マンション売りたい、そろそろ家の買い替えを検討している場合、何から始めて良いのか分からない人がほとんどでしょう。
そこでマンションの売値はどう決まるのか、調べ方や不動産屋さんに売却する流れについて幅広く調べてみました。
また自分の物件を高く売りたいと思うのは当然のことです。
そのため売り時や良いタイミングなど、高く売るためのコツや秘訣についても紹介します。
マンションは売却すれば利益が生じますので、かかる税金についても詳しく見ていきましょう。
マンション売りで物件の売値はどう決まる
そもそもマンションの売値ってどうやって決めているの?
販売価格を決める要因はたくさんあるが、大きく分けると2つあります。
- マクロ要因で決まる
- 物件独自の要因で決まる
マクロ?物件独自の要因?なんですか?
簡単に言うと経済や今の社会の情勢とか外の要因が一つと、物件そのもののスペックで決まります。ひとつずつ説明していきましょう
マクロ要因で市場全体のトレンドが決まる
マンションの売値は大きく考えると以下の3つの要因があります。
- 経済的要因
- 社会的要因
- 行政的要因
例えば不況で皆がお金に苦しんでいるときに、マンションを購入しようとはなりませんね。
また人口減少があれば必然的に購入する人も少なくなります。
行政的要因は、国が行う不動産市場を活性化させるいわばキャンペーンのようなものです。
例えば、住宅ローン減税や住まい給付金など、住宅を購入することで受けられる恩恵があれば、購入者が増えます。
このように様々な観点からマンション価格のトレンドが決定されています。
物件のスペックや個性
マンションは土地に建っていますので、その土地の立地条件も要因の一つに入ります。
例えば以下のような要素があります。
- 都会へのアクセス条件
- 駅から近い・遠い
- 学校や公園など施設の有無
- 治安や静かな場所など
立地に関する要因で大きいのは都会へのアクセスや駅からの距離になります。
特に急行電車が停まる駅周辺や、ターミナル駅など乗り換えがスムーズに行える駅周辺は良い立地条件です。
さらに覚えておきたいのが用途地域です。
用途地域は都市計画法に基づいて定められたもので、大きく分けると住居系と工業系、商業系になります。
もちろん住居系にある物件は住居を立てるのにふさわしい地域に建っているマンションです。
逆に工業地域に建つ物件は、住環境としてはマイナス要素になります。
他にも空港や高速道路の騒音がある地域などは、価格が低くなる傾向にあるようです。
次に物件自体のスペックですが、必ず物件の価格を決める要因になります。
- 築年数
- 間取り
- 物件の構造
- 向きや敷地の形状
まずはマンション売りで一番重要ともいえるのが、物件の築年数です。
物件の価格を決めるものさしとして大きな要因となり、マンションの価値は新築から数年で急激に下がります。
その後15年~20年くらいで緩やかな下落が続き、30年で半額くらいに下がると言われています。
また一般的に階数が高い方が眺望が良いため高く売れます。
他にも南向きなど日当たりや通気性、角部屋などもマンション売り価格を決める要素になっています。
自分でマンションの相場を調べる方法
今住んでいるマンションの相場を自分で調べる方法はいくつかあります。
じゃあ早速不動産屋さんに売りに行こう
ちょっと待ちましょう、不動産屋さんに行く前に自分で相場を調べる方法がいくつかあります。
そうなの?
事前に相場を知ることで、マンションを高く売るコツや正しい売値を知ることもできますね。どんな方法があるか詳しく説明します。
物件サイトで同じ条件のマンションを調べる
物件情報サイトで、自分と同じような条件の物件がいくらで売られているのかを調べることで、大体の価格を把握できます。
同じような条件は以下の条件を参考にすると良いでしょう。
- 最寄り駅
- 駅から家までの距離
- 間取り
- 築年数
- 平米数や広さ
上記の条件がほとんど同じの場合はそのまま参考になりますが、サイトを見てうまいことその物件があるとは限りません。
そのため広さが違うマンションの場合平米数で、単価を割り出す方法を覚えておくと良いでしょう。
平米単価とは聞きなれない言葉ですが、不動産業界では売値を決める際にも使用されます。
売りたいマンションの平米数が60平米で、参考にしたいマンションが90平米で4500万円の場合の計算方法をしてみます。
- 4500万÷90平米=平米単価が50万円
- 平米単価の50万円×60平米=3000万円
物件の売値を決めるのは平米数以外にもたくさんありますが、ひとつの指標として覚えておくと便利です。
マンション売り一括サイトを利用する
マンション売りは自分だけで物件の売値を調べるのは限界があります。
近くの不動産屋で売り物件を見ても、その地域の売り出し価格しか分からず、結局自分のマンションがいくらかは分かりません。
そこで便利なのが、マンション売りの一括査定サイトです。
自分のマンションの査定を一括して、複数の不動産屋さんに依頼することができるサービスで、一般的には無料がほとんどです。
依頼の方法はパソコンやスマホなど、ネットで必要事項を入力するだけの簡単な方法でできます。
気に入った不動産屋さんがあれば、相談に繋がるので非常に便利なツールです。
公的な情報を参考にする
マンションの売値は様々な情報から相場を予想することができます。
例えば成約価格や、路線価、取引価格などのデータベースが、公的なサイトで公開されています。
国交省不動産取引情報検索サイトでは、取引物件の成約価格を年代で検索することができます。
土地のみや土地と物件、中古マンションなどカテゴリ別に分けて調べることも可能です。
仮に土地だけの相場を知りたい場合は、国交省の地価の情報サイトを利用しましょう。
こちらは不動産鑑定士によって調査されています。
ただし全国の地価が分かるわけではなく、指標として全国で約2万6千の地価が調べられます。
地価以外にも、路線価でも土地の平米単価を調べることが可能です。
路線価とは道路に面する標準的な土地の平米単価を記したもので、主に相続税の計算などで用いられています。
このように土地や路線価など様々な情報を基に、物件の価格を調べることは可能です。
しかしあくまでも参考値ですので、自分のマンションの売値の詳細が知りたい場合は、プロの不動産屋さんに問い合わせるのが良いでしょう。
相場を調べる時の注意点について
マンションの相場を知るための方法はたくさんあることがお分かりいただけたでしょう。
しかし、相場を調べるうえで注意点もあるので、知っておくと良いでしょう。
サイトの価格イコール売値ではない
条件が似たような物件を見れば、ある程度の物件価格が分かります。
しかし記載されている売値は売り主の希望価格であることを忘れないようにしておきましょう。
売り主が出した希望の売値が記載されていても、実際の価格はそれよりも下回る傾向にあるようです。
成約価格と売値の差は、売りに出してからの期間や売り主の状況でも異なるため、その物件ごとに差も異なってくるでしょう。
リノベーションが入った物件は高め
物件サイトで売られている物件が、一般的な中古物件かリノベーションされた物件なのかでも価格に差が生じます。
一般的にリノベーションされた物件は通常の中古物件よりも価格が高くなる傾向にあります。
物件情報サイトで自分のマンション売りの値を調べるためには、このようなリノベ物件は除いて考えた方が参考になります。
マンションをできるだけ高く売るコツ
マンションは立地条件やその時の経済状況など、自分ではどうしても変えられない状況があります。
売値は希望を出せても、マクロ的要因や物件の持つ価値を考えた上で価格設定をしないと、いつまで経っても物件は売れません。
ただし物件は売り方を考えることで、何もしないよりも高く売ることが可能です。
マンションをできるだけ高く売るコツ、として紹介します。
マンションの値段を知る方法は大体分かりました。
一括サイトや物件サイト、公的なサイトで調べられることが分かりましたね。
でもできれば高く売りたいな。マンション売りで失敗はしたくない。。。
そう思うのは誰でも同じですね。適切な価格で売るためのコツを知っておきましょう。
最低でも3か月の余裕をもって売る
不動産業界では、焦って安く売ってしまうことを売り急ぎ、慌てて購入することを買い進みと言います。
このような言葉があるように、物件は安く売りすぎない、また高く買いすぎないように時間に余裕を持つべき、という意味合いがあるそうです。
最低でも販売開始から、物件の引き渡しまでは3か月程度の余裕を持ちましょう。
さらにマンションの査定を行ったり、瑕疵担保保険に加入する準備期間を含めると4か月~5か月程度が必要です。
しかし、マンションを販売したのに1年も2年も売れない、という場合は価格設定が間違っている可能性を考えるべきです。
余裕を持つことは大事ですが、時間をかけることが高く売れるということではないので、気を付けておきましょう。
瑕疵担保保険を知っておこう
マンションを売却する際に、瑕疵担保保険に加入していれば高く売ることができる可能性がアップします。
瑕疵とは、賃貸物件などに住んだことのある人なら聞いたことがあるでしょう。簡単に言えばマンションにある不具合の事で、多いのは雨漏りの侵入やアスベストやひび割れなどが挙げられます。
これらの瑕疵は売り主が物件を売る時には、事前に内容を伝え了承を得てもらわなければなりません。
また個人間の売買の場合、売り主は3か月修繕における責任を持つ必要があります。
ただし、期間が過ぎた後に瑕疵が見つかれば、買主は自分で直さなければならなくなります。
そこで保証期間後も修繕費用の一部を補える保険が、瑕疵担保保険になります。
瑕疵担保保険があるマンションであれば、買い手側が安心して物件を購入できます。
また、瑕疵担保保険に入ることで売り主側には以下の税の免除があります。
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 住宅ローン控除
まずは家屋の登録免許税率が2%から3%に上がります。
不動産取得税は、以下の表を参考にしてください。
建築年月日 | 控除額 |
---|---|
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 | 100万円 |
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 |
平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1000万円 |
平成9年4月1日以降 | 1200万円 |
このように瑕疵担保保険が付保されたマンションはお得になります。
瑕疵担保保険を受けるにはインスペクションと呼ばれる建物状況調査を受ける必要があります。
インスペクションの費用は検査料が3万円~4万円程度、保険料が4万円~8万円程度必要です。
費用は掛かりますが、マンション売りで競争力がアップするので検討してみてください。
不動産屋さん選びで失敗しないこと
マンション売りはほとんどが不動産会社に買主を探してもらう、という流れが一般的です。
不動産会社では、価格設定や内覧者の集客、接客も行い契約締結など売却にかかわる全ての業務を行います。
そのため物件を高く売るためには、不動産選びも重要となってくるでしょう。
業者選びの簡単な選び方ポイントをまとめておきます。
- 免許番号の確認をする
- 行政処分を受けていないか
- 営業マンが迅速・丁寧で正確かどうか
- 大手と中小にはそれぞれメリットがある
まずは信頼できる不動産屋さんを選ぶために、免許番号で宅地建物取引業の免許があるかを確かめましょう。
国交省のサイトにはネガティブ情報等検索システムで、過去に行政処分を受けたかどうかを調べることができます。
またマンションの査定をした時に関わる営業マンは、そのまま売却の担当になることが多いです。
そのため、査定時に営業マンの迅速さや対応の丁寧さなどをチェックしておきましょう。
最後に不動産屋さんを選ぶ基準として、大手に任せていれば問題ないだろうとい考えがありますが、そうとも限りません。
大手には大手の、中小には中小のメリットがあります。
どちらを選ぶかは物件によるので、それぞれの特徴を知ることが大事です。
例えば大手のメリットはネームバリューがありますが、営業マンが多くの案件を抱えている場合があります。
そのため売りやすい物件と売りにくい物件を天秤にかけてしまうデメリットがあります。
一方地元密着型の中小企業は、エリアを熟知しており地元の顧客を抱えているという魅力があります。
その一方で、情報量に関しては大手にはかなわないというデメリットもあります。
マンションを売る流れを知っておこう
マンションの相場の知り方や、高く売るコツについて分かったら、次はマンション売りの流れについて知っておきましょう。
一つずつにポイントがありますが、ここでは簡単に売却の流れを解説します。
また内覧で気に入ってもらうポイントや、物件サイトに記載する際のコツも紹介します。
売却するマンションの相場を調べる
自宅を売却する時には、いくらで売れるか気になります。
次の家の買い替えにも関係してくるので、相場を事前に調べて予算を立てる参考にしてください。
調べ方は先に記した、物件サイトで調べる方法や不動産一括査定サイトがおすすめです。
実際に査定を依頼する
相場を調べたら、不動産屋さんに査定を依頼しますが依頼の方法には3種類あります。
- 簡易査定
- 机上査定
- 訪問査定
簡易査定や机上査定は実際の物件を見ずに、書類などのデータを基に査定を行います。
訪問査定は売却することが決まったら、訪問して物件を見たうえで査定を行います。
査定の種類によっては有料の場合があるので、不動産屋さんに事前に確認しましょう。
売却するのにかかるお金の確認
マンションを売るには、様々な費用が必要です。
大きく分けると以下の3種類です。
- 仲介手数料
- 抵当権の抹消費用
- マンション売却で得た収入や関わった税金
売る物件によってローン返済にかかるお金など様々ありますが、一般的に上記の3種類の費用がかかります。
不動産屋さんに支払う仲介手数料や、抵当権抹消のための費用が数千円から数万円程度かかってきます。
またマンション売りに関わる税金がありますが、かかる税金の種類については後で詳しく記述します。
売り出し価格を決めて媒介契約を結ぶ
マンション売り出し価格は不動産屋さんとしっかり相談を行いましょう。
査定金額と希望金額に差がなければそのまま売り出せば良いですが、差がある場合もあります。
ローン残や、買い替えの費用を考慮する場合は、時間がかかっても希望価格に近い価格で売却をするなど、調整を行いましょう。
マンションでは専任媒介契約を結びます。
仲介手数料や、不動産に依頼する内容などは全て契約時に説明があるので、きちんと聞いておきましょう。
販売活動を行う
一般的に不動産会社専用のデータベースに物件の情報を記載します。
これで全国に自分の物件が不動産仲介業者の物件情報に載ります。
販売活動は物件情報に記載するほか、直接買いたい人が内覧に訪れることもあります。
早く購入が決まるためのポイントを知っておきましょう。
物件サイトに記載する時のポイント
マンションを買いたいと思っている多くの人は、まずネットなどで物件情報を探してから内覧に来ます。
いきなりこの家が欲しい、と思ってくる人はいません。
そのためご近所の目はありますが、インターネット広告を出した方が早く売れるでしょう。
広告を出す際は写真を多く記載するのがポイントです。
自分が購入者だとすると、写真が少ない物件よりも多く載せている物件の方がイメージもわきやすく、また信頼できますね。
様々な個所の写真を載せて、購入者の興味を高めましょう。
次に、マンションの弱点を事前に載せておく、というコツもあります。
例えば通販で物を購入する時、口コミなどであえて悪いレビューも見たい、という場合があります。
悪い部分を知ったうえで、許容できる場合は購入に繋がります。
物件でもそれは同じことが言え、弱点を記載した上でプラスの対処法があると、より購入にも繋がります。
例えば西向きで夕日が眩しいですが、簾をかければ問題ありません、といった書き方です。
広告は常に確認し、営業マンに販売状況をマメに確認することが大事です。
内覧で気に入ってもらうためのポイント
内覧を行う前に、一度だけプロのハウスクリーニングに依頼し、特に汚れがつきやすい水回りを綺麗にしておくと良いでしょう。
内覧では奥様がキッチンを見に来られる場合が多く、イメージを持つために様々な所を開けることもあります。そしてハウスクリーニングを行った後は、汚れないように気を付けておきましょう。
また、内覧のたびにおもてなしをする必要はありませんが、不快な気持ちにならないよう配慮は必要です。
- スリッパを全員分用意する
- 空気は入れ替えておく
- 部屋の電気をつける
これらのことはちょっとした気遣いでできることです。
部屋に入った途端空気が汚れていたり、薄暗いと良い印象を与えないので気を付けましょう。
また物が多いと印象を下げる可能性もあります。
不要なものを床や押し入れに置きっぱなしにせず、ある程度の断捨離が必要です。
マンションの売却にかかる税金や計算方法について
マンションを売却すると、必ずかかるのが税金です。
不動産売却における税金の仕組みを知っておきましょう。
マンション売ると税金がかかるって本当?
本当です。
ややこしいのは面倒だなあ。覚えないとだめですか?
確かに複数ありますが、ポイントは売って必ずかかる税金と利益がでたらかかる税金があるってことだけ。それに税が軽くなるシステムもあるから、知っておいた方が損しませんよ!
なんと!それは教えてください。
マンションを売るのにかかる税金は5つ
マンションを売却したときには、必ずかかる税金と利益が出た時のみにかかる税金があります。
下の表を参考にしましょう。
税の内容 | 支払うタイミング | |
---|---|---|
必ず払う税金 | 印紙税 | 売買契約時 |
登録免許税 | ローン完済後 抹消手続きの際 | |
利益が出た時のみに払う税金 | 所得税 | 源泉徴収 |
住民税 | 4月から5月ごろ | |
復興特別税 | 確定申告時 |
まずは印紙税ですが契約書や領収書に貼る収入印紙の事で、不動産を売買する際にも必要になります。
次に登録免許税ですが、住宅ローンを組んだ時には土地や建物は抵当に入ることになっています。これを売却する時に外すために必要な費用です。
次にマンション売りで購入額よりも収入を得たら、所得税や住民税を支払わなければなりません。
所得税や住民税の計算方法は、以下のように5年を超えるか超えないかで計算方法が変わります。
購入後5年以内の売却 | 譲渡所得×39% |
---|---|
購入後5年以上の売却 | 譲渡所得×20% |
利益が出た時に支払う税金は他にも、復興特別税があります。
これは2011年の東日本大震災に対する復興を目的とした税金の事です。
復興特別税の計算方法は譲渡所得にかかる税額に2.1%をかけた費用がかかります。
マンション売りで収入を得た場合の譲渡所得について
譲渡所得とは売却で得た利益のことで、購入したときにかかった費用より、どのくらい高く売れたかという意味です。
諸経費の仲介手数料や、登記費用なども含まれています。
他にもリフォームをしたりすれば、その費用も含まれます。
また譲渡費用も同じく、仲介手数料や諸費用を含みます。
ここでひとつ注意したいのが、マンションは建った時から年数が経つにつれて価値が必ず落ちていきます。
そのため所得費用は購入価格から、下落した分のことを減価償却と言いますが、その分を差し引く必要があります。
計算方法は、購入価格×0.9×2.2%×築年数で、これは建物の代金のみが対象になります。
価値が落ちた価格と諸経費を足した金額と、売却した費用の差に税金がかかるので注意しましょう。
マンション売るなら必須の軽減措置の知識
譲渡所得では税金がかかりますが、自宅として使用するなら以下の様々な軽減措置が用意されています。
- 所有が10年以上のマイホーム
- 3000万円の特別控除
- 買い替えの特例
まずは10年以上住んだ家を売る際は軽減税率が適用されます。
いくつか要件があるのでチェックしておきましょう。
- 売却した年の元旦の時点で10年を超えていること
- 前年とその前の年にこの特例を受けていないこと
- 買い換え特例などの他の特例を受けていないこと
- 住んでいない家の場合住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
- 親子や兄弟など深い関係に売る家でない
この特例は譲渡所得が6000万円を超えると税率が上がりますが、多くの物件は6000万円以下です。
基本的に10年を超える家では、譲渡所得にかかる税金は14%と覚えておきましょう。
次に、今まで譲渡所得について説明してきましたが、実は譲渡所得が3000万円を超えない限り、税金は支払う必要はありません。
多くの家が譲渡所得が3000万を超えることはめったにないため、実際には住民税や所得税は免除となります。
これを3000万円の特例と言いますが、こちらにも要件があります。
- マイホームであること
- 前年とその前にこの特例を受けていないこと
- 収用による特別控除などの特例を受けていないこと
- 住んでいない家の場合住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
- 親子や兄弟など深い関係に売る家でない
この特例を使用した場合、次に住む新居では住宅ローン減税を利用できません。
そのため、譲渡所得が少額の場合は住宅ローン減税の総額と照らし合わせて、どちらがお得になるかを計算しましょう。
最後に買い換え特例という特例があります。
これは新居へ買い換えをするために売却する場合、新居の方が売却額より高い場合にのみ、所得税と住民税の免除が受けられます。
また新居の方が安かったとしても、課税の時期を新居を売却する時まで先送りすることも可能です。
要件に関しては以下を参考にしてください。
- 売りたい家に10年以上住んでいる
- 売却価格が1億円以下
- 新居の土地面積が500米以下で、かつ床面積は50平米以上
- 新居は築25年以内もしくは、新耐震基準を満たした家であること
- 元の家の売却の前年か、次の年までに新居を購入すること
ライフスタイルの変化などで新しい家に住み替えを行うケースは多いので、こういった軽減措置を覚えておきましょう。
ただし実際には、課税が免税される3000万円の特例を使うケースがほとんどです。
買い換え特例は3000万円の特例も、住宅ローン減税とも併用ができません。
そのため、この特例を実際に使うケースはあまり多くはありません。
ただし様々な税の軽減措置があることは覚えておくとためになります。
マンション売りで損失が出た場合の救済措置について
マンションの売却は、税金の軽減措置以外にも損失が出た場合の救済措置もあります。
損失が出た場合は4年間住民税と所得税が免除されます。
条件は以下にまとめました。
- 売却した年の1月1日時点で5年を超えていること
- 住宅ローンが残っており、その額が売却価格を超えていること
- 親子など特別な関係に売却する家ではない事
- 年間所得が3000万円以下
会社員の場合実際には給料から所得税と住民税を源泉徴収されるため、年末調整で返ってくる仕組みです。
投資のための売却は消費税がかかる
例えば最初から転売を目的に購入をした物件があったとして、その物件を売りたいとなると通常の売却とは税制が変わります。
詳しくは売却費用に消費税がかかります。
ただしこちらにも免除されるケースがあり、条件は2年前の課税売上が1000万円を超えているかどうかになります。
さらに売却額が購入額を上回るか、下回るかは関係なく課税されます。
ただし課税対象になるのは建物だけになります。
もしも利益が出て譲渡所得が出た場合は、消費税だけでなく住民税や所得税も課税されます。
マイホームの時のように、3000万円の特例や10年越えの特例も受けることができません。
家賃収入で持っている物件を売る時には、マイホームとの違いに気を付けておきましょう。
まとめ
マンションを売る際には売り値の決まり方があり、売り時や相場の調べ方がお分かりいただけたでしょう。
物件を売る時は、一生のうちでそんなに何回もあることではないため、売り急ぎをしないよう慎重に進めましょう。
高く売るコツは時間に余裕を持つことと、不動産選びで失敗しないことです。
CMやネットでよく見る大手だから、と安易に決めるのではなく、自分が売りたい物件は、どこに売るのが良いのかを見極める必要があります。
査定には簡易的に行ってくれるものもあるので、まずは一括査定を行ってマンションの売値や売り時を見極めましょう。
マンションを売れば、必ず税金や仲介手数料などの諸経費がかかります。
軽減措置などもあわせて知っておくとスムーズな売却が実現できます。