マンションの売却を考える時や税金対策をするため、自分が持っている物件がどのくらいの価格で評価されているのか気になりますね。
実はマンションの評価方法には決まったやり方があり、しかも自分で調べることも可能です。
マンション評価について、評価方法や売値の話、さらに賢く売却するためのコツについても情報をまとめました。
すぐできる、マンション評価のハウトゥーとは
今住んでいるマンション、将来的に売るとなったらその売値ってどうやって計算するのでしょうか。
マンション売却には売値を出す以外にも税金関係での手続きが発生したりします。そのために必要なのがマンション評価です。実はやり方さえ知れば自分でもできる、意外にシンプルな方法です。
マンション評価を計算する主な手順とは
- 土地の価値を調べる
- 建物の価値を調べる
と大きく2つに分けて割り出すことができます。
土地の評価額を調べるには?
まず建物が建っている土地の評価額について調べましょう。
その調べ方は、4つの数値を基準にしてある程度概算できます。
なるほど、マンションが建っている土台と建物、2つ考えるということですね。
そうですね。まず、土地の評価目安を割り出すための、4つの基準から解説しましょう。
1.公示地価(公示価格)
公示地価とは、毎年ほぼ決まった地点約26000か所の土地の1㎡あたりの価格を、2名以上の不動産鑑定士が行う評価方法の一つです。
国土交通省の管理下にあり、毎年1月1日時点の数値が3月下旬頃に発表されます。
公示地価は土地の価格に一定の指標を与えることで、土地の価格が乱高下することを抑えたりすることが目的で、1969年に地価公示法として法整備され、現在でも公共事業の入札見積もりなどの数字に使われます。
調べ方は、国土交通省のホームページより、調べたい地点を地図上から選択していくと一覧表形式で表示されます。
公示地価は大変公平性の高い数字であり、また毎年調査し公開されているため、価格動向をつかめます。
地価の上昇や下降の傾向を見ると、売り出しのタイミングをある程度予測できます。
公示地価が上昇し続けていれば土地価格も比例するので、売却の時期としては好都合です。
反対に下降を続けていれば土地価格も下がっているため、不動産取引は少し控えたいところです。
なお、売りたい物件の地点で調査されているとは限らない点は少し難点です。
その場合は最も近い場所の価格が参考にはなりますが、条件等で大きく変動する可能性も十分加味しなければなりません。
2.時価(実勢価格)
土地の時価とは実勢価格とも呼ばれ、実際に売買取引される時の価格のことを指します。
経済ニュースなどで、時価総額という言葉を聞いたことがある人は少なくないでしょうが、まさにそれです。
土地の時価は地価公示とも連動しています。
その目安は以下の数式で表されます。
時価(実勢価格)=公示地価×1.2
ただし必ずしもその範囲内に収まるとは限りません。
なぜなら、不動産売買はあらゆる理由によって、高額でも低額でも取引されるからです。
例えば買主からの強い要望があり、その土地の条件でなければ他に替えられる場所がなく、少しくらい高くても買いたいと申し出れば、相場より高く取引されることもあります。
反対になかなか買い手がつかず、複数回に渡って値下げをし、相場よりもずっと安い価値で取引される例もあります。
いずれの場合も不動産取引の実績としてカウントされるため、実勢価格データの1つとしてとして反映されます。
公示地価が分かれば、数字を当てはめれば簡単ですね。
そうですね。ただそれだけでその土地の売値になると考えるのは少し尚早です。さらに他にも、税金関連からも土地の評価額が浮かびあがりますよ。
3.相続税路線価
相続税路線価(路線価)とは道路の価値という意味合いがあり、その路面に面した土地の価格についての評価方法です。
路線価は相続税や贈与税の課税額を算出する際に使われる数字です。
公示地価と関連していて、おおまかな目安は以下の式で表されます。
路線価=公示地価×0.8
また路線価は国税庁のホームページの関連サイトから検索することも可能です。
調べたい地域の地図を開けると、道路上に300Dといったように、3桁の数字とアルファベット1文字の組み合わせの記号が載っています。
路線価から計算する土地評価額は
3桁の数字×1000(1m2あたり)
上の例で挙げた300dの場合は30万円となります。
なおアルファベットには借地権割合という意味がありますが、自分で調べられる範囲での土地の概算査定には使うことはないので無視しましょう。
4.固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、不動産所有者に対して課される固定資産税を算出するための数字です。
最も早く見つける方法は、毎年送られてくる納付書の中に記載があります。
この数字を0.7で割った数字もまた、土地売値の大まかな目安として考えられます。
例えば評価額が1400万円であれば、
1400÷0.7=2000万
というように概算できます。
土地の価値の算定方法は4つ、一見難しそうな不動産用語ですが、どれもそれほど難しくありませんね。
不動産用語は漢字が多いので特にそのように思ってしまいますね。ですが今は国が管理している公示地価や路線価なども全てインターネットで簡単に調べられます。その数字に対して何割くらいなのかを知っておくと、土地の価値はおおまかに算出できますね。
建物の評価額を割り出す
土地の価値が分かったところで、次は建物ですね。
建物の評価方法は戸建て住宅と多少異なる点があります。マンション評価特有の方法についても併せて解説しましょう。
マンション評価で土地の評価と同じく大切なのが、建物1棟についての評価額です。
その計算方法は少し特徴的です。
建物代金の消費税を計算する
最もシンプルな方法は、消費税額から割り出す方法です。
実はマンションの売買契約書には消費税のみ記載されていることが多く、総額で表記の例は少ないです。
その税額を知ることで当時の購入価格が概算されます。
計算式は以下の通りです。
建物価格=消費税額÷購入当時の消費税率
消費税率の変遷は以下の表にまとめてあります。
適用期間 | 消費税率 |
---|---|
1989年(平成元年)4月1日~1997年(平成9年)3月31日 | 3% |
1997年(平成9年)4月1日~2014年(平成26年)3月31日 | 5% |
2014年(平成26年)4月1日~2019年(令和元年)9月30日 | 8% |
2019年(令和元年)10月1日~ | 10% |
例えば、2000年に購入したマンションの消費税額が150万円だとしましょう。
すると以下のような計算式に当てはめられます。
150万円÷5%=3,000万円
なお、消費税は建物だけに課税され土地にはされていないので注意しましょう。
築年数から調べる
売買契約書に消費税の記載しかないというのはとても意外でした。ところで、建物の評価には当然築年数も関連があるのですよね?
鋭いですね。戸建住宅でも、築浅の物件ほど高値が付きやすいという原則がありますが、マンションの場合でもだいたい同じです。ただ、築年数が古いからと言って必ずしも不人気だとは言えない部分もあります。
戸建住宅やマンションの場合、建物部分は一般的に年数が経つほど価値が下がっていきます。
そのおおまかな目安は5年以内で販売価格の2~3割、5年超10年以内で4~5割と考えられます。
その後の価値はさらに下がる傾向が続きますが、ゼロになることはありません。
ところで、マンションの売り時は10年以内が目途とされているのには、3つの理由があります。
築12年を超えるとローンに影響が出る
中古マンションを購入する場合、築12年以上の物件は買い手が35年のローンが組めなくなります。
その理由はマンションの耐用年数が関係しているからです。
税法ではマンションの法定耐用年数は47年と定められているため、買主がローンを組むのもその範囲内でと決まっています。
つまり12年を超えてしまうとこの範囲から出てしまうので、長期のローンが組めないのです。
ただし47年を過ぎると必ず住めなくなるということでは決してありません。
あくまで税金計算に使う場合での数字であると覚えておきましょう。
大規模補修工事のサイクル
マンションの老朽化や経年劣化での設備の不具合など、管理組合では一定の周期で大規模な補修工事を行います。
そのサイクルがおおむね12年~15年が平均的です。
必要な工事とは言え、実際に始まると外観上の変化や業者の出入り、工事中の音が出るなど生活面に多少の影響が出てきます。
そのため10年くらいをめどに分譲マンションを販売に出す人が少なくないからです。
生活様式の変化
服の流行と同じように、ライフスタイルにもトレンドが発生し、一定の周期で繰り返します。
その年数が10年~15年程度、実際に10年前と今ではあらゆるものが変化しています。
時代ともに、人はそれに合ったより便利の良い方向を追求していく傾向があります。
一例として室内の収納スペースは、昭和の時代に建てられたマンションではまだ押し入れが主流でしたが、平成に入ってからは様々な形に進化し、ウォークインクローゼットなども開発され人気を呼びました。
そのため築年数が古いマンションでは設備が時代のニーズとマッチしていなかったり使い勝手が今一つ良くないなどの理由もあり、価値が下がってしまいがちです。
築浅であれば近隣にある間取りの近い新築マンションと比較
新築で居住年数がまだそれほど経っていない場合は、身近で売り出されている販売価格を参考にするという手もあります。
その際、間取りや階数など条件が似ている戸ほど、近い数字が出るでしょう。
評価額の目安は7割ほど、売り出し中のマンションの販売価格には土地の価格なども含まれていること、また新築で購入したマンションでも1年以内にはすぐに10%ほど価値が下がると考えられているからです。
その他3つのアプローチ
消費税と築年数から算出する方法は比較的シンプルですね。
数字がある程度分かるので、それに対して何割というのがありますからね。しかしその他にも、不動産会社でより専門的に見られる部分もあります。
マンション評価の建物価格に影響を及ぼす3つの要素には、費用性、市場性、収益性というキーワードがあります。
それぞれにはどのような意味が含まれているのでしょうか。
費用性
費用性とは、一つのマンションを建設するためにかかる費用面を指します。
1棟をゼロから建てる場合、新築で建てるとこのくらいかかると計算した後、経年による減価償却の部分を差し引くという考え方です。
市場性
市場性とは、取引されると想定される金額に対しての比較を指します。
売却予定の室が、日当たりや場所で隣の部屋とどのように違うかを見比べ、それを加味して差し引きしたり加算したりします。
収益性
収益性とは、1室を賃貸に出したことを想定してどのくらい売り上げがあるかを見込むことを指します。
この部屋を家賃いくらで貸した場合、管理費などの経費を差し引きしていくら収益があるかを計算します。
マンションの価格に影響を与える6つの要素とは
費用性、市場性、収益性に関連してくるのが、マンションの部屋1つの特徴と、建物1棟全体としての特徴も見逃せません。
1室について
マンションの部屋1つについての価値は、以下のような条件で変化します。
条件 | 評価ポイント |
---|---|
階数 | 階数が1つ上下するごとに0.2~2.5%ずつ比例して上下する 一般的に上がるほど高くなる ただしエレベーターのないマンションはこの限りではない |
部屋向き | 南向きを0とすると東向きで3~7%、西向きで5~9%、北向きで10%程度下がる ただし、地区によっては北向きの方が眺望がいい場合もありこの限りではない |
面積や間取り、設備 | 広いほど価値は高くなるが、間取りやリフォームの必要性にも左右される。 その他、システムキッチン、水回りの設備の新旧なども新しいものほど評価が高い |
費用面 | 管理費、修繕積立金など定期的にかかる費用は妥当か。 将来的に費用が高くなりそうな場合は要注意。 |
1棟について
1室の他、マンションが建っている場所や1棟全体の状況も評価の対象になります。
条件 | 評価ポイント |
---|---|
地域性 | 駅からの距離が10分程度までで5%ほど、15分程度で10%ほど下がる |
利便性 | 主要駅への交通アクセスの良さ 商業施設が充実していること |
将来性 | 交通の利用量が多い最寄り駅は再開発の見込みが高い 鉄道の延伸で新設駅ができる可能性のある土地 |
建物の状況 | 築年数の他にも、外観やエントランスなどが管理されているか 大規模マンションになると、メインエントランスから移動距離が長くなるとやや下がる |
その他の要件 | ペット可、楽器OKなど制限が厳しくない、管理規約の規制が緩いほど価値が上がる |
確かに、マンションは部屋だけでなく建物全体でも見ないといけませんね。
そうです。マンションの不動産評価は戸建住宅よりも細かく、単純ではないことが分かります。しかし利便性や新しさなど、多くの人が住みたいと思うような物件は人気があり、古くても価値が下がりにくいと言えますね。
マンションの評価証明書とは
マンションの評価を行った実際の証明書になる書面はありますか?
不動産の評価についての書面は固定資産評価証明書というものがあります。売却や税金計算に必要な大切な書類なので、取り方についてもぜひ覚えておきましょう。
固定資産評価証明書とは、土地や建物などの固定資産評価額が記載されている公的書類で、評価額の他、課税標準額、所有者名、所在地についても書かれています。
固定資産評価額の基準は総務大臣によって定められ、それを基に市区町村が3年ごとに決定します。
固定資産評価証明書の見方
この書類を持っていれば、固定資産税が分かりますか?
そのためには書類の見方と計算式を解説しましょう。
固定資産評価証明書はマンションの場合、土地と建物で記載方法が各々異なります。
土地の評価証明書の見方
土地については
- マンション一棟全体での価格
- 敷地権を持っている部分の割合比率(分数)
が記載されています。土地の評価額は1.の数字に2.の比率をかけ合わせます。
建物の評価証明書の見方
建物については1戸数分の評価額が記載されています。
取得方法
ところで、この書類はどんな時に必要ですか?
主に売却の時に、名義変更の手続きで法務局に所有権移転の登記を申請する際の必要書類になります。取り方も説明しましょう。
固定資産評価証明書の取り方は、各市区町村の市役所や役場が窓口です(東京23区内の場合は都税事務所)。
請求できるのは原則納税義務者である名義人ですが、相続する場合には相続人など手続きが必要な人にも認められています。
なお、請求先は所有者の居住地ではなく、マンションのある場所の役所になるので注意しましょう。
発行手数料は1通300円~400円程度です。
売却の時に大切な書類だから、取っておいたほうがいいですね。
請求先の役所さえ間違えなければ取り方は難しくないし、手数料もそれほどかかりませんね。
ネットを使って評価額を調べる方法
マンションの評価額を調べるのも、基礎知識は必要ですね。でももっと簡単に調べる方法はありませんか?
昔はマンション鑑定も不動産に依頼してたものですが、今はインターネットで誰でも見られます。
不動産のデータベースならレインズ
レインズ(REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM)とは不動産取引の総合情報サイトの頭文字をとったサービスで、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が管理しています。
売買取引に関するあらゆるデータベースを共有し、日本国内では最大かつ最も信頼できる情報サービスと言っても言い過ぎではありません。
レインズで分かることは各地域の物件の金額だけでなく、成約件数や管理費、修繕積立金の平均値、さらに前年度の実績と比べた取引動向の解説まで、不動産データベースのほとんどすべてを網羅しています。
全ての不動産会社が登録しているわけではありませんが、レインズへの登録有無も信頼度の一つとする意見もあるくらいです。
なお仲介を行う際の媒介契約では、専任媒介契約を行う際は必ず登録する決まりになっています。
レインズで取引事例を調べるには
レインズの情報量ってすごいですね。これなら不動産のことを何でも知られそうですね。
ただし一般の人が調べるには、取り扱っているデータ量が多いので、どこをどのように見るのかについて少し解説が必要です。マンションの評価を参考にする場合には、実際の取引事例を見ていくといいでしょう。
レインズは不動産業者向けのサイトですが、一部の情報は一般の人が閲覧することもできます。
マンション評価では特に、取引の実例に関する数字は気になるところです。
調べる方法はレインズ・マーケットインフォメーションのトップページより、マンションと戸建に分けてそれぞれ都道府県と地域を指定します。
画面左側に直近1年間の取引情報のグラフがあり、右側からさらに詳しい条件を絞り込めます。
項目は以下のものから絞り込んで選択できます。
- 地域詳細(市区町村、町名まで)
- 沿線
- 最寄り駅
- 駅からの距離(人口の多い地域では徒歩圏内を絞り込むほうがおすすめです)
- 単価(下限~上限)
- 専有面積(下限~上限)
- 間取り(ワンルーム~4K以上まで)
- 築年数
- 成約時期
- 用途地域
- 軸(横軸を築年数または成約時期に、縦軸は単価)
これで絞り込むと、所有しているマンションの条件により近いデータを見つけ出すことができます。
ただしあまり細かく条件を設定すると該当が出ないこともあるので少し注意しましょう。
国土交通省のデータベース
マンションの実勢価格を知るためにもう一つ適切なデータベースとしては、国土交通省が管理している土地総合情報システムもあります。
画面トップ左側の不動産取引価格情報検索をクリックすると都道府県の地図が表示されます。
次の画面に遷移したところで、左側の上から2番目の種類の中より、中古マンション等を選択、さらにその一つ下の地域を選ぶでマンションの場所を市区町村、町名まで指定します。
地図上で調べたい町名の上でクリックするとボックス内に詳細表示が表れるので、それを選ぶと、過去1年間の取引実績が一覧表形式で現れます。
価格の他、最寄り駅、駅からの距離、間取り、築年数、占有面積など、マンション売却にとって欠かせない情報が詰まっています。
また間取りで絞り込んだり、築年数を新しい(または古い)順に並べ替えて見ることもできて大変便利です。
ネット利用上の注意点
レインズも土地情報総合サイトも、ネットってとても便利ですね。でもそれなら初めからネットで調べようと思いませんか?
インターネットは確かにとても便利で、知識がなくても手軽に使えますね。しかし同時に注意点もありますよ。
便利で簡単なインターネットですが、この数字をそのまま鵜呑みにするのは少し待ちましょう。
それにはこのような理由があります。
評価額イコール売値ではない
上記でも説明したように、マンションの評価額が直接売値と結びつくことはほとんどないと考えましょう。
マンション評価とは、国や自治体で定められた公共性を持った根拠に基づいて算出され、その額を基に固定資産税や相続税が決まります。
そのため、評価額が良かったからと言って高く売れるとも限らず、反対に悪いからと言って諦める必要もありません。
評価と査定は少し違う?
不動産取引ではさらに、評価の他にも査定というキーワードをよく耳にします。
どちらも、マンションの売値を確定するために大切な要素ではありますが、性質の異なる数字のため、必ずしもそのままで売買価格とはなりません。
評価とは
- 国家資格を持った不動産鑑定士が行う
- 合理的かつ客観性に基づいて算出される
- 税金や相続などの根拠になる公共性の高い数字
査定とは
- 不動産会社が物件売買のために算出する参考価格
- 会社での独自データや実績に基づく
- 公的な証拠能力はなく、また法的責任も問われない
不動産取引を行う際、この2つのワードは頻繁に耳にするので、違いを知っておきましょう。
評価や査定って、何気なく使っていた言葉ですが、実際にはこんなに意味の違いがあるのですね。
その通りです。どちらの数字でもおおまかな売値を見積もることはできても、やはり最終的には不動産会社による詳細な訪問鑑定を行わない限り、正式な売買価格とは判断できません。
評価額で諦めない、マンションを賢く売るコツ
マンションの評価の仕方について今回もよく学習できました。最後に、評価額が高くなかったとしてもマンションを賢く売る方法はあるのでしょうか。
マンションを賢く売るコツは、売却の流れの中でいくつかタイミングがあります。あらかじめ流れを知っておくと、いざ売るというときに何を準備すればいいのか、心構えができるので、順を追って説明しましょう。
評価額が低かったからと言って、必ずしもマンションが安くしか売れないとは限りません。
努力次第では、自分が納得いく価格に近づけることも不可能ではないので、そのコツについて伝授しましょう。
ポイントは、マンション売却の流れの中でそれぞれタイミングがあること、また費用を支出する時期も先読みしていると利益を計算しやすいですね。
情報収集、価格査定の段階で優良な不動産会社を見極める
マンション売却にはまず情報収集、評価額や価格査定を行っていきますが、その際には仲介する不動産会社に優良なところを選ぶことが重要です。
マンションの売却までには早くても3か月程度はかかり、その間にも連絡を取り合ったりとやりとりも密になります。
そんな時、不動産会社が頼りなかったりすると不安なまま取引を行うことになりますね。
良い不動産会社とは、連絡が早いことや対応が良いのはもちろんですが、自分の持つ財産をきちんと売ってくれるかが最も肝心です。
専門知識はしっかりとあるか(資格所持者だとなお良い)、販売の計画を綿密に立てているか、そして何よりも売主に寄り添ってくれるか、この基本姿勢が見える点を忘れないようにしましょう。
不動産会社選びは基本中の基本ですね。
他にも媒介契約を結ぶときは価格交渉のチャンス、不動産会社だって利益はほしいですのでね。
媒介契約時にやりたい2つのこと
仲介する優良な不動産会社と出会った後、媒介契約の手続きに移ります。
この時にぜひ行ってほしいこととは
- 専任媒介契約を選ぶ
- 仲介手数料の値引き交渉
なぜ専任媒介契約がおすすめなのか、その理由は不動産会社が販売活動を熱心に行うからです。
複数の会社と競合する一般媒介契約では、もし他社で成約してしまうと自社の売り上げはゼロになるので、よほどの人気物件でない限り不動産会社としてもリスクを負いたくありません。
しかし専任媒介契約であればその心配がないため、逆に会社としては依頼された物件を成約に結び付けるため最大限の努力をする傾向が強まります。
また仲介手数料の交渉をするにはこの時がチャンス、不動産会社としては自社専任で仲介したいと考えています。
その時に、仲介手数料をいくらか下げた金額を相談し、この条件だったら契約しますと切り出して応じるケースもあります。
価格交渉、僕には自信ないなあ。でも売り込みなら得意です。
君も営業マンでしたね。その姿勢も実は大切なんですよ。
販売活動時の決め手は内覧
実際に販売活動が行われると、購入希望者が内覧に訪れるようになります。
この時には、このマンションを買いたいと思わせることがポイント、そのためには売主自身も営業マンになった気持ちで販売活動をサポートしましょう。
ポイントは部屋を明るく広く見せること、窓や照明器具をきれいにし、物をすっきりさせるだけで印象が大きく異なってきます。
売買契約以降にかかる出費を知ろう
買主が決まって売買契約を締結し引き渡しが終わると売却が完了、この時点では売主が支払う費用が発生します。
その内容とおおまかな金額を予め知っておくのは利益計算の面でも便利です。
- 仲介手数料(売買価格が400万円超の場合は、(売買価格×3%+6万円)+消費税、が上限)
- 登記費用
- マンション譲渡益に対する所得税と住民税(翌年の確定申告にて)
不動産の売却って、利益があるだけでなく経費もある、ここ大事ですね。
仲介手数料や税金は、見積もるとまとまった金額になるので、損をしないためには頭に入れておく必要があります。
まとめ
マンション評価を自分で行う方法とは、土地と建物それぞれについて評価額を出し、近隣の物件と比較します。
土地の評価額を知るには、実際の取引額である実勢価格(時価)、国土交通省が毎年3月下旬に発表する公示地価、道路の価値である路線価、毎年支払う固定資産税評価額の4つが挙げられます。
建物の評価額は購入時の消費税額、築年数から経年分を差し引きしていく他、近隣で似たような物件の販売実績からも予測できます。
評価額とは不動産取得による税金を算出する根拠としての数字なので、実際の売値とは異なりますので、低かったからと言って高く売れないとは限りません。
マンション売却時にはできるだけの工夫をして、賢く手堅い売買を目指しましょう。