いのです。
そのような家がいくつも密集していることを考えると、やはりビジネスとして大きなチャンスだとも言えそうです。
旗竿地はどう売却すれば良いか
旗竿地を売却したい場合、特徴がある土地だけにどう売れば良いのか悩むかも知れませんが、基本的には一般的な土地売却と同じ方法を採れば問題ありません。
一般的な土地売却方法というと不動産会社への依頼が挙げられますので、いくつかの業者に査定してもらい、一番条件や相性の良かった不動産会社に売却活動を依頼すれば良いのです。
ただし、旗竿地であるということを踏まえると、購入する側にとって少しでもメリットを感じてもらえる提案ができることが望ましいでしょう。
このため、旗竿地や不整形地の取り扱いに慣れている不動産会社を見つけて依頼することが大切になってきます。複数社に査定してもらった際に、実際に話を聞き、旗竿地の扱いの得手不得手について確かめてみると良いでしょう。
まとめ
旗竿地は見た目にも特徴的であるため、使い勝手が良くなさそうに見えるかも知れません。確かにいくつかのデメリットがあることも事実ですが、デメリットとなる要素は工夫次第でメリットに変えることも可能なのです。
土地を購入する側にとっては、できるだけ良い土地を安く買いたいのですから、最初から旗竿地を避けるのではなく、選択肢として考えることが大切です。
立地環境を考えても、住宅密集地に存在していることがほとんどなので、もし所在地が人気のエリアだった場合、好条件の物件になり得るとも言えます。
ただし、特殊な形状であるがゆえに、デメリットを補う費用がかかってくることは予め理解しておかなくてはなりません。
例えば、塀や垣根を作ったり、2階にリビングを置く設計をしたりするのにも、一般的な家の建築よりも若干費用がかかってくることが想定されるからです。
予算のうちどの程度のお金が旗竿地の有効活用のために必要な準備費用となるか、設計士や住宅メーカーとよく相談することが重要です。
多くの人が、アクセスの良い場所や周辺環境の良い場所、名前の知られたエリアに惹かれていますから、もし旗竿地であってももし安く購入できれば、夢を1つ叶えることができるのです。
これから土地を購入し家を建てたりビジネスを展開したりしたい人は、利便性の高いエリアにある旗竿地を工夫して活用していくか、やや不便であっても整形地を選ぶのか、最終的に選択肢は2つに1つとなりますので、後で悔いが残らないよう、じっくりと慎重に決定しましょう。