日本の中古住宅の寿命って?寿命が短い理由と寿命を伸ばす方法について

日本の中古住宅の寿命って?寿命が短い理由と寿命を伸ばす方法について

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日本の中古住宅の寿命は、どのくらいと言われているか、知らない方も多いでしょう。

外観は特に変わりはないように見ても、実際は見えない所に問題があり、そのままにして寿命を早めてしまうケースも。

この記事では、日本の家の寿命が短い理由や、寿命を伸ばすコツについて紹介しています。

せっかく購入した中古住宅に長く住むためにも、参考にしてみてください。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

勉強になります!

なぜ日本住宅の寿命は短いのか?

日本住宅の寿命は短い理由

日本の木造住宅は寿命が約30年と言われていますが、実際の寿命は80年まで住める家もあります。

なぜ日本の家の寿命が30年と言われているかというと、取り壊された築年数が大体30年だからです。

実は、まだ住める中古住宅でも取り壊されていることがあります。

国土交通省のサイトの下記資料を参考に海外の住宅の築年数を比較してみると、イギリスは77年、アメリカは55年なので日本はかなり家の寿命が短いと言えます。
参考:2 住宅に関する現状と課題

住宅の寿命は構造によって違いあり、以下をご覧ください。

構造寿命年数
木造30〜80年
鉄骨造30〜60年
鉄筋コンクリート造40〜90年

戸建ての構造で多いのは木造と鉄骨造になり、マンションの構造は鉄筋コンクリート造が主流になっています。

実際は80年近くの寿命があるというのに、なぜ30年という日本は短い家の寿命なのか、その理由を紹介していきます。

耐震基準に満たすため

日本の中古住宅の寿命が短い理由としては、昔は耐震性が低い構造の住宅が多かったため、昨今の大地震に備えて建て替えが増えているからです。

1981年より前の住宅は耐震性が低いので、改修工事を検討する人は多いですが、工事費用を考えると建て替えてしまった方が手間もかからないという理由もあります。

東日本大事震災があってから、さらに耐震性に注目が集まり、全国で耐震改修工事の補助金の制度が整ってきました。

補助金を利用する際には、耐震診断を受ける必要がありますが、結果によって費用が決まります。

1981年より前の住宅は耐震基準に満たしていないケースが圧倒的に多く、よって改修工事は高額になってしまいます。

耐震改修工事は、大がかりな工事になるので、同時にリフォームもしようと考える人が多く、そのためコストが上乗せされるため、高額な費用になるのなら建て替えをした方が良いとなるのです。

間取りが変えにくい設計

新築の家も数十年経てば、住んでいる人も年齢を重ねているため、より生活しやすいように間取りを変えようと検討し始めます。

バリアフリーの住宅にするため、段差を低くしたり、手すりを付けたりして、リフォームを行われるのが大体築30年に差しあたります。

ところが、リフォームをしようとしても、構造に問題がある場合、間取りを変えることが困難になることも。

将来的にリフォームを行うことを考えていなかったため、このような問題が起きます。

いくら費用がかかっても問題がないならリフォームはできますが、どうせなら建て替えて住みやすい住宅にした方が良いとなります。

新築の需要が高かったため

日本は新築に拘る人が多く、中古住宅の市場が確立していなかったのが理由の1つです。

国が定める住宅の耐用年数は低く、そのため中古住宅の価値も低くなってしまいます。

構造耐用年数
木造22年
鉄筋コンクリート造47年
レンガ、ブロック造38年

日本に比べて海外の家の耐用年数は長く、リノベーションが行われることで、新築の時より中古住宅は高額になって売買されています。

災害などの原因で立ち退きをしなくてはいけないため

都市開発のエリアに家があった場合は、立ち退きをしなくてはいけないケースがあります。

このような時は寿命など関係なく取り壊すことになるでしょう。

災害が原因で家が倒壊することもよく耳にしますが、そのような家は旧耐震基準だからと言えます。

1981年以降に建てられた住宅のほとんどは、新耐震基準なので震度7の地震には耐えられるようになっています。

しかし、2016年の熊本地震が起きた時、新耐震基準を満たしている住宅でも倒壊していることが分かりました。

震度7の地震が2回起きて、耐震基準が満たしている木造の家は51棟倒壊しました。

震度7クラスの地震が何度も起きるのは想定外だったため、耐震基準が満たしていても倒壊ということに。

そのため、住宅の地盤に注意をする必要があります。

地盤調査をして地盤の補強がされているか確認しておきましょう。

その他の原因

住宅の寿命を縮める原因は、他にも細かくあるので紹介します。

雨漏れ

日本の住宅は木材を多く使用しているので、雨が中に入ってくると木が腐っていき、家の耐久性が低くなってしまいます。

雨漏れは天井から多いと思われがちですが、窓のサッシやベランダの床などからも色々雨は入ってくるので注意が必要です。

水漏れ

排水管などから水漏れすると、床や壁などの木を腐敗させて、住宅の寿命が短くなる原因になります。

戸建ての排水管は大体が床の下に隠れているため、知らないうちにどんどん腐っていくことになるので危険です。

湿気

日本は湿気が多いので、住宅にカビが発生しやすい環境です。

カビを増やしてしまう原因は、部屋の換気がしっかり行われていないことや、断熱の効果が薄れていることが考えられるでしょう。

湿気が多い地盤で床に土が見えている住宅は、床下から湿気の影響を受けやすいです。

陽光

日当たりの良い家は理想的ですが、あまりにも強い日光が当たる場合は、住宅の寿命を縮める原因になります。

家の外壁が一緒でも強い日光が当たる壁は、他の箇所と比較すると傷みやすいというもの。

また、強い日光で劣化した部分は雨が入ってきやすくなるので、腐敗しやすい状態になります。

シロアリ

シロアリが家の土台や柱を食べてしまうと、耐震性が低くなってしまいます。

シロアリが木材を食べると、柔らかくなってしまうのです。

水漏れなどの被害も加わると木が腐って柔らかくなるため、シロアリの標的になる可能性が高くなります。

日本には築1000年以上超えている建物もある

日本の住宅の寿命が短いという理由は、災害や家の構造など様々な原因があることが分かりました。

しかし、日本には築1000年以上の建物も存在しています。

世界最古の木造「法隆寺」は、築1300年と言われています。

木造なのに築1300年というのは木材の強度が優れており、定期的に修繕もされてきたため、長寿の建物となっているのです。

1933年に大規模な修繕が行われ、その後も20年間作業をしていました。

もっと昔にも修繕されたことが、記録に残っています。

では、中古住宅の寿命を伸ばすためにはどうした良いのでしょうか?

次に紹介していきます。

住宅の寿命を伸ばす方法

中古住宅の寿命を伸ばすためには、長く住める家にしなくてはいけません。

日本と違って海外では、長く家に住むという考えの人が多いので、メンテナンスをしっかり行なわれています。

どのような、メンテナンスを行って寿命を伸ばせば良いのか、解説していきます。

  1. ホームインスペクターに依頼して診て貰う
  2. 必要な所をメンテナンス
  3. 日頃の掃除
  4. 保険に加入する
  5. 大がかりなリフォームをする
  6. 自分でも劣化を確認する
  7. 防蟻(ぼうぎ)処理をする

ホームインスペクターに診て貰う

住宅診断士のホームインスペクターに、家の劣化状況や欠陥があるかどうか、定期的に診て貰うことをおすすめします。目安としては5年に1度です。

住宅診断して貰うことで、今まで気づかなかった劣化の箇所が明確になります。

ホームインスペクターなど専門家に依頼する場合、大体の相場は5万円前後です。

診断にかかる時間は30坪位だと、2〜3時間になります。

本格的に診断して貰うとなったら、10〜30万円の費用がかかりますが、早く劣化箇所を把握できることで、改修工事が遅れず家を守れることに繋がります。

築25年以上経っている家なら、本格的な住宅診断をした方が良いでしょう。

必要な所をメンテナンス

専門家に住宅診断をして貰って、メンテナンスやリフォームした方が良い箇所を見つけたら必要な所を行います。

また、専門家に依頼していない場合でも、自分で判断できる箇所は定期的にメンテナンスをする必要があります。

劣化している所をそのまま放置してしまうと、そこからどんどん家が傷んでいき、寿命が縮んでしまって大がかりな改修工事が必要になる可能性も。

例えば、築10年が経って外壁にひび割れが出る前に修繕するのが最善です。

メンテナンスを行うのは家の箇所によってサイクルが異なってくるので、また次の章で詳しく紹介していきます。

日頃の掃除

住宅の寿命を伸ばすためには、日頃の掃除が大切です。

雨樋や水廻りは特に掃除を心がけて行うようにしましょう。

クジラ先生
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こざかな生徒
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分かりました!

水廻りで注意しておきたいポイントは、水漏れによって発生するシミや、浸水、異臭がないかです。

水廻りで何か異変があった場合そのまましてしまうと、木部が腐っていくので早めに対処すべき箇所になります。

雨樋や外壁のひびなども、日頃から掃除をすることでチェックできるというもの。

雨樋はゴミや枯葉などが詰まりやすい所なので、最低でも年に1度は掃除をしてください。

雨樋が詰まってしまうと、水が溢れて外壁の汚れや傷む原因に繋がります。

外壁の傷みが進行してしまうと修繕に数十万円かかってしまうこともあるので、普段からこまめに確認しておくと良いでしょう。

住宅の寿命を伸ばすためにも、水廻りなどは特に意識して掃除をするようにします。

重点的にきれいにしておきたい部分

まめに掃除ができるようになると家を綺麗に保ちやくなり、住宅の劣化にもいち早く気づきやすくなります。

保険に加入する

住宅の寿命を伸ばすために日々の掃除や、メンテナンスを行うことは大事ですが、台風や地震の災害による被害は突然襲ってくるものです。

災害の修繕費用は高額になりやすく、そのまま放置していると家の劣化は早まります。

そのため、いざという時のために保険に加入しておくことがおすすめです。

一般的には、家を購入する際に住宅ローンと一緒に火災保険に入ります。

災害の被害に合った時は、修繕費用が高額になっても安心できるというものです。

ついでに、保険金でリフォームができてしまうこともあります。

大がかりなリフォームをする

メンテナンスを定期的に行なっていても、経年変化による劣化は避けられません。

その際には、思い切ってリフォームを行うことで、快適な生活を送られるのと同時に、家の寿命を伸ばすことにも繋がります。

例えば、家に高齢者が居るならバリアフリーにしたり、床暖房をつけたりなど生活する上で楽に過ごせるようになります。

また、リフォームは大がかりなメンテナンスと捉えられるというもの。

リフォームをして家の寿命が伸びることで、住人も安心した老後を送れるため、ずっと住みたい住宅であれば将来的にリフォームは検討しておくと良いでしょう。

自分でも劣化を確認する

日々の掃除で家をチェックすることは意識して、さらに自分でも劣化を確認できる方法を紹介していきます。

クジラ先生
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こざかな生徒
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役に立ちます!

自分でも劣化を確認する

屋根や外壁

家の腐敗に繋がる雨漏れは早めに気付けると良いです。そのためには、屋根や外壁のチェックをします。

屋根のチェック方法は、ベランダや1階からでも目視で出来ます。

屋根は釘で打って固定していますが、温度差によって釘が出てきてしまうことがあり、その隙間から雨が入って雨漏れになるので注意が必要です。

また、屋根のズレがある所を見つけたら、メンテナンスをする合図になるので、業者に早めに依頼しておきましょう。

外壁のチェック方法は、窓やドアの周りにひびや隙間がないかよく見てください。

人気のあるサイディング壁だと、劣化によってひび割れが起きやすいため、雨漏れの原因になるので、細かく見ておくようにしましょう。

基礎

基礎とは、地面と家の間を支えている下のコンクリート部分のことを言います。

この基礎が、外から目視した時にひびが入っていないか確認します。

コンクリートは年数が経つと、ひびが入るものなので、1mm位の小さいものなら気にすることはないです。

とはいえ、2mm以上のひびに関しては、基礎の中が錆びている可能性があるので、劣化していると考えられます。

また、基礎の色が濃くなっている所も注意してください。

排水管などの水漏れや湿気が原因で湿っている可能性があります。

雨が降った後などは別として、晴れの日でも基礎が濡れているような所があったら、調査をして貰いましょう。

床下や屋根裏

普通に過ごしていたら見えない箇所の床下や屋根裏ですが、簡単にチェックする方法があります。

床下の場合、点検口や床下収納からチェックができます。しかし、奥まで侵入してしまうと怪我をする恐れがあるので、無理のない程度で確認してください。

屋根裏の場合は、クローゼットや押し入れの上を確認します。

カビの臭いがしたり、雨漏れがあったりしたら、きちんと調べる必要があります。

結露や水漏れに早く気づけることで、家の寿命を伸ばすことができるでしょう。

タイル

お風呂がタイルの場合は、劣化のチェックがしやすいです。

タイルの部分にひびが入っていたら、そこから水が入り込み床下の方へ伝って土台を腐食させている可能性があります。

また、脱衣所付近の床が柔らかい状態になっている場合は、水漏れの危険性があるので注意しましょう。

庭や家の周り

住宅の庭にウッドデッキなどあるなら、シロアリの被害に合っていないか確認します。

地面にと直接建っている木はシロアリが食べやすい状態なので、そのまま床下へ入って行く恐れがあります。

家の周辺にも使用していない木材をそのまま置くは、避けた方が良いです。

防蟻処理をする

木造住宅の場合は、特にシロアリの予防策を行うことが重要です。

日本は湿気が多いのでシロアリが繁殖しやすい環境です。

そのため、シロアリ対策の「防蟻(ぼうぎ)」を最低でも10年に1回は行うようにしてください。

処理の方法はこちらです。

  • ベイト工法:家の下部にある基礎などにシロアリの好物の餌が入った薬を撒いて、巣に運んで全体に駆除する
  • 土壌処理:シロアリが入って来る所に薬剤を撒いて防蟻する
  • 木材処理:木に薬剤を塗って加工する方法だが、基礎から行なう必要があるので、メンテナンスの処理としては困難

家の築年数ごとに行うメンテナンスとかかる費用

家の寿命を伸ばすために劣化が目立つ前に、いつのタイミングでメンテナンスを行うのが最適なのか悩むことでしょう。

一般的にはメンテナンスは5年に1度、大がかりなリフォームは30年に1度と言われています。

また、マンションと比較すると戸建てのメンテナンス費用は、忘れがちになってしまいます。

マンションは修繕積立金がありますが、戸建ては持ち主が費用を準備しておかなくてはいけません。

メンテナンス費用は意外と費用がかかるので、マンションと同様に毎月貯めておくのが理想的です。

いつメンテナンスが必要になって、どのくらいの費用を準備しておくのが良いのか把握しておくのが大切になります。

メンテナンスのタイミングですが、耐用性と耐久性を目安に考えると良いです。

「耐用性」とは使用しやすい状態のことで、経年変化で使いにくくなる時期がポイントになります。使用しにくい状態になり、使えなくなるまでの年数を「耐用年数」と言います。

耐用年数は国が定めた減価償却の年数です。

「耐久性」は見た目に変化がなくても機能しなくなったことで、この期間を「耐久年数」言います。メーカーの使用判断で特に問題がないとされている期間が耐久年数です。

設備などによって耐用年数や耐久年数は違ってきますが、それぞれ木造住宅の築年数に合わせてメンテナンスが必要になる箇所と費用を考えていきましょう。

築5〜10年は汚れや破損が気になる

築10年くらい経ってくると内外装の汚れや破損が目に見えてきます。

外装はベランダや壁の塗装が剥がれたり、内装はフローリングなどの床の傷などが増えたりします。

破損などをそのままにしてしまうと、ひびが入って劣化が早まる原因に。

家の汚れが目立ってきたら、そろそろメンテナンスの時期と認識しておくのが良いでしょう。

また、給湯器など設備の故障、浴室や窓付近の水廻りの腐敗もチェックしておきます。

この頃にかかるメンテナンスの費用の目安はこちらです。

一部の破損など補修5万円
床の補修やクリーニング5万円

築10〜15年は耐用年数に差しかかる

築10年を超えると水廻りの設備の耐用年数に到達してきます。

湿気が多いバスルームは特に傷みやすい場所で、浴室の設備を取り替えた方が良い時期です。

この時に水廻りのメンテナンスをしっかり行なっていないと、土台が腐っていき家の寿命が縮まってしまう原因になります。さらに、全体の床のへこみや、クロスの汚れ、窓の結露で傷みが目立ってきます。

また、外壁に関しては、塗装の剥がれに対して再補強する時期です。

メーカーが外壁の塗り替えを10年として保証してくれているケースがあります。

大体の外壁は「サイディング壁」になっていて、ひび割れしやすいため、雨漏れにならないように壁にコーティングして耐久性を高めておくと良いです。

屋根の雨漏れに関しても、この位の時期にメンテナンスを行なっておかないといけません。

屋根の造りによって異なりますが、塗装をして補強しておきましょう。

足場を組んだ作業は、費用が数十万円になってくるので、外壁をメンテナンスするなら一緒にやっておいた方が良いです。

一部の破損など補修5万円
床の張り替えや補修5万円
足場代30万円
外壁の塗装60万円〜
屋根の塗装60万円〜
壁紙の張り替え1万円/㎡

築15〜20年は見えない部分が腐敗する

内外装の目に見える劣化は、これまでメンテナンスをしてきたとしても、築20年位になってくると見えない部分が劣化しています。

例えば、家の下にある土台の腐食や、排水管の水漏れ、換気口などの部分です。

土台が腐っていると耐震性が低くなるので、改修工事が必要になる場合もあります。

また、バスルームや洗面台付近も劣化して不具合がおきやすい状態です。

常に水漏れをチェックしておいて、新しいものにするなら業者に聞いておくのも良いでしょう。

基礎など補修5万円
床の張り替えや補修30万円
浴槽の交換80万円
洗面台の交換10万円

築20〜30年は大がかりなリフォームを検討する

築30年位になってくると、全体的な家の構造を調べ直した方が良いです。

家の劣化も進みますがシニア生活のために、より暮らしやすい間取りにフルリフォームを考えてみるのもおすすめです。

例えば、寝室からトイレを近くするなど、身体の負担を少なくするための家の間取りを徹底的に検討する時期になるでしょう。

将来的のことを考えてバリアフリーにしておくのが最も良いと言えます。

また、屋根や外壁は塗り替えではなく、張り替えをするタイミングになります。

昔ながらの瓦の屋根は、耐用年数が100年近くありますが、崩れてくる恐れがあるので、メンテナンスは行なっておいた方が良いです。

水廻りの設備に関しては、ほとんどが耐用年数に達してきているので、シャワーが出にくくなったり、トイレの水漏れがあったりなど全体的に交換が必要になるでしょう。

一部の破損など補修5万円
床の張り替えや補修5万円
足場代30万円
外壁の張り替え30万〜200万円
屋根の張り替え100万〜200万円
壁紙の張り替え1万円/㎡
トイレ交換20万円
給湯器交換30万〜50万円
バリアフリー100万円

メンテナンス費用を抑えるポイント

メンテナンス費用を抑えるポイント

築年数ごとにメンテナンス費用は高額になってくるというもの。

費用を削減するには、小さなひびなどが劣化の進行を早める前に、対処しておくのがポイントです。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

なるほどです!

例えば、外壁の一部分が剥がれて膨らんでいたら、直ぐに業者に調査して貰って補修をします。

外壁の破損をそのままにしておくと、雨が降った時に水が内部の方まで入ってきて腐食し、全部の外壁を張り替える作業をしなくてはいけないので高額な費用がかかるでしょう。

また、耐用年数に合わせて行うだけではなく、今後メンテナンスが必要になる箇所を取り上げておくと良いです。

メンテナンスをまとめて行なった方が、費用を削減できる可能性があります。

前述した足場にかかる費用は25坪10万円弱で、屋根の高さまでだとプラス2万円になります。

毎回メンテナンス時に足場の費用がかかるのなら、屋根や外壁のメンテナンスは一気に行うことで費用を抑えられるでしょう。

寿命が近づいている住宅はどうする?

家の寿命を伸ばすためにメンテナンスや様々な対策をしても、寿命はやって来るものです。

家の修繕箇所がどんどん増えていると感じているなら、家を建て替えるか、全面リフォームを行うのがベストです。

建て替えは、家を全て解体して基礎から建て直すことを言います。

全面リフォームは、家の柱など残したまま構造は変えずに改修工事を行うことを言います。

2つのメリット・デメリットを紹介するので、選択に悩んだら参考にしてください。

建て替えをする

築30年を超えたら大がかりなリフォームが必要になりますが、かなり高額な費用になるので、リフォームより建て替えを考える人はいます。

建て替えのメリットを先に紹介していきます。

メリット

  • 構造を気にせず間取りを自由に変更できる
  • 最新の設備などを設置できるので、機能面で優れた家になる
  • 耐震性が上がり家の強度も上がる
  • 時代に合った生活ができる

デメリット

  • リフォームより工事に時間がかかる
  • 建て替えの間は引っ越しする必要がある
  • これまで住んでいた家の取り壊し費用がかかる
  • 条件によって建て替えができないケースもある
  • 不動産所得税や固定資産税など税金がかかる

建て替えをした方が良いのは、シロアリの被害を受けていたり、間取りが変更しにくい構造だったりした場合です。

また、旧耐震基準の家なら耐震性を考えて建て替えをした方が良いでしょう。

内容によって異なりますが、建て替えの期間は大体6ヶ月かかり、費用は1,000〜3,000万円程かかると見込んでおきます。

全面リフォームをする

リフォームは解体する必要がないので建て替えより工事期間が短く、今まで住んでいた愛着のある家で生活ができるため、全面リフォームを選ぶ方もいます。

メリット

  • 工事中に引っ越しをしなくて済む場合もある
  • リフォームの方が建て替えより費用が抑えられることもある
  • 建て替えより工事の期間が短く済む
  • 建て替えより税金を抑えられる

デメリット

  • 構造は変わらないので、間取りを変えられない
  • 基礎の補強を行う際には、費用が高くなる場合がある

全面的に行うリフォームは「スケルトンリフォーム」とも言って、構造をそのまま残して取り壊します。構造が変わらないので家の広さや間取りは一緒となり、建て替えより限られてしまうでしょう。

工事期間には、仮住まいするための引っ越しが不要になることもあるので、全体的にコストを抑えられます。

建て替えと一緒で新築のようになりますが、基礎や構造の修繕が必要な場合は、工事費用が高くなる恐れがあります。

内容によって異なりますが、全面リフォームの工事期間は大体1ヶ月で、費用は500〜1,500万円です。

リフォームを成功させるための鉄則

家の寿命が近づいたとしても、新築並みに蘇るリフォーム。このリフォームを成功させるための鉄則を紹介します。

工事はまとめて行う

複数の箇所を少しずつリフォームするのではなく、まとめて工事を行うことで費用も抑えられます。そのため、全面リフォームは最もおすすめの方法です。

中古住宅で購入した場合は、まとめてリフォームすることを将来的に考えておくと良いでしょう。

将来まで考える

リフォームを検討する時、ほとんどの人は現在の不具合だけに注目してしまいます。

しかし、10年、20年と先のことも考えてリフォームすることが、何度も工事をする必要もなく、快適な暮らしを続けられるというものです。

優先順位をつけておく

リフォームの予算は決まっていることが多いと思うので、予め修繕する箇所の優先順位をつけておくことをおすすめします。

例えば、耐震補強や断熱などは優先させておきたいポイントです。

その他にも、細かく設備や機能は何を設置するか決めておくと良いでしょう。

補助金制度を利用する

リフォームは高額になるため、国からの補助金が出るなら是非とも利用しておきたいもの。

例えば、リフォームをして耐震性を上げた家には「長期優良リフォーム」という補助金が受けられる制度があります。

他にも、劣化対策や断熱性など、住宅の寿命を伸ばす工事が補助金の対象になっており、リフォーム費用の3分の1が補助される制度になります。

最大100万円で、内容によって200万円受けられるので、リフォームを検討しているなら申請しましょう。

また、国からの補助金だけではなく、各自治体の補助金もあるので、「一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会」から検索してみてください。

売却する時の注意点

寿命が近くなっている家を、建て替えや全面リフォームせずに売却を検討した場合、スムーズに売れるのか不安に思う人は少なくないでしょう。

実際、中古住宅の3割は築20年以上経っていても購入されています。

中古住宅が高く売れるように、いくつか注意点があるので確認しておきましょう。

ローンは完済してから売却する

物件の売却は、住宅ローンの完済が必須条件

中古住宅を売るには、抵当権が抹消されていないと売却できないため、ローンを完済することが必須になります。

抵当権とは、金融機関が融資をする際に家を担保とする権利のことです。

そのため、ローンが残っている状態だと家を売却できないのです。

ローンの残債より家を高く売却すれば完済できますが、高く売れない場合はローンが残ったままの状態です。

この場合、無担保ローンに変更しておくことが必要になります。

リフォームはしない

中古住宅を売却する時、リフォームを行なった方が高値で売れると考える人が多くいますが、実際はリフォーム費用を上乗せした金額で売却できない可能性があるのです。

リフォーム費用をプラスすると、中古住宅の売却額が高くなってしまうので、買主が見つかりにくい状態になってしまうもの。

とはいえ、築20年以上も経っている中古住宅は、劣化している箇所も多くあるので、必要な所は補修するようにします。

補修などは不動産業者に相談

最低限、補修する箇所は不動産業者に相談してから行うようにすると良いでしょう。

自分で勝手に工事をしてしまうのは避けた方が良いです。

買主の中には、中古住宅を購入してすぐにリフォームをする人もいるからです。

その場合、工事費用が無駄になってしまうので、不動産会社にしっかりアドバイスを貰ってから、補修するようにしましょう。

まとめ

日本の木造住宅の場合、実は寿命が80年もあることが分かりました。

家の寿命を伸ばすためにも、日頃から掃除を行いメンテナンスすることが重要です。

ちなみに、寿命が長いと言われる注文住宅ですが、実際は建売住宅と変わらないのです。

また、木造住宅の国の定めた耐用年数は22年なので、寿命が短く感じますが実は関係なく、災害など様々な原因からでした。

築年数によってメンテナンスする箇所は異なりますが、年数が経つことによって費用も高額になるため、将来的には建て替えるか、リフォームを検討しておきましょう。

メンテナンスは家の寿命を伸ばしてくれるものです。

家を大切にすれば、その分長く住めるので気になる所があったら直ぐに業者へ相談して、快適な生活を送りましょう。

この記事の監修・執筆者

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

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