一戸建ての賃貸は儲かる?自宅を貸し出すメリットと費用内訳を徹底解説

一戸建ての賃貸は儲かる?自宅を貸し出すメリットと費用内訳を徹底解説

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昨今、土地活用として見直されているのが、一戸建ての賃貸です。

かつては非効率的な土地活用法としての位置づけでしたが、多額のローンを抱えない賃貸ニーズの高まりと多様化によって、戸建て賃貸の入居希望者が増えています。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

そうなんですね!

このような中で、戸建て賃貸については供給がまだまだ少ないのに対して、ニーズが高いというのが現状です。すでに土地を持っている方や、いま使用していない空き家がある方など、土地の運用をどのようにすれば良いか分からない方には、戸建て賃貸経営はおすすめの活用方法です。

これからご自宅を貸し出そうと検討されている方にとっては、競合が少なく、安定した賃貸経営が実現する可能性が十分にあります。

戸建て賃貸オーナーになるには、その賃貸物件に長期入居者を取り込むことが重要で、そのために必要なことがたくさんあります。

ご自宅を貸し出すメリットはたくさんあります。そして、初期費用や維持管理費などコストを最大限に抑えることで、安定した収益を得ることができます。ここでは、一戸建ての賃貸に関するメリットや費用の内訳などを見ていきたいと思います。

目次

一戸建ての賃貸経営のメリットとは

競合が少なく、賃貸経営が安定できる

メリットがある一方でリスクも存在します

戸建て賃貸の最大のメリットが、競合が少ないということです。戸建て賃貸は、儲からないとされてきた理由に、その土地に1戸しか建てられず、入居が一世帯なのに比べて、アパートやマンションならば複数戸の住居に入居者が入ります。

例えば、108㎡の建物の場合、戸建て賃貸の場合は1戸ですが、アパートならば最大ワンルームで6戸の住戸を作れます。賃料月額5万円としたら、6戸で総額30万円となります。

しかし、戸建て賃貸の場合は、賃料が15万円としたら月総額は15万円のままです。このように、理論上は、アパートやマンション経営の方が戸建て賃貸よりも投資効率が高いとされ、不動産投資を検討している方の多くはアパート経営を選択してきました。

しかし、ライフスタイルの多様化に伴い、戸建て購入よりも戸建て賃貸のニーズは多様化してきて、背伸びせず生活を楽しみたい人が増え、戸建てを借りたいといった需要が高まっています。

近隣への生活音や騒音を気にすることなく、庭があり、ペットも気軽に飼えるなど、アパートやマンションでは味わえない魅力がたくさんあります。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

とても魅力的ですね!!

現在では、戸建て賃貸のニーズが高いのにもかかわらず、供給が極端に少ないといった現象が起きています。競合が少ないため、安定した賃貸経営ができるのが現状です。

入居期間が長く、安定収入を確保できる

戸建て賃貸の設計から、入居者はファミリー層に多く、一度入居されたら比較的長期間住むといった傾向があります。お子さんがある程度大きくなるまでは引っ越さない世帯も多いのが特徴です。居住年数が比較的短いアパートに比べると、戸建て賃貸は長く住む傾向にあるので、空き室が発生する心配が必要がありません。

常に住んでいる状態であることから、安定した家賃収入を得られます。さらに、入居者の退去に伴うクロスや床の貼り替え頻度が減り、修繕などにかかる諸費用を抑えることができます。

空き室による入居者の募集をかける仲介手数料も発生しないので、退去に伴う出費を抑えられます。このように、長く住んでもらえることが高い収益性に繋がります。

気に入ったら売却されやすい

戸建て賃貸は、入居者が長く住み続けることで、慣れ親しみ、気に入ってくれることでそのまま売却につながることもあります。

実際に住んでいる入居者によって購入されるのは、メリットが多く、売れたお金で築年数の新しい別物件を購入することも可能です。

一方、アパートではなかなか売れるといった事態にはならず、経年劣化によって空き室が増え、売りたくても売れない状態に陥ります。古くなってしまったら、場合によっては、入居者の立ち退きをお願いし、新しく建て替えを行わないといけなくなります。

たとえ、売却に至らずに退去されたら、次の入居希望者に貸すだけなのでアパートのような心配は要りません。貸しても良いし、売却しても良いしといった出口戦略が残っているというメリットがあります。

立地に影響されない賃貸経営が可能

戸建て賃貸経営は、アパート経営に比べて、駅からの距離や物件付近の施設は重要視されることがなく、駐車場さえあれば駅から少し離れていたとしてもファミリー層を取り込むことが可能です。

アパート経営では、土地面積がある程度必要になることと、日当たりなどが大切ですが、戸建て賃貸経営ではその土地の状態に合わせた設計で建築できます。このように、戸建て賃貸経営は立地に影響されないのが大きなメリットです。

初期費用を抑えられる

一般的に賃貸経営においての初期費用は、物件所得価格のおよそ10%ほどが必要とされています。戸建賃貸経営では、物件の規模が小さいので初期費用を半分ほどの費用で建てることが可能です。また、借入金が少なく、返済負担がないので、金利上昇による返済額増加のリスクが低いとされています。

このように、初期費用を抑えながら安定した収益を得られるので、戸建賃貸経営は土地活用にもおすすめの方法です。

管理の手間がかからない

戸建て賃貸経営の場合、物件管理の手間がほとんどかかりません。入居者自身で行ってくれることもあり、日常的に管理を行う必要がありません。

一方、一棟アパートやマンションの場合、共用部分の管理はオーナーが行います。管理の頻度や手間が多いため、管理費用を払って管理会社に委託することが一般的です。

ほとんど管理の手間がかからない戸建て賃貸は、管理費用を大幅に節約することができます。

所得税・固定資産税の節税になる

所有している土地に、戸建て物件を新築することで貸付建物地や小規模住宅用地として評価を受けられます。土地の評価額を下げることができ、固定資産税や都市計画税などを抑えることができます。

更地に比べて、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3まで節税が可能です。

さらに、建築費用を減価償却費として計上できるので、新築して数年は利益を大幅に圧縮して所得税を節税することもできます。

更地に比べて相続税を減額できる

戸建て賃貸にすることで、その土地が貸家建付地として評価を受け、相続税評価額をおよそ20%ほど減額することができます。

200㎡以下では、小規模宅地など特例を利用できるため、相続税評価額を50%減額することが可能です。

また、新築の場合は、ローンを組むと債務控除を受けられ、相続税評価額をさらに下げることができます。

このように、戸建て賃貸経営はアパマン経営よりも低コストで相続税対策が可能になります。

土地さえあれば戸建て賃貸経営できる

戸建て賃貸経営は、空いた土地があれば戸建て物件を新築し、運用するケースが多く見られます。

一戸建ての賃貸というと、築年数のある空き家をリフォームして行うイメージが強く持たれますが、実はリフォームやリノベーションは新築よりもローン条件が良くなく、初期費用の負担が大きいとされています。

したがって、土地にすでに物件を所有している場合でも、新築物件に建て替える人も多くいます。このように、戸建て賃貸物件は、新築を行い初期費用をかけてでも、その分以上の収益を上げることができます。

入居希望者にとっても、新築物件は人気で、戸建てに住んでみたい方や設備が整っていたり、清潔感があることから人気物件となりやすいのでおすすめです。

昨今のハウスメーカーでも、初期費用を抑えた戸建て賃貸経営プランなども充実しているため、新築を行っても十分な利回りを得ることが可能です。新築物件の人気の高さからも、土地さえあれば更地から十分安定した収益を得られる土地活用方法とされています。

自宅を賃し出すメリットとは

自宅を賃し出すメリット

家賃収入の確保

自宅を賃貸物件として活用する大きなメリットは、家賃収入が得られることです。

本職が別にある場合は、この家賃収入は権利収入でもあり、不労所得が収入に加わるので経済的に大きなメリットとなります。

自宅の現状と賃料によっては、大きいな収益となります。

とくに、転勤などで家を一定期間空けるなどの状況下では、留守の間に誰かに貸して住んでもらうことは、ローン返済などがある場合はなおさら有効的な活用方法と言えるでしょう。自宅を貸し出して、家賃収入が定期的に入ることは非常に大きなメリットです。

資産を手放さなくて済む

戸建て物件は、不動産という資産です。

現在住んでいない自宅を賃貸物件として運用することで、その資産を手放さずに済みます。使いみちのない自宅を誰かに住んでもらうことはメリットが多く、入居者に生活しながら管理してもらえるので、放置するよりよほど物件を維持する上でおすすめです。

不動産は大きな資産なので、手放すのが惜しい場合は、自宅賃貸を行うと良いでしょう。

貸しながら不動産を手放さずに済み、もし退去した場合は将来的にご自身で住むことが可能です。また、資産を価値のある資産として維持するためにも、空き家として放置するよりは、誰かに住んでもらうことは非常に有効です。

自宅を賃貸に出すことで低コストで賃貸経営が可能

使う予定がない自宅や親の住まいだった物件を賃貸に出すことは、賃貸用に新たな物件を購入しなくても、低コストで賃貸経営を始めることができます。

また、まだ住宅ローンの返済が残っていたり、固定資産税が必要な住宅の場合、賃貸経営にシフトすることで、入居者による家賃収入でローン返済が可能になり、さらに収益が得られるようになります。

自宅を賃貸に出すには、メリットやデメリットがあるので両方知っておく必要があります。住み慣れた自宅を賃貸にするという、不動産活用の上手な方法を確認しておきましょう。

かかった費用を経費で計上できる

自宅を賃貸物件にすることで、これまでその物件にかかっていた各種費用を必要経費として計上することが可能です。具体的には、

  • 物件の設備管理費(修繕費・部屋のクリーニング代・リフォーム代・損害保険料など)
  • 固定資産税・都市計画税・登録免許税・不動産取得税など(不動産所有に対する税金)
  • 住宅ローンの利息
  • 業務委託費
  • 減価償却費
  • 青色申告控除

などです。

以上の費用を必要経費として計上することで、税控除が受けられます。

賃貸管理や修繕費用も経費として計上でき、税金の支払いを大幅に抑えられるメリットがあります。新築であれば、所得税・固定資産税の節税にもなります。

固定資産税などの税負担を軽減したい方には、戸建て賃貸経営はおすすめの土地活用方法です。

転勤による自宅賃貸におけるメリットとは

急な海外赴任や転勤によって、現在住んでいる家を空ける必要がある場合、売却するといった方法もありますが、一時的な転勤や資産を手放したくないといった方も多く、その場合戸建て物件を賃貸にして誰かに住んでもらうという方法も選択肢の1つとしてあります。

また、転勤のなかでも、1年未満の短期出張の場合賃貸には不向きです。

短期間で家を空けなければならない物件は需要も低く、不動産価値も低く評価されます。転勤から3年~5年以内に戻る予定が分かっている場合、売却の選択肢もありますが、賃貸需要が高いことから賃貸がおすすめです。長期出張で、いつ戻れるか不明な場合は売却が適しているとされています。

転勤をきっかけとして、戸建てを賃貸にするメリットは以下の通りです。

住んでいない間も家賃収入を得られる

空き家のままにしていればなにも収益は発生しませんが、誰かに貸すことで定期的・継続的な家賃収入を得ることができます。

購入したばかりの物件で、ローン返済がまだある場合でも、家賃収入をローン返済に回せるメリットがあります。

ローン返済に回しても余るように価格設定することで、余りを貯蓄できます。ダイレクトで賃貸経営を行うこともできますが、管理会社を利用することで、物件維持管理の労力をかけずに家賃収入を得られます。これこそ不労所得として収入を確保できます。

家(資産)を手放さなくても良い

戸建ての家は、不動産と呼ばれる資産です。使わない家を誰かに貸すことで、資産を手放さなくても良くなります。

長期にわたって入居してもらうことで、継続的な収入が得らえるといったメリットがあります。

設定した家賃は変動しないので、入居し続けてる限り安定した収入を確保することができます。また、親世代が住んでいた家などは、思い出がたくさん詰まっている場合もあります。大切に残しておきたい思い出として、売り出すのに抵抗がある場合も、賃貸経営はおすすめの方法です。

今後戻ることができる

空き家とはいえ、頑張って購入したマイホームだったり、生まれ育たった家だったりする場合、手放すのに抵抗を抱く人も多いでしょう。今は使わない家を誰かに使ってもらうことで、今すぐ手放すという選択をしなくても済みます。

戸建てを貸している間は、家賃収入を得ながら家を所有し続けることが可能で、また今後いずれかのときに自分が戻ることが可能です。

大切な資産を手放さずに、維持できるというメリットがあります。

家の劣化を防げる

長期間空き家にしておくと、汚れやカビ、傷みが早く進んでしまいます。

使わない空き家がある場合は、誰かに住んでもらうことで、掃除やメンテナンス、換気を住居者が行ってくれるので家をきれいに維持し続けることが可能になります。

物件が老朽化が進むと固定資産税もかかってしまう負の資産となってしまいます。資産を価値ある資産として維持できる大きなメリットがあります。さらに、不審者の侵入や不法投棄、放火などの迷惑行為や犯罪被害に遭うリスクを回避できるのも大きな利点です。

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転勤における賃貸経営の注意点とは

契約は「定期借家契約」で

転勤に際する賃貸経営の場合、いつかは戻るため契約期間で退去してもらう必要があるため、まずは「定期借家契約」で家を貸すことが重要です。

「定期借家契約」の場合、契約更新はありません。契約終了とともに退去してもらえます。

通常、賃貸マンションや賃貸アパート契約のほとんどが、「普通借家契約」で貸しますが、この「普通借家契約」は強力に入居者が保護されるために、よほど「正当な事由」がない限り、退去してもらえず契約が更新されます。

「普通借家契約」において、オーナーが戻ったので退去してほしいという事由として認められません。

ローンがある場合は転勤期間の賃貸を相談

転勤中に家を貸した場合の住宅ローン排除

物件購入時に住宅ローンを利用し、いまもローン返済を行っている場合、転勤の間の賃貸経営の旨を伝えて相談することが大切です。

住宅ローンを借りる場合、基本的にその物件に住む人のために貸すため、通常の借り入れよりも金利を低くするなど優遇されていますが、無断で賃貸経営となると銀行との規約違反となるため、金利が上がる場合があります。

よって、転勤で一定期間家を空けること、物件を賃貸経営する旨を予め相談しておくことで、金利そのままの住宅ローン返済を認めてもらえるとされています。

戸建て賃貸にかかる費用の内訳

賃貸経営において、家賃収入を得るまでにはさまざまな初期費用がかかります。戸建て賃貸経営を行う場合にかかる費用は以下の通りです。

初期費用

今ある物件をリフォームやリノベーションをする場合は、メンテナンス費用が必要です。

また、新築する場合はそれに伴う費用とローン融資を受ける場合が多いとされています。

それ以外では、設備完備費用、室内の畳やふすま、壁紙などの貼り替えで内装を整えていきます。

外装、内装をきれいに整えておかないと、市場では不利になってしまい入居者確保が難しくなってしまうので、初期費用はある程度確保しておく必要があります。

新築建設費用として、立地にもよりますが2棟1セットで提案している会社が一般的で、本体工事費が1棟あたりおよそ800万円が相場です。
2棟だと1700万~1800万円ほど必要になってきます。

戸建て賃貸物件は建築コストが低く設けられていて、投資の利回りが高いことから金融機関は積極的にお金を貸してくれるので、新築建築のけるローンは借りやすいとされています。


自己資金としては、本体工事費用のおよそ5~10%の頭金及び諸費用が必要で、だいたい100~200万円は用意が必要です。借りる銀行の条件や担保力、借入状況によってそれぞれ異なるため、自己資金に必要な費用については相談すると良いですね。

戸建て賃貸経営の初期費用項目

費用項目概要
建築費用賃貸物件の建築費用。委託先やデザイン、間取りによって費用が異なる。
修繕費用中古戸建のリフォーム費用
保険料火災保険・自身保険・総合住宅保険など・長期一括支払いの方が安価に抑えられる。
ローン手数料ローンを借りる際に発生する保証料や事務手数料

管理費用

設備管理を管理会社などの業者に頼む場合は、管理料として賃料の5~10%を支払います。管理会社に委託すれば、入居者募集から設備の不具合まで請け負ってくれるので大変便利です。そのなかには、入居者のクレーム対応も含まれているほか、退去後の部屋の修繕やリフォームなどを行います。しかし、戸建て賃貸は、マンションやアパートのようなエレベーターなどの共有スペースがないので、維持管理費がほとんどかかりません。掃除やメンテナンスも入居者が自主的に行うので、日常的にかかる費用はありません。

ローン支払い

入居者が居る間は、家賃収入が安定して入ってきますが、空き家になった途端に収入が0になってしまいます。
住宅ローンの支払いがあって、入居者の家賃収入を当て込んでいる場合は、ローンの支払いが重くのしかかってきます。

ローンの支払額と、家賃収入による収益のバランスをよく検討し、収益を貯蓄に回せるようにすることが重要です。

戸建て建築業者をしっかりと検討

戸建物件の建築業者はたくさんあるため、しっかりと検討する必要があります。それぞれで建築費用などのプランに売りがあるので、比較検討し、ご自身に見合った業者を選択することが大切です。

複数の業者から建築費用の見積もりプランを取り寄せて、相場と適正価格を把握しながら建築コストを抑えていきます。

自宅を貸し出す際にかかる費用・税金とは

自宅を貸し出す際にかかる税金

自宅を貸し出した際は、家賃収入にかかる税金が発生します。
家を貸すと、国税である所得税、復興特別所得税、地方税である住民税の3つが発生してきます。この3つのは納税義務者の個人であればすでに支払っています。したがって、家を貸すことで税金が増額されるといったイメージが近いです。

家賃収入にかかる税金は、「不動産所得」として確定申告していきます。1年間に得た家賃収入から必要経費を差し引いた額がプラスとなる場合に税金がかかってきます。

家賃だけではなく、いろいろなものが不動産所得になります。それぞれの収入合計から必要経費を差し引いた額に、所得税と住民税が課税されていきます。また、住民税は所得額の10%とされ、収入が多いほど税負担が大きくなります。

不動産所得の計算式

不動産所得=収入金額-必要経費

※収入金額は、家を貸したときに入ってくる家賃収入を指します。

不動産所得として計上できるのは、以下の通りです。

  • 家賃
  • 更新料
  • 礼金
  • 管理費
  • 駐車場代
  • 携帯電話などアンテナ基地の設置費用
  • 自動販売機設置による収入

家を貸して発生する所得税の税率は以下のように変動します。

所得税の税率

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%9.75万円
330万円超695万円以下20%42.75万円
695万円超900万円以下23%63.6万円
900万円超1,800万円以下33%153.6万円
1,800万円超4,000万円以下40%279.6万円
4,000万円超45%479.6万円

出典:国税庁 No.2260 所得税の税率

※所得税に付随される復興特別所得税は、所得金額にかかわらず一律2.1%課税です。また、住民税の所得は大きさに関わらず一律10%の税率です。

住民税の税率

区分税率
市区町村住民税6%
都道府県税4%
合計10%

戸建て賃貸で発生する不動産所得

戸建て賃貸で発生する不動産所得の算出は、総合課税方式で行います。

総合課税方式とは
それぞれの所得を合計して、全体の所得に累進課税率をかけて税額を出していきます。

総合課税方式の計算

一般的なサラリーマンが家を貸す場合は以下の通りです。

課税金額=総所得金額(給与所得+不動産所得)×税率

給与所得が700万円の場合、給与所得に不動産所得の100万円が追加されるので所得合計が800万円です。所得税の税率は23%で、この場合、800万円の不動産所得に対して23%の税率がかかっています。

税率の変わり目

不動産所得額が同じでも、給与額・所得金額によって税率が変わってきます。不動産所得額以外にも所得金額にも気を付けてみてください。とくに、所得額が900万円を超えると、税率が23%から一気に33%に増加しています。

戸建て賃貸で得る収益はさほど大きくなありませんが、税率の変わり目程度の所得がある方は、賃貸経営のほかにも売却などの選択肢を検討してみるのも一つです。

戸建て賃貸で発生する費用・税金のシュミレーション

収入金額が年間合計850万円の場合

家賃120万円
共益費・管理費20万円
礼金10万円
給与所得700万円
固定資産税・都市計画税5万円
修繕費10万円
減価償却費10万円
管理費用5万円
住宅ローンの利息10万円
損害保険料2万円

合計42万円

収入850万円
必要経費-42万円
所得金額808万円

合計 808万円

最後に所得税の税率(23%)と、住民税の税率(10%)を不動産所得にかけると税金額が算出されます。

所得(808万円)×税率(33%)=266.6万円

戸建て賃貸における安定収益につなげるためのコスト削減について

さまざまな土地活用における収益の安定性について以下の通り、比較してみます。

収益の安定性・収入の大きさ・初期費用・維持管理費用の比較

収益の安定性収益の大きさ初期費用維持管理費
戸建賃貸経営
駐車場経営×
アパート経営××
トランクルーム経営×
コインランドリー経営

有効な土地活用として注目を浴びている戸建て賃貸経営ですが、成功して儲かるために以下のポイントを抑えておきましょう。

戸建て賃貸における安定収益につなげるためのコスト削減

まずは、

  • 初期費用をかけすぎないこと
  • 信用できる管理会社に依頼すること
  • 間取りをシンプルにすること

です。

戸建て賃貸経営では、初期費用をかけすぎてしまうと、投資回収が非常に遅く、せっかく安定性のある収益を存分に生かすことができません。

また、物件を建築する際には、初期費用を抑えるために坪単価が安いハウスメーカーに依頼することをおすすめしています。
職人さんが一から質の高い作業を行う工務店は魅力的ですが、非常に高価となります。一方でハウスメーカーは、工場で作られた部品を組み立てるため初期費用を抑えるには最適です。

建築費を安く抑えるならば、ハウスメーカーが良いでしょう。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

なるほど!

注意しなけらばいけないのは、建築費用を抑えすぎることで物件の魅力が半減してしまうことです。入居希望者を取り込めるように、物件のデザインや内装、設計などはよく相談しながら進めてください。

戸建て賃貸経営におけるコスト削減には、修繕費用を抑えることも大切です。

退去時の修繕コストは非常に高く、これをなくすには長期入居をしてもらい、入居者の入れ替えを少なくすることにあります。そのためにも、定期的なメンテナンスや清掃管理を丁寧に行う管理会社が必要です。このように、賃貸経営を成功させるには、信頼できる管理会社とパートナーシップを取ることが必須です。

そして、長期的に入居してもらうことが一番の安定収益につながるため、あまり内装にこだわらず、シンプルな間取りで暮らしやすさを求めて設計することが大切です。

ファミリー層ならば、お子さんたちが過ごしやすいように、ご高齢の方ならば動きやすいような間取りを工夫していきます。すでにある中古物件でも、リフォームの際にこの点に注意しながら、シンプルで動線の取りやすい間取りがおすすめです。

まとめ

以上、戸建て賃貸経営について見てきました。

土地活用方法のひとつとして、一戸建ての賃貸経営は、収益の安定性に優れ、利回りも高く、物件管理維持費を低く抑えることができるのでおすすめの土地活用法とされています。

すでに戸建て物件があり、いま使っていないのであれば、誰かに住んでもらうことで安定した家賃収入を得ることが可能です。また、所有している土地があれば、初期費用をかなり抑えながら賃貸物件を新築することが可能です。特別なこだわりがなければ、品質が安定しているハウスメーカーに依頼することもおすすめです。

以上のように、戸建て賃貸経営は、始動段階での検討事項がたくさんあります。空いた物件を有効活用できる賃貸経営は、これから注目を集め、さらにニーズが高まるでしょう。そのときに、自信をもって提供できる物件が大きな資産となります。

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

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