不動産を売るなら、誰しも高く売りたいと思うものです。
相場を知り、より不動産会社に仲介依頼すれば、より高く売却できる可能性が高まります。
但し、不動産の価値は市況や需要によって変わるため、売るタイミングが間違っていれば不動産が持つ最大限の価値を価格に反映させることが出来ません。
所有する不動産をより良い条件で売却するためのタイミングはどのように計ればよいのでしょうか。
ここでは、不動産売却におすすめの3つのタイミングと、売り時を逃さないための注意点について徹底解説していきます。
売却するタイミングによっても価格が変わるかもしれないのですね。
不動産は売却するタイミングで得られるリターンが大きく変わります。
最適なタイミングでの売却は資産を効率的に増やすことにもつながります。
今回はあらゆる観点から不動産売却タイミングを紐解いていきますよ!
不動産の売却タイミングに反映される要素とは?
不動産の価格は、様々な要素によって常に変動します。
築年数や現況などといった不動産自体の要素はもちろん、市況や季節などの要素も大きく影響します。
売却におすすめのタイミングを知る前に、まずはどのような要素が価格に反映するのかを詳しくみていきましょう。
不動産の売却タイミングに反映される要素は次の6つです。
- 築年数
- 現況
- 季節
- 市況
- 税率
- ローンの金利
それぞれの要素について、どのような理由から影響を与えるのか詳しくご説明します。
築年数
不動産は法律で耐用年数というのが決まっています。
下記の表は居住用不動産別の耐用年数をまとめたものです。
構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格財肉厚3㎜以下) | 19年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格財肉厚3㎜超 4㎜以下) | 27年 |
重量鉄骨造(骨格財肉厚4㎜超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
耐用年数を過ぎたらその建物に住めなくなるわけではありません。
しかし実際は、耐用年数を迎える前に物件の劣化が顕著に出始めます。
また、戸建てとマンションでは資産価値の下落スピードが大きく異なりますので、不動産種別によっても売り時を見極めなければなりません。
木造戸建ては資産価値の下落スピードが速い
戸建ての多くは木造建築となります。
耐用年数は22年と短く、鉄筋コンクリート造に比べると劣化も早いため、資産価値の下落スピードが速いのが特徴となります。
築10年まで
築10年までならまだ新しいから資産価値はそれほど落ちないだろうと考えがちですが、実は建設から10年経過するまでの下落率が最も高くなります。
一般的に、築年数10年を迎えるまでに資産価値はおよそ50%も下がると言われているのです。
1年違うだけでも価値は大きく変わるため、売却は早い方が良いといえるでしょう。
築20年まで
築10年を経過すると、資産価値の下落スピードは緩やかになります。
資産価値を把握する目安としては、築15年で新築時の約30%、築20年で約20%になります。
築20年以上になると
耐用年数が22年を超えた戸建ての資産価値はほぼゼロになります。
そのため、戸建ての資産価値は築20年が限界であると覚えておきましょう。
ほぼゼロになった戸建ての資産価値は、その後は横ばいで推移していきます。
立地条件に優れている場合リフォームなどすることで売却できる可能性もありますが、築30年を超えた場合は解体して更地にした方が売却しやすいケースもあります。
マンション
鉄筋コンクリート造のマンションは、一貫して資産価値の下落スピードが緩やかなのが特徴です。
築10年でおよそ80%、築20年でもおよそ40%に下がる程度ですから、戸建てと比べるとそれ程タイミングに左右されないのがわかります。
築10年以上
資産価値が減少し始める築10年以上のマンションですが、買い手からすればリーズナブルな価格で購入できるということで比較的需要が高い傾向にあります。
しかし築15年頃になると大規模工事を行うところが多いため、費用負担の関係から買い手が付きにくくなります。
築20年を過ぎると劣化が目立ち始めるため、設備を交換する、あるいは価格を下げるなど、何らかのアピール方法が必要となるでしょう。
築30年以上になると
築30年を過ぎると設備の他、部屋全体の劣化も目立ち始めます。
再度大規模工事を行う時期にもなりますので、需要は低くなるかもしれません。
このように耐用年数を超えると不動産の資産価値は大きく減少すると言われており、築年数と耐用年数の差が縮まると、不動産の収益性も大幅に低くなります。
築年数の要素で売り時を考えるならば、少しでも早い時期に売却することが大切といえるでしょう。
築年数が経過した不動産は買い手にとってもデメリットが多い
不動産を購入する人の多くは住宅ローンを借り入れしますが、ローンを組むことに関しても築年数が大きく関係します。
金融機関によって多少異なりますが、通常の住宅ローンの場合は最長35年の借入期間で完済年齢は80歳とされています。
しかし中古住宅の場合、50-築年数=借入期間という条件が加わります。
これはつまり、35年のローンを組むのであれば築15年以内の不動産でなければならず、築年数が経つごとに返済期間が短くなるというわけなのです。
融資期間が短いと借入総額が少なくなったり毎月の返済額が高くなる可能性があるため、売却に関して不利な条件となるでしょう。
現況
不動産の現況は築年数に関係なく、売却のタイミングに反映される大きな要素の一つです。
たとえ築年数が浅かったとしても、傷んでいたり設備が故障しているとなれば当然資産価値は落ちます。
逆に築15年を超えるものであっても、リフォームされていたり設備が新しいものと交換されているのであれば、長く使えると推測されるため価格にもそれが反映されるでしょう。
売主が居住中にメンテナンスとして業者に修繕を依頼したとしましょう。
たとえそれが売却1年前の出来事だったとしても、必ずしもそれが反映されるとは限りません。
現況を正確に把握してもらうためには、その証拠となる工事記録や設備の証明書が必要になるのです。
それらが無ければ不具合が生じる可能性が高いと判断され価格が安くなる可能性があるので、手元に残しておくようにしましょう。
季節
不動産の売却は需要のあるタイミングでなければ良い条件で売ることが出来ません。
その需要を推測する要素として、季節が挙げられます。
例えば引っ越しシーズンと呼ばれる3~4月には、転勤や子供の進学などで住み替え需要が高まります。
こういった住み替え需要は売却をスピーディーに進めるための大きな要素ともいえるでしょう。
第二の狙い目としては、社会人の転勤が活発化する10月となります。
ここで重要なのは、住み替え需要と不動産の需要には時期にズレが生じるということです。
不動産需要は住み替え需要の1~2か月前にやってきますので、その前までには売出しできるような状態にしておかなければなりません。
次項で詳細をお伝えしますが、不動産を売り出すまでには3ヶ月ほどかかります。
不動産需要が高まる時期を狙って売却活動を進めましょう。
市況
不動産の価格はその時の景気や社会情勢の影響を受けやすいという特徴があります。
景気が悪くなると不動産の価格は上昇し、不景気になると下落します。
これは地価が大きく関係しているためです。
不動産の土地には売買価格が定められているため、景気が上昇して地価が上がれば、不動産の価格も当然上がります。
不動産種別ではマンションの価値は2013年頃から右肩上がりの状態が続いています。
地方にある住宅地の不動産市場においては2019年に27年ぶりに上昇に転じたため、これまで横ばいだった戸建てについても不動産価値の上昇が期待できます。
但し、不動産が過剰供給にある状態がこのまま続けば、人口の減少とともに不動産の価値が下落するリスクは濃厚です。
売却のタイミングを見極めるには、地価と人口流動についても考慮することが大切です。
周辺環境によっても不動産の価値は変わる
これまで地価に変動の無かった地域でも、再開発されればその地価は大幅に上昇します。
再開発では大規模な公共施設等が建設され、街全体が活性化します。
多くの住民を呼び込むことにもつながるため、その地域全体の需要の高まりが期待されるでしょう。
売却するにあたっては、近隣エリアの市況についてもアンテナを高くしておくことが大切です。
税率
不動産の売却によって利益が生じた場合には、譲渡所得税や住民税の支払義務が課せられます。
しかしタイミングによっては優遇措置を受けられる可能性があるため、これも重要な要素となるでしょう。
課税される税率は不動産の所有期間によって変わります。
以下の表は、所有期間と課税される税率をまとめたものです。
取得の種類 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|---|
長期譲渡所得 | 5年超 | 15.32% | 5% |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% |
表を見ると所有期間5年を境に税率が大きく変わるのが分かります。
さらに、売却物件が居住用で所有期間が10年を超える場合は軽減税率の特例を受けることも出来ます。
税率の要素で売却タイミングを見極める場合は、所有期間が5年を超えているのが条件となります。
出典:国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
出典:国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
ローンの金利
ローンの金利に関しては、物件を購入する買主目線で考えましょう。
例え中古物件であっても不動産が大きな買い物であることに変わりありません。
金利が低ければ利息も低いためローンが組みやすくなります。
それに、金利が高ければ最終的に支払わなければならない金額が増えることにもなります。
買主がローンを組んで不動産を購入するのであれば金利が低い方が良いため、金利が上昇する前に売却するのが良いでしょう。
売却におすすめのタイミングとは?
ここからは売却におすすめのタイミングについてみていきます。
売却のタイミングに反映される要素を踏まえると、以下のようなタイミングが最適だといえるでしょう。
- 不動産の築年数が古くなる前
- 需要が高まる春と秋
- 近隣エリアの不動産価格が上昇しているとき
不動産の築年数が古くなる前
築年数と耐用年数が縮まることによる資産価値の低下、不動産の劣化を考えれば、少しでも早く売却した方が良いといえるでしょう。
築年数が浅ければ、当然売却価格は高くなりますし、買い手が見るかるまでに時間もかかりません。
そのため、売却を検討しているのであればすぐにでも準備を始めるべきなのです。
需要が高まる春と秋
ご説明した通り住み替え需要が溜まる時期になると不動産の需要が高まります。
転勤や進学などが多く発生するのは4月、そして10月頃になります。
新しい住居を探す人たちは住居探しを1~2か月前に開始すると言われていますから、その頃に販売が開始できるように準備しておきましょう。
近隣エリアの不動産価格が上昇しているとき
景気や社会情勢の影響を受けやすいため、絶好の機会を逃せば価格を大幅に下げて販売せざるを得なくなるかもしれません。
その機会をキャッチするには、近隣エリアの不動産価格を参考にすると良いでしょう。
価格の推移はレインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システム、不動産会社の運営サイトを検索すれば簡単に把握できます。
近隣エリアの似た条件の不動産の価格が値上がりしていれば、それは絶好の売り時といえるでしょう。
売る理由を明確にして売却計画を立てることが肝心
上記でご紹介した売却におすすめの3つのタイミングは、あくまでも一般的な情報です。
不動産の売却には所有者の様々な事情があり、その事情によって売り時は変わります。
時には利益よりもスピードを優先して売却しなければならないときもあるでしょう。
そのようなケースでもより良い条件で売却するために知っておきたい情報をご紹介します。
家を売る理由から見える売却タイミング
家を売る理由は人それぞれです。
理由によって目指すものは異なり、売り時も違ってきます。
家を売る理由によってどのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
ケース1 ライフスタイルの変化
子供が独立した、地方に移り住みたいなどといったライフスタイルの変化が売却の理由になるケースです。
所有する家をなるべく高く売って良い家を手に入れたいと思うでしょう。
この場合はいつまでに売るといった時間の制限がありませんから、絶好のタイミングで売却できる可能性が高まります。
物件の設備や内装の劣化が目立つ場合は修繕をしておくなどすると、より良い条件で売却できるでしょう。
ケース2 生活圏の変化
転勤や転職、里帰りなどで売却する場合は、なるべく早く売却を済ませたいと考えるでしょう。
売却が急に決まることも多いため、修繕等が間に合わない可能性も十分考えられます。
しかし、売却時期が不動産市場の流動が活発化する時期にあたるため、売出しまでの時間を短縮することで買い手が見つかりやすくなります。
売却が決まったら情報収集と書類の準備に取り掛かり、近隣エリアの相場を調べておきましょう。
売主自身が売却の流れを先取りして行動することで、時間に制限がありながらもスムーズな売却が可能となります。
ケース3 金銭的な事情
ローンの負担が厳しいために不動産を手放さなければならなくなるケースは意外と多いものです。
このような場合は、残債に充てる金額を少しでも多くするために家を高く売る、そして期限内に売ることが目標となります。
ローンの滞納が続いていると差し押さえられて競売にかけられる可能性があるためです。
このようなケースでは、上記でおすすめしたようなタイミングを待つことなく、売却手続きを始めることが重要です。
残債にもよりますが、任意売却の手続きを始めたり、金融機関に相談するなどしましょう。
任意売却するとなった場合には通常売却と同じように内覧があります。
掃除や整理整頓を十分にするなど、購入者目線に立った努力をすると良い条件で売れる可能性が高まります。
ケース4 家が不要になった
こちらは家族との離別や親族からの相続などに多い売却理由です。
住み替え等の必要性がなければ時間的な制限はありませんが、こちらのケースではトラブルを防いで売却することが目標となります。
夫婦や親族と共同名義の不動産を売却する場合には、所有権を持つ人すべての同意と関係書類が必要になります。
高く売れるタイミングであったとしても、名義人の一人が反対すれば売却できません。
そのため、売却手続きを始める前に所有者全員の同意を得て、さらに住民票や印鑑証明等必要になる書類を準備しておくことが大切です。
売却するまでにどれくらいの時間がかかる?
不動産を売却するのに最適なタイミングは限られています。
その機会を逃さないためには、売却の流れに関する知識を高め、どの程度の時間を要するのかを知っておきましょう。
一般的に、不動産の売却にはおよそ6ヶ月程度かかると言われています。
売却を検討してから販売を開始するまでに3ヶ月、販売してから成約までも3ヶ月程度かかるのです。
もし、売却を急がなければならず十分な準備期間をとれないとしたら、売却価格は相場よりも大幅に下がるかもしれません。
より高い価格で売却するためにはタイミングが重要です。
最適なタイミングでの売却を目指すのであれば、その時から逆算し、早めに準備しておく必要があると覚えておきましょう。
4月の引っ越しシーズンに合わせて売るなら2月には売却できる状態にしておかなければなりませんよね。
ということはその半年前だから、8月ということですか?!
必ずしも半年かかるわけではありませんが、大体その時期には準備を開始しておくことをおすすめします。
まずは相場や仲介依頼についての情報収集をしましょう。
同時に、必要な書類を集めたり、内覧を見据えた手入れをするなどしておくと売却活動中の負担を減らせますよ。
売り時を逃さないための注意点とは?
ご紹介した売却タイミングはあくまでも一般論であって全ての不動産に共通するものではありません。
所有する不動産を最適なタイミングで売却するには、売主が不動産の条件を把握する必要があります。
ここからは、売り時を逃さないために知っておきたい注意点について解説していきます。
大規模マンションの引渡し前の時期には注意が必要
買い替えが限られたエリアにおいて集中的に行われた場合は、値崩れが起きやすくなるため相場に大きな影響を与えるかもしれません。
なぜなら買い替えを希望している人たちが、引き渡しの時期に合わせて居住していた物件を一斉に売りに出し始めるからです。
特に近隣に間取りや広さが似ているマンションが売りに出された場合は注意しましょう。
不動産相場全体が下落しているときには、近隣エリアの中古相場が値崩れを起こすケースが多くあります。
そのような場合は敢えて早めに売りに出すなどといった戦略を練るなどすると、良いタイミングで売りぬくことができるでしょう。
買主の目線に立たなければ本当の売り時は見えてこない
不動産売却では不動産固有の条件や世間を知ることも重要ですが、相手を知ることも重要です。
不動産や売り主の条件にばかり目を向けがちですが、買い手の条件を考慮したタイミングこそ、所有する不動産の売り時と言えるでしょう。
自分が所有する不動産はどんなシーンで需要が発生するかについても想像してシミュレーションしておく必要があります。
平米数や不動産種別、エリアによってターゲット層が変わるため、売り時が変わる可能性があるからです。
ターゲット層が不動産を探し始めるオンシーズン前に売り出しができるよう、買い手目線に立ってタイミングを見極めましょう。
市況の変化はプロでも見極めるのが難しい
最も良い時期に売ったと思っていても、後で振り返ったときそれほど良いタイミングではなかったという事例はいくつもあります。
それは個人のみならず、不動産売却に関するプロも同じです。
誰が見ても今が売り時だと思うタイミングで売却したとしても、同じ時期に売り出される物件が集中すれば値崩れが起きる可能性は否定できません。
市況や世間の動向をチェックすることは大変重要ではありますが、同時に他人の思考も把握できなければ完璧なタイミングで成功させることは難しいでしょう。
不動産の相場は細かく上下を繰り返しながら形成されるものであり、相場の変わり目はそう簡単に見極められるものではありません。
100%の成功だといえる売却が出来る可能性は少ないということを覚えておきましょう。
不動産会社によっては絶好のタイミングを逃してしまう可能性も
不動産売却の失敗でよくあるのが、社名を聞いたことがあるから、営業に押されて決めたなどという安直な理由で不動産会社を選ぶケースです。
会社のことを良く知らないまま仲介を依頼する人の多くは、売却活動に関しても任せきりにするケースが多く見受けられます。
不動産会社の中には、戦略や販売活動の具体的な計画をせず売り出すところも少なくありません。
売却のタイミングを見極めることもありませんから、いつまでも買い手が見つからず、結果的に大幅な値下げをする場合もあります。
不動産を売却する際には、売主自身も相場を知ったり計画を立てるなど積極的に参加する必要があります。
不動産選びにおいても、良い会社を選ぶ方法を身に付けることが大切です。
最適なタイミングで売るコツをご紹介!
売り時をキャッチするには、売主自身が売却に関する知識を深めることが大切です。
最適なタイミングで不動産を売却するコツをご紹介します。
タイミングを計る指標を活用しよう!
不動産売却のタイミングを見極めるには相場の推移に気を配ることが重要です。
不動産の相場の変わり目はプロでも見極めが難しいものですが、指標を押さえておけば素人でも現状の把握は可能となります。
相場の指標は以下の3つです。
- 値上がり
- 値崩れ
- 手残り
値上がり
値上がりとは文字通り、不動産価格が高くなることです。
地域全体の相場が上がっているときには、これからより活発化すると見込めます。
不動産市場全体が活気づくのは買い手が多くいるということですから、絶好の売却タイミングといえるでしょう。
但し、相場の値上がりは誰がコントロールするものではありませんし、それがいつまで続くかも誰にもわかりません。
ですから日頃から相場の推移を見守り、値上がり始めたタイミングを見極めることが大切です。
値崩れ
値崩れとは需要を供給が上回ることで不動産の価格が急激に下がることです。
不動産市場が活気づいたタイミングで多くの人が売りに出したとしたら、供給量が急激に増えるため値崩れを起こす可能性が高くなります。
売り出される物件が多いほど比較対象が多くなりますので、買い手の選択肢に含まれなくなるかもしれません。
不動産の相場は細かく上下を繰り返すものですから、値上がりからの値崩れは想定より早くやってくる可能性があります。
そのため、相場価格が上がりきらない段階で早めに売り抜けることが大切です。
また最初にご説明した通り、耐用年数の関係で築年数が古い場合も値崩れが起きやすくなります。
木造戸建てなら20年、マンションなら40年を超えると一気に値崩れを起こしますので、その時期を迎える前に売却しましょう。
手残り
手残りとは、売却後に手元に残るお金のことです。
不動産の売却をするにあたっては、仲介手数料や税金などの各種費用を売主も支払わなければなりません。
仲介手数料は売却価格の3~5%程ですから、それなりの額が必要になります。
売却できたけどあまり手元に残らなかったという結果にならないよう、手残りについても考慮して売却タイミングを見極めましょう。
値段が上がりきらないうちに売り抜けるとは、株式売買のようですね。
そうですね。
近頃の社会情勢を見ても分かるように、一カ月前と後では市場の様子が様変わりすることもあります。
最も良い売り時で売ることができれば大きなリターンを得られますが、逃したときのリスクも大きなものとなるでしょう。
普段から相場を把握して、適度に良いタイミングで売却することが大切ですね。
良い不動産会社を選ぶコツを押さえておこう!
売り時を逃さないための注意点でもご説明した通り、不動産会社選びは大変重要です。
約半年に亘る売却活動において、戦略的な販売と丁寧な対応をしてくれる会社を選びましょう。
最後に、不動産会を選ぶコツをいくつかご紹介します。
一括査定を利用する
全国にはおよそ12万もの不動産会社があると言われており、それぞれ特徴や強みは違うものです。
地域やエリアはもちろん、得意とする不動産種別等にも違いがあるため、その中から売却予定の不動産に合うところを見つける必要があります。
そこで便利なのが、不動産一括査定サイトです。
一括査定サイトはただ単に査定価格を提示してくれるだけではなく、入力した不動産の条件から査定に対応できる不動産会社を選別してくれるのです。
たくさんある会社の中から条件に合うところを見つけられる便利なサービスとなりますので、是非利用しましょう。
一括査定サイトを利用する際には、以下のことに気を付けましょう。
- 不動産情報の入力はできるだけ正確に行うこと
- 売るタイミングが迫っているのであれば正確性の高い訪問査定を選ぶこと
- 選別された中から最低3社以上に査定を申し込むこと
これらに気を付けて会社を選びましょう。
良い不動産会社の条件とは?
一括査定で不動産会社が複数ピックアップされたら、その中から売り時を逃さない売却ができる不動産会社を見つけましょう。
そのような会社を見つけるためには次のようなポイントを重視すると良いでしょう。
- 売却予定物件に似た不動産の売買実績がある
- 査定価格の根拠を明確に説明できる
- 課題解決力がある
- 募集提案力がある
- デメリットやリスクも説明してくれる
査定価格の伝達等でやり取りをする際に、これらのような質問を投げかけてみましょう。
実績とノウハウを兼ね備えたスタッフなら明確な根拠とともに、あらゆる提案をしてくれるはずです。
そのようなスタッフの在中する会社なら最適なタイミングで売却できるよう、データと売主の希望を考慮した販売戦略を立ててくれるでしょう。
査定価格が高いからという理由で選んではいけないということですね?
査定は不動産会社にとっての営業活動のようなものですから、チャンス欲しさに相場よりも高い査定価格を出すところもあるのですよ。
でも査定してくれる会社が少なければ、どの価格が相場に近いか判断する自信がありません。
そんな時こそ、相場を知れるレインズや土地総合情報システム、不動産ポータルサイトを活用しましょう!
価格の推移を調べるのにも役立ちますし、周辺エリアや似た条件の不動産の相場を把握する手掛かりにもなりますよ。
相場を知っておけば査定価格の根拠を知る際の知識にもなりますので、あらかじめ調べておきましょう!
ここまで、不動産売却におすすめする3つのタイミングと、売り時を逃さないための注意点について解説してきました。
不動産はすぐに売った方が良いと言われることもありますが、売るタイミングを間違えてしまえば買い手が付かず、結果的に値段を下げざるを得なくなるかもしれません。
そのため、売却のタイミングに反映される不動産固有の条件や市況、季節など6つの要素を考慮した上で、所有する不動産にとってベストな売り時を探ることが大切です。
おすすめのタイミングは基本的なタイミングとしてお伝えしましたが、全ての不動産が該当するわけではありません。
住み替えによる資金計画、ローンの残債、相続物件の売却など売却理由によって最適なタイミングは異なります。
個々に合った売り時を見極めるためには理由と目的を明確にしましょう。
最適なタイミングで売却するには、指標を以て相場を見極めること、良い不動産会社を選ぶことがポイントとなります。
こちらでご紹介した内容を参考に、売主自身が売却に関する知識を身に付け、ベストな時期を探りましょう。