不要になった土地を売却する際には、不動産会社への売却が一般的で最初に思いつく方法です。
しかし他にも土地を売る方法はありますし、その中で太陽光発電のための用地として売却する手段もあります。
太陽光用地としての売却は、一般的な売却方法ではないですが、あえて選択する方もいます。
なぜなら、なかなか売れないような土地であっても、太陽光発電事業者になら買い取って貰える場合があるからです。
とはいえ馴染みのない売却方法なため、トラブルもまた多いです。
そこで今回は太陽光発電事業者に土地売却する際の基本情報や、起きがちなトラブルを解説していきます。
目次
そもそも太陽光用地とは?
太陽光発電事業者に土地を売却する前に、そもそも太陽光用地とはどのような土地なのかを学びましょう。
太陽光用地とは、その名の通り太陽光発電システムの設置をおこなうことを目的とした土地です。
野立てスタイルの太陽光発電装置を装備することで、必要な電力を生み出します。
わたしたちの身の回りには、屋根に太陽光発電を設置した住宅も多く見られるでしょう。
このスタイルは住宅用太陽光発電と呼ばれる一方で、太陽光用地は主に産業用太陽光発電に用いられます。
どちらのスタイルであっても、発電で得た電気を売却することができます。
ちなみに2020年以降、太陽光発電による売電価格が安くなってしまう可能性が高いです。
以下に太陽光発電の容量別売電価格の一覧表を記載しますので、参考までにご覧ください。
2019年度 | 2020年度 |
---|---|
10kW以上50kW未満14円 | 10kW以上50kW未満13円 |
50kW以上250kW未満14円 | 50kW以上250kW未満13円 |
どうして今後、売電価格が低下するのですか?
国のFITと呼ばれる固定買取制度が満期を迎えた後は、売電価格は電力会社が自由に金額を決めることができます
自由競争が起きるんですね
そうです。市場価格が年々下落傾向にあるため、今後も買取価格は下がっていくものと予想されます
太陽光発電事業者に土地を売却するメリットを解説!
通常なら不動産会社への土地売却が一般的ですが、あえて太陽光発電事業者に土地を売却するのにはメリットがあるからです。
とはいえこのメリットは誰にでも当てはまる訳ではありません。
所有している土地次第ではメリットが発生すると考えた方がよいでしょう。
またメリットがある一方で少なからずデメリットもあります。
以下にメリットとデメリットをまとめた一覧表を記載しますので、両者の特徴を確認しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
使い勝手の悪い土地でも売却できる | 売却価格が安くなりがち |
遊休地を有効活用できる | 通常の売却とは異なるため相場の把握が難しい |
クリーンエネルギーに土地を活用することで社会貢献になる | 将来の制度がやや不透明 |
田舎の土地でも売却可能
田舎の土地は、都市圏と比較すると土地価格が安いです。
特に交通の便が悪く、過疎化が進んでいるようなエリアの場合、需要が極端に少ないです。
土地に価値がないどころか、固定資産税を考えると所有しているだけでマイナスになる土地もあるでしょう。
このような土地ですと、売却したくてもなかなか買い手が見つからないのが現状です。
近年では人口は東京都へ一極集中しているため、地方ほど土地の売却が厳しいです。
今後も少子高齢化の影響により、土地需要は全国的に減ってくるものと思われます。
よって田舎の土地は、売却したくても売却できないという状態に陥る可能性が高いです。
しかしながら住宅地として売却できなくても、太陽光用地としてなら少なからず需要があります。
太陽光用地として使うには広い土地が望ましいですが、田舎の土地なら広さは十分に確保できていることがほとんどです。
住宅用地として活用しにくい土地でも売却できる
土地によっては、住宅用として活用しにくい土地も存在します。
例えば変形した土地などは、デッドスペースが生じるため、住宅建設には不向きです。
このような土地ですと、買い手が見つかりにくく、不動産会社から仲介を断られてしまう場合があるでしょう。
また市街化調整区域の場合にも、住宅建設に向いておらず売却が難しい傾向にあります。
市街化調整区域は建物の建築にあたりさまざまな制限が発生するため、一般的な市街化区域の土地よりも需要が少ないです。
やはり買い手探しが難航し、売却価格が下落することが予想されます。
このような売却が難しい土地も、太陽光発電事業者への売却であれば問題なく進められる可能性があります。
不動産会社が難色を示すような土地でも、売却できる可能性があるのが大きなメリットです。
不動産会社への仲介手数料が発生しない
太陽光発電事業者に土地を売却する際には、仲介手数料は発生しません。
不動産会社に依頼する場合ですと媒介契約を結ぶのが一般的ですが、太陽光事業者とは直接の取引です。
買い手を仲介してもらう訳ではないため、大きな出費となる仲介手数料の支払いがないのがメリットでしょう。
実際、不動産会社へ売却する際には下記のようなさまざまな諸費用が生じます。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 司法書士への費用
この中でも仲介手数料は負担が大きい費用です。
売却における仲介手数料は、最大で売却代金のおよそ3%に相当します。
例えば売却価格が2000万円の土地の場合、仲介手数料の上限は66万円+消費税になります。(仲介手数料の上限は、400万円超の場合に売却金額×3%+6万円で計算できます)
もちろん売却価格によるものの、多くのケースで高額な費用負担が発生するでしょう。
この心配がないのは、太陽光発電事業者に土地を売却する魅力です。
また直接取引のため、条件次第では売却スピードが非常に早いのも特徴です。
社会貢献に繋がる
太陽光発電は、電気を生み出す時に温室効果ガスを排出しない、エコに配慮したエネルギーです。
今や地球温暖化は、日本国内のみならず世界的な問題です。
太陽光発電なら二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化対策に役立つクリーンなエネルギーと言えるでしょう。
太陽光発電用地としての土地を提供することで、環境に配慮したエネルギー源を作る施設が増えます。
クリーンエネルギーの促進に繋がるため、地球環境に優しいです。
よって太陽光発電事業者に土地売却することは、結果として社会貢献に繋がるでしょう。
太陽光発電なら温室効果ガス排出の心配は全くないですか?
実は太陽光発電の装置を作る際には、二酸化炭素の排出が懸念されます
それでも太陽光発電はエコなのですか?
製造時の排出量はわずかです。製造後、何十年にわたりクリーンなエネルギー源を供給できる訳ですから、温暖化対策に役立ちますよ
太陽光発電事業者へ土地を売却する際の基礎知識
太陽光発電事業者への土地売却は、通常の手段ではありません。
一般的な不動産会社への土地売却とは違う点が少なからず存在します。
あまりメジャーな手法ではないことから、太陽光発電事業者へ売却をする知識は当然持ち合わせていないでしょう。
しかし土地の売却を成功させるためには、きちんとした基礎知識の取得は必須です。
まずは太陽光発電事業者に売却できるのは、どのような土地なのかを確認しましょう。
そのうえで実際に土地売却する際の具体的な流れを、把握していきましょう。
太陽光用地に向いている土地はどんな土地?
基本的にはどのような土地であっても、太陽光用地として買取してもらいやすいですが、中には買取不可な土地も存在します。
要は太陽光用地として向かない土地の場合には、太陽光発電事業者に買取を断られる可能性があるでしょう。
またそもそも普通の不動産会社に依頼できる土地の場合には、太陽光発電事業者へ売却する必要性は皆無です。
太陽光発電事業者に買取を断られるケースがある一方で、太陽光用地として活躍できる土地なら高値で買い取ってもらえます。
通常の売却ならほぼお金にならない土地でも、太陽光用地として値がつくかもしれません。
そこで気になるのが、所有している土地が太陽光用地に向いているかどうかです。
以下に、太陽光用地に向いている土地と向かない土地の一覧表を記載します。
太陽光用地に向く土地 | 太陽光用地に向かない土地 |
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300坪以上の広さがある土地 | 近くに大きな建造物が存在する土地 |
日照時間が長いエリアの土地 | 農業振興地 |
工事コストを抑えられる土地 | 山や森林にある土地 |
十分な広さのある土地
太陽光用地として活用するには、ある程度の大きさが必要になります。
特に300坪から500坪程度の面積を有する土地ですと、最も需要が高いです。
それは50kW~90kWの太陽光パネルを設置するにあたり、300坪から500坪の広さが使い勝手がよいからです。
とはいえこの大きさより小さくても買取してもらえる可能性は十分にあります。
150坪以上あれば、土地価格は安くなるかもしれませんが、ほとんどの業者で買取可能でしょう。
逆に広すぎる土地でも買取してもらえるケースは沢山ありますが、業者によっては面積の上限を設けているところもあるため、確認が必要です。
また面積が大きいと、その分太陽光パネルを設置する費用もかさみます。
業者側としても融資が必要になるなど、手続きに時間が増すことから、売却までの期間が長くなるかもしれません。
土地の形状としては、長方形に近いほど需要があります。
装置を設置する際にデッドスペースが生じないため、効率的に土地を活用できるからです。
日当たりが良い土地
太陽光用地は、太陽光発電をおこなうための土地です。
太陽光発電により十分なエネルギーを得るには、日当たりの良さは欠かせません。
そのため近くに大きな建物があったり、高さのある木が生育されている場合には要注意です。
このような障害物により、太陽の光が遮られてしまうと、そもそも太陽光発電ができません。
太陽光発電が出来ない土地ですと、太陽光発電事業者からしても買取が難しくなります。
逆に日当たりがよく、日照時間が長い土地ですと、太陽光発電装置をフル稼働できるため需要が高いです。
年間日照時間が長いエリアに該当していれば、高値で買い取ってもらえるかもしれません。
道路や電柱のそばにある土地
電柱がそばにあると、太陽光発電で作られたエネルギーをスムーズに送電できます。
新たに電柱を設置する必要がないため、太陽光用地として活用するうえでのコストを抑えることができます。
業者からすると魅力的な土地でしょう。
とはいえ電柱によっては送電の負荷に耐えられないものも存在するため、そのような電柱ですと取り換え作業が必要です。
また太陽光発電の装置を設置する際には、さまざまな重機の乗り入れをしなければなりません。
前面道路が狭いと重機が通れないため、設置作業が難しくなります。
このような心配のない前面が広い道路の方が、太陽光用地に向いているでしょう。
また太陽光発電装置を一度設置したら終わりという訳ではなく、その後もメンテナンス等で重機を運ぶ機会は度々あります。
道幅が狭いとメンテナンス作業に支障が出てくるため、買取を断られる可能性が高くなります。
最初に太陽光発電装置を設置するうえで、凸凹のない土地ですとスムーズに設置作業ができます。
いびつな土地の場合には整地してからでないとパネル設置ができないため、買取価格に影響が出るかもしれません。
農地は転用手続きが必要
土地を太陽光用地として活用するうえで、地目は特に関係ありません。
地目とは、法律によって定められている土地の区分です。
例えば私たちの住宅が建てられているのは、宅地になります。
このように土地には用途が定められているのですが、前述の通り太陽光発電はどの用地でもおこなうことが可能です。
とはいえ地目が農地の時だけは注意が必要です。
農地は農地法の規定により、耕作目的以外での使用が不可となっています。
そのため地目を変えなければなりません。
つまり農地の場合には地目転用の手続きが必要となり、手順が増えます。
また全ての農地が別の地目に転用できるわけではなく、中には転用不可の土地も存在します。
農地の場合、太陽光用地として活用するのが非常に難しいことから気を付けなければなりません。
太陽光発電事業者へ土地売却する際の流れ
ここからは太陽光発電事業者に土地売却をおこなう際の、具体的な流れをご紹介します。
基本的には不動産会社に売却する手順とほぼ同じです。
尚、こちらでご紹介する流れは即時買取のケースです。
行政の許可が下りるまで一旦行程をストップする、停止条件付の契約ですとまた少し流れが変わってきます。
停止条件の特記事項がある場合には、一連の流れがもっと複雑化する可能性が高いです。
まずは土地売却における基本的な流れを把握しましょう。
査定依頼をおこなう
最初におこなうのは、実際に土地売却をおこなう太陽光発電業者選びです。
さまざまな業者が太陽光用地の買取を実施しているため、どの業者にするか決めましょう。
業者選びの判断材料になるのが、査定です。
査定を受けることで見積もりを貰えますが、買取金額は業者を決める際の大きなポイントです。
もちろん単純に買取金額だけで決めるのではなく、さまざまな条件を加味したうえで決めましょう。
査定には、机上査定と現地査定と呼ばれる2種類があります。
机上査定は簡単なデータを入力することで、おおよその買取金額を提示してくれる査定方法です。
業者の人が実際に現地を確かめる訳ではないため正確性はやや欠けるものの、気軽に査定してもらえるというメリットがあります。
まだ太陽光発電事業者に土地売却すべきか悩んでいるのであれば、まずは机上査定を受けておくのがおすすめです。
机上査定であれば、査定をお願いするハードルが低いため、複数の業者から見積もりを貰いやすいです。
この段階である程度、依頼する業者を絞り込むとよいでしょう。
次に現地査定ですが、こちらは直接土地を確かめたうえでの査定のため、信頼できる買取価格を知ることができます。
実際に売却することを決めているのであれば、現地査定は必須です。
現地査定を受けて、契約を結ぶ業者を最終判断しましょう。
売買契約を結ぶ
正式な買取価格の提示を受けた後、売買契約を結ぶ業者を決めましょう。
実際に売買契約を結ぶと、その時に手付金が支払われます。
手付金以外の土地代金に関しては、太陽光発電の設置が完了してから支払われるケースが一般的です。
そのため実際に土地代を受け取れるまでに、数か月のタイムラグが生じることになります。
とはいえ土地売却を検討されている方の中には、すぐに土地代を手にしたい人もいらっしゃるでしょう。
業者によっては、太陽光発電の設置が出来てからではなく、売買契約後すぐに支払ってくれる場合もあります。
このようなケースですと、土地の坪単価が安くなりがちです。
要は安く売る代わりに、すぐに土地代が手に入るという内容の契約になります。
いずれにしろ売買契約を結ぶ際には、このあたりのことをしっかりと確認しておきましょう。
決済をし、実際に土地を引き渡す
売買契約が締結したら、最後に決済と土地の引き渡しがおこなわれます。
即時買取であれば、各種申請の結果を待つことなく土地売却が可能です。
手付金以外の土地残代金が支払われるため、受け取ります。
土地売却においては、不動産転移登記などの諸手続きが必要です。
基本的にこのような諸手続きに関しては、太陽光発電事業者が担ってくれるため、特に負担はありません。
太陽光発電事業者から指示された、以下の書類などを準備しましょう。
- 実印
- 印鑑証明書
- 身分証明書
- 登記識別情報もしくは登記識別権利証
即時買取であれば流れは非常にスムーズで、1か月も待たずに全ての手続きを終えられるケースも多いです。
通常の不動産会社に売却をする流れとほぼ一緒のため、売主側が特別におこなわなければならない手続きなどはありません。
一連の流れに関しては、買取先となる会社が違うだけというイメージで問題ないでしょう。
知っておくべき!太陽光発電事業者へ売却の際によくあるトラブル
太陽光発電事業者に土地を売却する際には、独自の契約内容を結ぶことが多いです。
また買取価格なども、不動産会社に売る場合と変わってきます。
よって不動産会社と取引する際には生じないようなトラブルが発生するケースもあります。
とはいえトラブル内容としては、ある程度パターン化されています。
トラブル内容を把握しておくことで、余計な問題が生じるのを未然に防ぐことができるでしょう。
まずはどのようなトラブルが多いのか見ていきましょう。
農地のため売却ができない
前項でもお話した通り、農地を太陽光発電の目的で使用することはできません。
そのため地目を変更する手続きが必要です。
ここで問題なのが、農地転用の申請をしたからといって、必ず許可される訳ではないことです。
農地転用の許可が下りるのは、基本的に第2種農地と第3種農地に限られています。
ちなみに、第2種農地と第3種農地とは、以下のような区分の農地を指します。
- 第2種農地とは、500メートル以内に鉄道の駅がある、将来的に市街地として発展する可能性が高い土地
- 第3種農地とは、300メートル以内に鉄道の駅がある、将来的に市街地化する可能性が著しく高い土地
第2種農地と第3種農地であれば、農地転用が認められる可能性は高いです。
しかしながら実際のところ、行政が実情を把握したうえで判断することになります。
よって農地転用の許可が下りるかどうかに関しては、行政の判断次第です。
もし農地転用ができなければ、太陽光発電事業者への売却が白紙になることも珍しくありません。
大きなトラブルの元になりやすいため、農地の売却を検討している場合には、より一層注意が必要でしょう。
売却価格が想定以上に安くなってしまった
肝心の売却価格に関しても、トラブルの火種となるケースがあります。
土地を高価買取するという謳い文句で、契約を促してくる太陽光発電業者も少なからず存在します。
ここで言う高価買取というのは、利用価値のない土地を少し高く買う、という意味です。
普通に不動産会社に売れるような土地を、不動産会社の提示価格より高く買うという意味合いではありません。
あくまで価格が付かないどころか、所有していると固定資産税分でマイナスになるような土地でも引き受けるという話なのが前提です。
ここを勘違いしてしまうと、提示された売却価格が想定以上に安く、納得できないといったトラブルに発展します。
業者の言う高価買取という言葉は、鵜呑みにしないのが賢明です。
住宅地として活用できない土地でもお金になる程度の価格であることを、心得ておきましょう。
売却に時間がかかり、いつまでも拘束されてしまう
太陽光発電用の土地として活用するためには、行政の許可が必要になります。
そのため太陽光発電業者は、許可の申請をおこなわなければいけません。
申請できるのは売買契約を結んだ土地のみですから、業者は売主との契約後に申請を出します。
即時決済でなければ、行政の審査が終了するまでの期間、売主は待たされることになる訳です。
さまざまなことを調査する必要があるため、行政の審査は時間がかかります。
許可が下りて引き渡しが完了するまで、半年以上待たされることも珍しくありません。
その期間、土地を他に売却したり、別の活用法で使用することは出来ません。
要は何も使えないまま、ただ時間だけが過ぎていく状態です。
また引き渡しが完了するまで、固定資産税の支払い義務が発生します。
話が全く進まないまま、税金の支払いだけをおこなわなければいけない可能性すらある訳です。
このように長期間土地を拘束されることは、やはりトラブルに発展しやすいです。
停止条件がついている契約は要注意
太陽光発電事業者に売却する際、行政からの許可が下り太陽光用地として活用できる場合のみ購入するといった条件がつくことが多いです。
つまり行政からの許可が下りない時は、業者は購入を拒否できるという契約内容です。
このような条件を停止条件と呼びます。
停止条件付の契約は、売主にとって非常に不利なため注意が必要です。
行政からの許可が下りるまで、契約は一旦停まり、保留状態となります。
保留中も売買契約を結んでいることに変わりはなく、身動きが取れません。
実際、太陽光発電事業者から提示される契約内容には停止条件付きが多いです。
売買契約を結んでしまう前に、よく確認しましょう。
停止条件付きでない契約を結ぶことはできますか?
その場合には、即時買取を希望するとよいですよ。行政の審査前に土地を引き渡すことができます
即時買取ですと、買取価格が安くなってしまうんですよね?
そうですね。買取価格の条件は悪くなるため、結局どちらがよいか選ぶ必要があります
焦って契約をしてしまう
太陽光発電による売電価格は年々下落傾向にあります。
そのため太陽光発電事業者の数も飽和状態で、新規参入しにくい現状です。
今後、現在の土地価格よりもさらにお得に買取をしてくれる業者が現われる可能性は低いです。
業者によっては、この点を突いてくるところもあるでしょう。
売却を検討しているのであれば早いうちがお得という具合に、契約を急かしてくるかもしれません。
売主としては少しでも高値で売りたいですから、業者にのせられて焦って契約を交わしてしまいがちです。
しかしながら、太陽光発電事業者への売却に関わらず、不動産売却の基本は複数社を見比べることです。
あまりにも時間を費やすのは望ましくないものの、ある程度しっかりと売却先を選ぶことが大事でしょう。
トラブルを防ぐために気を付けたいポイントは?
太陽光発電事業者への土地売却は、通常の売却とは異なる点が多くトラブルが生じやすいです。
しかし、トラブルをある程度未然に防ぐことも可能です。
少し意識するだけで余計なトラブルが発生するのを回避できるでしょう。
大切な土地売却を成功させるために、心がけておくべきポイントをご紹介します。
売買契約を結ぶ際にはよく内容を確かめる
当たり前のことですが、売買契約を結ぶ際の契約書には、よく目を通すようにしましょう。
太陽光発電事業者に土地売却する際に生じるトラブルは、契約内容に関するものが多いです。
しっかりと契約書を確認しておけば、不利な契約を結ばずに済みます。
とはいえ太陽光発電事業者に売却する時には、停止条件付の契約になっていることがほとんどです。
むしろ停止条件付ではない契約になっている方が、珍しいくらいかもしれません。
そこで契約内容が停止条件付の時には、こちらが不利になりすぎないよう、特約を入れてもらうのがポイントです。
例えば契約解除の期限を設定しておくことで、長期間土地を拘束されるのを防ぐことができます。
もしくは他に条件の良い売却先が現われた際には、そちらを優先できるといった特約を盛り込んでもよいでしょう。
いずれにしろ、ただ停止条件が付いている契約ですと分が悪いです。
こちらから特約を提案し、リスク回避に努めましょう。
まずは不動産会社への売却を検討する
土地は不動産会社に仲介してもらい、第三者に売却するのが最も高く売れます。
買い手が見つからないようであれば、売却ほどの価格にはなりませんが、不動産会社に買い取ってもらう方法もあるでしょう。
そのため土地を手放す時には、まずは不動産会社へ依頼するのが基本中の基本です。
不動産会社は土地売買のプロですから、売却にあたってトラブルが生じる可能性は低いです。
リスク回避のためにも、まずは不動産会社に相談するのがベターでしょう。
太陽光発電事業者への土地売却は、不動産会社に買取を断られた際の最終手段です。
不動産会社が太陽光発電事業者への土地売却に協力してくれることは、ほぼありません。
そのため太陽光発電事業者へ売却するのであれば、自分自身で動き出す必要があります。
どうして不動産会社は太陽光発電事業者への売却を、かけあってくれないのですか?
いつ引き渡しができるか定かではないですし、売却価格も安く仲介手数料が見込めないからです
仲介するメリットがほぼないんですね
そうですね
まとめ
不動産会社で買取が難しい土地であっても、太陽光発電事業者になら売却できる可能性があります。
広さがあり日光がよく当たる土地ですと、太陽光用地として活用できるからです。
またそばに電柱があり、重機の進入が容易な土地なども、太陽光用地向きでしょう。
買い手が見つからない田舎の土地でも、太陽光発電業者に売却することで、多少のお金が手に入ります。
しかし太陽光発電事業者への売却は、停止条件付きの契約になることが多く、トラブルが生じやすいです。
行政の許可が下りてからでないと土地の引き渡しができないため、長期間土地を拘束されるかもしれません。
また万一行政の許可が出なかった場合、契約を白紙に戻されるリスクもあります。
不利な条件で契約を結んでしまうことのないよう、リスクヘッジの方法を押さえておきましょう。