不動産売却時に、一括査定サイトを用いるのは、もはや当たり前です。
一括査定サイトを利用することで、不動産会社へ個別に査定してもらう必要がなくなり、売却の効率化が図れます。
また、複数の不動産会社で比較検討もしやすいため、売却する物件に合っている会社を選びやすくなります。
とはいえ実に多くの不動産一括査定サイトがあるため、どんなサイトが良いか分からなくなってしまうのも、また事実です。
そこで今回は、専門家が選ぶ不動産一括査定サイトはどのようなサイトなのか、解説していきます。
この記事を読むことで、本当に利用する価値のある一括査定サイトはどんなものか理解し、適切な一括査定サイト選びができるようになるでしょう。
不動産一括査定サイトとは?仕組みやメリット・デメリット
まずは不動産一括査定サイトとはどのようなものかご紹介します。
通常、不動産売却時は不動産会社に査定依頼をおこないます。
個別に依頼することも可能ですが、不動産一括査定サイトを活用すれば一度にまとめて査定してもらうことが可能です。
一括査定の申し込みは、主にスマホやパソコンからが主流です。
利用者は完全無料で使えます。
不動産一括査定サイトの特徴とメリット・デメリットを深堀してみましょう。
複数の不動産会社の査定を一度に受けられるサイト
複数の不動産会社の査定を受けたい場合、個別に連絡するのは手間ですし時間を要します。
そんな売却希望者の不便を解消するために作られたのが、不動産一括査定サイトになります。
一度に複数社へ査定依頼できるので、個別に依頼するよりも簡単ですし、スムーズです。
不動産一括査定サイトは基本的に不動産会社が運営しているわけではなく、IT企業などが手掛けていることが多いです。
不動産会社側も顧客確保を目的としてサイトに登録をしており、売却希望者と不動産会社とのマッチングを図れる仕組みとなっています。
サイトによって、提携している不動産会社も違えば、一度に査定依頼できる会社件数なども異なります。
よって査定サイト選びというのも大事になってきますよ
査定サイトってそんなにたくさんあるのですか?
乱立していると言ってよいくらい、かなり数が多いです。そのため不動産一括査定サイト自体を見極める必要が出てきます
不動産会社からの広告収入で成り立っている
前述の通り、売却希望者は不動産一括査定サイトを利用する際に料金を請求されることはありません。
ではどのようにして収益を上げているのかと言いますと、不動産会社側から貰う広告収入です。
一般の利用者は無料で使えますが、不動産会社は掲載してほしければ広告料を支払う必要があります。
不動産会社に旨味がないように感じるかもしれませんが、大手の不動産一括査定サイトに登録してもらえばそれだけで知ってもらえる機会が増え、集客力アップに繋がります。
広告料を支払ってでも掲載してもらう価値の方が高いため、近年では利用している不動産会社が多いです。
不動産一括査定サイトを利用するメリットは?
不動産一括査定サイトのメリットは、一度に複数社の査定が受けられるところ以外にもたくさんあります。
たとえば売却時に大切な相場観を養うことができます。
また査定だけでなく、そのままサイト経由で不動産会社と媒介契約を結ぶことも可能です。
一括査定サイトを利用すれば、不動産売却における過程をスムーズにこなせるという良さがあります。
もう少し深堀してみましょう。
簡単に複数社を比較検討できる
不動産売却時は、1社だけでなく複数社から査定してもらうのが必須です。
理由はこの後詳しく解説しますが、相場観を養えるからです。
1社のみ査定依頼するのであれば不動産一括査定サイトを利用する必要性は薄いですが、複数社に依頼するとなると不動産一括査定サイトを使わないと労力を費やすことになります。
まず、条件に合いそうな不動産会社のホームページなどをひたすら閲覧し、いくつかピックアップする作業から始めないといけません。
不動産一括査定サイトでは、希望条件を入力するとフィルタリング機能で条件に合う会社だけを表示してくれます。
たとえばエリアや物件タイプで利用可能な不動産会社を絞ってくれるため、しらみつぶしに調べる必要がありません。
また、査定依頼の際も不動産会社へ個別にメールを送るとなると大変です。
物件の詳細情報など、伝えるべき事項が多いため、メールを打つのにも時間がかかります。
一方不動産一括査定サイトを使えば、一度入力フォームを埋めれば完了です。
一括査定サイトを活用することで利用効率がアップするのが、なによりのメリットでしょう。
相場観を養える
不動産売却時は、売り出し価格の設定が極めて重要です。
まず仲介で売却する場合、不動産会社とはサポートしてもらうための媒介契約を結びます。
そして不動産会社と二人三脚で、購入希望者となる買主探しを一般市場でおこないます。
よって仲介では、不動産会社に売るわけではなく第三者となる一般の方へ売却するわけです。
不動産会社からのアドバイスは入りますが、最終的に売り出し価格を設定するのは自分自身になります。
相場から大きくズレた売り出し価格を設定してしまうと、購入希望者が集まりません。
売り逃してしまう大きな要因となるため、相場状況をきちんと見極める必要があるのです。
そのために、複数社の査定を受けておくことが大切です。
複数社の査定結果を見比べることで相場観を掴むことができるため、大きくズレた価格設定をしてしまうことを避けられます。
不動産会社の中には、偏った査定結果を出す会社もないとは言い切れません。
1社だけを頼りに売り出し価格を決めてしまうと失敗しやすいため、一括査定サイトを使って相場観を養うとよいでしょう。
不動産会社にそのまま売却依頼できる
不動産一括査定サイトは、各社から査定結果を貰って終わりではなく、気に入った会社があればそのまま媒介契約を結ぶことが可能です。
複数社とコンタクトを取った後に選べるため、各社の対応を比較しながら検討できます。
たとえばメール返答の早さや見積書の充実具合など、比較するうえでの材料はたくさんあるはずです。
そういった要素を踏まえながら、実際に売却依頼する会社を選べるため、査定から媒介契約の流れがスムーズになるのも一括査定サイトの良さでしょう。
近年、不動産の相場をAIが診断してくれる自動シミュレーションサイトと呼ばれるものが誕生しています。
簡単なデータを基に相場を導きだすサイトで、不動産会社へ依頼することなく相場を知りたい時に使えるサイトです。
不動産会社とコンタクトを取らずに済むため手軽に使えるという良さがある一方、自動シミュレーションサイトからはそのまま不動産会社との契約へ進めることが、基本的にできません。
よって売却を視野に入れている場合には、不動産一括査定サイトを使って段取りを進めていくのが、最も効率的な方法になります。
不動産一括査定サイトを利用するデメリットは?
不動産一括査定サイトは便利なツールですが、利用するうえでのデメリットもあります。
よって利用する際はデメリットも理解しておくことが大事です。
主なデメリットとしては、個人情報の提供を余儀なくされる点です。
不動産会社によっては個人情報で知り得た電話番号に、営業電話をかけてくる場合もあります。
どういうことか、具体的に見ていきましょう。
査定をおこなうには個人情報の提供が必要
査定をしてもらうためには、さまざまな個人情報を提供する必要があります。
たとえば提供する個人情報として、以下のものがあげられます。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
また自分自身の情報以外に、当然ですが売却を希望している不動産に関する情報も提供しなければなりません。
物件情報入力項目として、以下のような項目が準備されています。
- 物件の所在地
- 築年数
- 専有面積
- 間取り
- 最寄駅
査定の精度を高めるために、詳細な情報提供を避けることはできません。
よって完全に匿名で査定したいと考えている人にとってはデメリットが大きいです。
また、一括査定サイトで複数社の査定を依頼する場合は、複数社にこのような情報が行き渡ります。
複数社に個人情報が知られてしまうことは、少なからず心理的負担となるかもしれません。
出来る限り個人情報を秘密にしたいのであれば、一括査定サイトを利用するのではなく、厳選した1社のみと直接やり取りをした方がよいでしょう。
不動産会社の中にはしつこく営業電話をかけてくるところもある
不動産会社としては1度の査定のみで終わらせず、その後契約を結ぶステップまで進めたいです。
そのため査定後も営業電話を受ける可能性があります。
複数社に査定依頼しても、結局契約を結ぶ会社は1~2社です。
よって大半の会社にはお断りを入れなければならず、この点が不動産一括査定サイトにおけるデメリットでしょう。
もし一括査定サイトの入力フォームに備考欄が設けられている場合は、連絡はメールでしてほしい旨を記載しておくのがおすすめです。
営業を受けたとしても、電話よりは負担が軽く済みます。
あまりにも営業電話がしつこい場合の対処法ってありますか?
そういう時は不動産一括査定サイトに報告するとよいですよ。管理体制がしっかりしているサイトなら、不動産会社側にきちんとペナルティを課してくれます
一括査定サイトで申し込んだ後の流れは?
一括査定サイトは、ただ不動産の査定を申し込んでそこでお終いではありません。
不動産会社と自分を繋ぐ、最初の窓口となります。
一括査定に申し込んだ後のおおまかな流れとしては、以下のように進んでいきます。
- 不動産会社から査定結果がメールで届く
- 気になる会社があれば訪問査定へと進む
- 訪問査定で不動産会社の担当と対面にてやり取りをする
- 納得できればそのまま媒介契約を結ぶ
- 売却活動スタート
- 不動産会社の力を借りて買主探しをし、売買契約を結ぶ
- 残金決済と所有権移転登記をおこなう
- 物件を引き渡して売却活動終了
机上査定と訪問査定の違い
不動産一括査定サイトでは、物件に関する概要を提供することで複数社に査定してもらえますが、これは机上査定にあたります。
言葉通り、データだけで査定額を判断する方法です。
一方不動産売却時の査定種類としては、訪問査定という方法もあります。
訪問査定は不動産会社の査定員が実際に物件を見たうえで、査定額を決めるものです。
実際にいくらで売却できるかを考えるうえで、不動産個別の事情が大きく影響します。
たとえば築年数と敷地面積が一緒の物件が隣にあったとしても、劣化状況が異なれば売却価格も変わってくるはずです。
よって相場を加味した精度の高い査定額を知るためには、訪問査定をお願いする必要があります。
机上査定と訪問査定のメリット・デメリットに関しては、以下の表にまとめていますのでご参照下さい。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
机上査定 | ・気軽に依頼できる・結果が出るまで時間がかからない | ・精度にかける |
訪問査定 | ・精度の高い結果が得られる・対面でやり取りできるため、売却の相談などがしやすい | ・査定に出していることを近所の人に知られる可能性がある・自宅に査定員がくるため準備が必要 |
専門家が選ぶ一括査定サイトの選び方ランキング
一括査定サイトの概要が分かったところで、続いて専門家が選ぶ一括査定サイトのランキングをご紹介します。
一言で一括査定サイトと言えども、バラエティー豊かです。
サイトによって大きく特色が異なり、良し悪しがあります。
それゆえにどんなサイトを選べばよいか迷ってしまう人も少なくありません。
一括査定サイトを使う際どんなサイトを活用すべきか、プロの視点から選ばれるサイトを考えてみましょう。
1位:運営元がしっかりしている
1位は運営元がしっかりしている一括査定サイトです。
前述の通り不動産一括サイトはかなり種類が多く、乱立している状態です。
知名度のある大手の会社が手掛けている会社もあれば、比較的若い会社が運営しているサイトもあります。
そんな山ほどある不動産一括査定サイトの中でも、利用者が安心して使えるかというのは、一番に重視するポイントです。
大手の会社だから安心というわけではないですが、よく分からない会社に個人情報を提供するのは不安に感じてしまうものです。
特に不動産一括査定サイトの場合、かなりディープな個人情報を預けることになります。
そのため運営元がしっかりとしていないサイトは、そもそもお勧めしづらいです。
運営元がきちんとしているかという基準は、会社の規模というよりも必要な情報をしっかりと提供しているかという点が大きいです。
どんな会社なのかホームページなどで事業概要を紹介するのはもちろんですが、上場しているかという点も判断材料の一つにはなってきます。
ベンチャー企業よりは昔からある老舗企業が手掛けているサイトの方が、ランクインしやすい傾向にあるかもしれません。
セキュリティ体制が安心
サイトのセキュリティ体制も、評価されやすいポイントになります。
何度も話している通り、一括査定サイトを利用する際には、たくさんの個人情報を提供することになります。
非常に重要度の高い個人情報が含まれているため、万一外部に情報が漏れた時のリスクは相当です。
そのためサイトのセキュリティをきちんと高めているサイトほど、ランキングに選ばれます。
セキュリティ体制を見極める要素の一つとして、プライバシーマークの取得があげられます。
プライバシーマークとは、適切に個人情報を管理している会社のみ取得可能なものです。
個人情報の扱いが適切かどうか客観的に判断できる材料になるため、プライバシーマークを取得している会社が運営しているサイトは、評価されやすい傾向にあるでしょう。
2位:一度に査定依頼できる数が多い
一度に査定依頼できる数も、ランキングに影響します。
そもそも不動産一括査定サイトでは、無制限に査定できるわけではありません。
一回の申し込みで査定できる件数というのは、サイトごとに変わります。
よって決められた件数を超えて査定を受けたい場合には、再度入力などをはじめからやり直す必要があるのです。
一度に査定できる件数はサイトによってバラバラで、少ないところでは4社程度、多いところだと10社以上となっています。
傾向としては最大6社となっているサイトが多いかもしれません。
査定できる件数が多ければ、その分利用者側からすると利便性がアップするため、好まれやすいです。
仲介だけでなく買取や賃貸にも対応している
仲介というのは、媒介契約を結んだ不動産会社にサポートしてもらいながら、第三者に売る方法です。
一方の買取は、不動産会社自体に売却することを指します。
買取における買主は不動産会社で、媒介契約ではなく売買契約を結ぶ相手となります。
仲介で売却した方が高値で売りやすいですが、一般市場での売却が難しい際や早く売ってしまいたい時は買取にする人も多いです。
多くの一括査定サイトは、仲介の場合における査定のみ対応しています。
しかしサイトの中には買取査定も同時に依頼できるものもあり、仲介時の売却額と比較できます。
また、賃貸に出した際の査定をおこなってくれるサイトというものも存在します。
月々得られる賃料収入が分かるため、売却するのとどちらがお得になりそうか考えるきっかけとなるでしょう。
いろんな査定ができる方がよいのですか?
そうですね。さまざまな提案をして貰えれば、その分売却希望者の選択肢が増えることになります。ユーザー目線で考えると、買取や賃貸査定もできる方が望ましいですよ
3位:提携不動産会社数が多い
提携不動産会社数も、不動産一括査定サイトによってマチマチです。
2000社近くと提携しているサイトもあれば、数社だけと提携する少数精鋭型のサイトもあります。
どちらが優れているというわけでもないのですが、単純に数が多いほど利用者の選択肢は増えます。
よってランキングなどでは、提携不動産会社数が多いサイトの方が選ばれやすい傾向にあるでしょう。
また提携している数が多いということは、それだけ営業力が優れているサイトとも言えます。
多くの不動産会社から信頼されている証でもあるため、提携数も一つの目安にはなってきます。
ただし、提携している不動産会社の質も大事です。
そのため数社だけしか提携していないサイトでも、優秀なサイトは存在します。
あくまでも分かりやすい目安として用いられる指標と考えればよいでしょう。
幅広いタイプの不動産会社と提携している
提携している不動産会社の質が大事と述べましたが、提携会社のタイプに偏りがないことも重要です。
つまりいろんなタイプの不動産会社と提携しているサイトの方が好まれます。
たとえば大手企業ばかりと提携しているサイトよりは、地元中小企業も登録しているサイトの方が、利便性が高いです。
似たタイプの不動産会社が多いより、バラエティー豊かに揃っている方が、利用者からすると嬉しいはずです。
よって提携不動産会社のバランスが良いかという点も、着目ポイントでしょう。
4位:コンテンツが充実している
不動産査定サイトには、オリジナルのコンテンツが用意されています。
このようなコンテンツも利用者は無料で使えますが、コンテンツ内容は独自色が強く出る部分でもあります。
よってコンテンツが優れているほど、ランキングに選ばれやすいです。
コンテンツ内容としては、売却に関する基礎知識などをまとめているサイトが多くあります。
ただし充実度はサイトによりけりです。
他で一切調べる必要がないくらい売却知識を付けられるサイトもあれば、今ひとつ中身が足りないサイトも見られます。
また、サイトによっては以下のようなコンテンツが用意されているものもあります。
- 売却時の税金計算ができる
- 売却後の手残り金計算ができる
- 売却のプロなど専門家のコラムが読める
- 不動産関連の用語集
コンテンツはどうしてもおまけという印象が強いですが、不動産売却時は疑問点などが必ず出てきます。
一括査定で利用したサイトは、そういった時に一番初めに頼るサイトになりやすいです。
それゆえにコンテンツの充実度は案外大事な要素となります。
5位:サイト利用者数が多い
サイト利用者数は、その一括査定サイトが支持されているかどうかの分かりやすい判断材料です。
利用者数が多ければ、それだけ使い勝手の良いサイトと言うことができます。
一括査定サイトは無料で利用できるからこそ、利用者の取り合いとなりやすいです。
利用者は豊富な選択肢から選ぶことができますが、そんな時に決める要素となるのが、サイトの仕様や知名度ではないでしょうか。
サイトの見た目がすっきりとしていて分かりやすいサイトは、不動産売却初心者からも好まれます。
またサイト利用時には安心感を求めるため、知名度のある会社はそれだけで利用者数がどんどん増えていきます。
利用者数が多いサイトは、不動産会社側も顧客確保を見込めるため、掲載を希望することが多いです。
このように相乗効果でサイト規模が大きくなっていきます。
サイト利用者が多ければ、それだけ魅力のあるサイトと言えるかもしれません。
6位:対応エリアの充実度
不動産査定サイトによって、対応しているエリアにも違いがあります。
サイトの中には首都圏など、特定のエリアのみの取り扱い限定しているところもあります。
また、全国対応のサイトであっても、実際に検索してみると地方の不動産会社はほぼ表示されないというケースも珍しくありません。
幅広いエリアの不動産会社が充実しているかという点は、ユーザー満足度を高める大切な要素です。
この点に関しては、提携不動産会社数とも関連しています。
提携不動産会社が増えれば、その分対応できる地域も広がっていくため、スケールが大きいサイトほど好まれる傾向はあるでしょう。
専門家が選ぶ不動産一括査定サイトで業者選びをする際のチェックポイント
不動産一括査定サイトに掲載されている不動産会社はバラエティー豊富です。
そんな中から自分にピッタリの不動産会社を選ぶためには、不動産会社の特徴をよく知る必要があります。
また、掲載されている不動産会社全てが優良な会社とは限りません。
利益追求のために、ユーザー満足度が低下している会社も含まれていたりします。
不動産一括査定サイトで業者選びをする際のポイントを確認していきましょう。
会社の規模をチェックしよう
不動産一括査定サイトを使って不動産会社選びをする際は、まずは大手の会社なのか、それとも地元密着型の中小会社なのかという点に着目してみましょう。
大手と地元中小では特色が大きく異なるため、どちらが合いそうか判断する必要があります。
両者の主な特徴は、以下の表になります。
大手不動産会社の特徴 | 地元中小企業の特徴 |
---|---|
・全国各地に支店を構えているところが多い | ・特定のエリアだけを対象としている |
・統一された制服やスーツなどを着用している | ・商業エリアではなく住宅地などに店を構えているケースもある |
・テレビCMなどを目にする機会が多い | ・昔ながらの雰囲気のところが多い |
普段、名前を耳にする機会が多いのは大手企業で、ネームバリューがあります。
一方の中小企業はほぼ知られていないような会社が多いですが、不動産会社の良し悪しは単純に会社規模では計れません。
そこが不動産会社選びの難しいところでもあり、面白いところでもあります。
それぞれのメリットとデメリットを、深堀してみましょう。
大手不動産会社のメリット・デメリット
大手不動産会社のメリットは、なんといってもスケールメリットがあるところです。
資金が豊富なため、広告宣伝費などに予算を費やせます。
不動産査定サイトも、ひとつだけでなくさまざまなサイトに掲載してもらえるため、必然的に購入者探しがしやすくなります。
また、支店があるため全国各地の情報に強いのも大手の良さです。
たとえば離れた場所に所在する実家を売却したい際なども、購入希望者を探し出してきてくれます。
既存顧客が多いためマッチング面で有利というメリットがある一方、デメリットは融通が利きにくいところです。
大手は社内規定などが厳しいため、営業マンが独自の裁量で判断できる余地がほぼありません。
どうしてもマニュアル的な対応となってしまうため、希望条件が多い場合などは向かないでしょう。
地元中小企業のメリット・デメリット
地元中小企業は、地域密着型でエリア独自のディープな情報を握っているのが強みです。
地域事情に精通しているのは地元中小企業ならではのメリットで、購入希望者に的確な情報を与えることができます。
たとえば子供がいる家庭であれば、昔から評判の良い学校があるエリアに住みたいはずです。
購入希望者に後押しするような一言をかけてあげられるのは、地元中小企業だからこそできることになります。
また、地域での評判を大事にするため、親身に接してくれるのも地元中小企業の良さでしょう。
一方で会社の規模が小さいため、既存顧客数では大手に負けてしまいます。
買い手が集まらないとなると売却価格に影響が出る可能性もあるでしょう。
売却実績を確認しよう
不動産会社選びをする際に見ておきたい項目が、売却実績です。
実際に年間で何件くらいの売却を成功させているのかという点を、よく確認しておきましょう。
また、ただ件数の多さだけでなく、どんな物件を売却させているかというポイントも見ておくべきです。
不動産会社によっては、一戸建ての売却実績は豊富だけど、マンションの実績はほぼないというケースも見られます。
その逆もまた然りです。
他にも、築浅物件の売却は得意だけど、築古物件は苦手といった具合に、売却実績に偏りがあることも珍しくないです。
不動産会社選びでは、自分が売却しようとしている物件タイプを得意とする会社を選ぶ必要があります。
特に、ここ最近ではどのような物件を売却したのかという点も踏まえて、検討するようにしましょう。
支店違いが表示される場合は特に注意
一括査定サイトの中には、エリア検索などで不動産会社を調べると、同じ不動産会社の別支店が表示されることもあります。
そのような場合、同じ会社ならどちらでも良いという気分になりやすいです。
しかし支店が違えば、売却実績も変わってきます。
たとえばA路線ならB支店が強く、C路線ならD支店が強いといった具合に、棲み分けされていることもあります。
よってどちらでも一緒と一括りにはせず、両者の実績をよく確かめておくことをおすすめします。
査定価格で売却できるわけではない
不動産一括査定サイトを利用すると各社に見積りを出して貰えますが、注意しておきたいことがあります。
それは査定金額で売却できる、というわけではないことです。
査定金額は、あくまでも売却できるであろう価格の予測を示すものに過ぎません。
不動産会社が独自の基準で査定金額を出すため、売却を保証した金額ではないのです。
実際の売却金額は、需要と供給のバランスで決まります。
買主と売主の思惑が一致した金額こそが売却価格となるため、不動産会社の査定金額どおりには必ずしもなりません。
よって査定金額が高い不動産会社が良い会社、ではありません。
市場動向をしっかりと見極めた査定をしてくれる不動産会社こそが、良い会社です。
相場から逸脱した査定額を提示してくる業者は要注意
前述の通り査定額と売却額は異なるため、高い査定金額が付いてもあまり意味がありません。
むしろ不動産会社の中には、契約を結びたいがために、わざと査定金額を高めに出す会社も存在します。
きちんと根拠に基づいて査定していない会社には要注意です。
複数社の査定を受けて、他と大きく金額がズレている会社がある際には、どうしてその金額になったのか理由を求めるようにしましょう。
不動産会社の査定金額が相場から逸脱していないか確かめるためには、自分自身でもあらかじめ相場を調べておくとよいですよ
どうやるのですか?
似た物件における過去の取引事例や現在の売り出し価格を調べると、何となく予測が付きますね。また、土地であれば公示地価や固定資産税評価額を参考にしてもよいでしょう
不動産会社との相性も大事
不動産会社はこれから一緒に売却活動をおこなうパートナーです。
よって自分と相性が良く、信頼できる会社を選ぶことが何よりも大事です。
会社の規模や売却実績はデータから調べられますが、自分自身との相性はコンタクトを取らないことには、確かめようがありません。
そこで不動産一括査定サイトで調べて、気になる不動産会社が見つかったら、積極的に査定をお願いしてみることをおすすめします。
実際にやり取りをすることで、何となくその会社の良し悪しを肌で感じられる部分もあるでしょう。
担当の人柄や相談のしやすさ、他にも提案力など、直接やり取りをして見極めましょう。
まとめ
不動産一括査定サイトにはいろんなサイトがありますが、安心して利用できるかという点が、最初に問われます。
重要な個人情報を提供することになるため、運営元がしっかりとしており、個人情報の扱いを厳重におこなっているサイトでないと評価されません。
また利用者満足度の高さも、サイトを評価する材料になります。
提携している不動産会社数の多さやコンテンツの充実度も、一括査定サイトの良し悪しに影響するでしょう。
これらをきっちり満たしているサイトほど、ランキングでは上位に食い込む傾向があります。
いずれにしろ不動産売却を成功に導くためには、価値のあるサイトを使うことと、良い不動産会社を見極めることが大切です。
サイトに掲載されている不動産会社の中でも、本当に信頼できる不動産会社はどこなのか、査定時の対応を基に判断しましょう。