土地売却の時の解体費用や手数料と税金についての完全まとめ

土地売却の時の解体費用や手数料と税金についての完全まとめ

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「相続で引き継いだ土地を売却し現金化して親族で分けたい。」
「長年持っている土地があるがこれ以上固定資産税を払いたくない。」

など土地を売却するにはいろいろな事情があります。
ここでは土地売却にあたっての不動産会社選びや土地売却の手順、そして税金についてを見てみたいと思います。

土地売却の場合、なるべく高く売りたいと思うのは当然のことです。
おおかたの人にとって土地売却は一生に何度もあることではないので、失敗は避けたいところです。
土地を売却するにあたっては予備知識を持って臨むことをお勧めします。
あらかじめ知識を身につけておくだけで、有利な土地売却ができるからです。

また土地売却については、土地の測量など建物の売却とは異なる作業が必要となります。
土地売却が終わった後も、利益が出た場合には翌年には確定申告をする必要があります。
より上手に土地の売却が成功する手順を含め、ひとつひとつの事柄について説明していきたいと思います。

土地売却の手順と内容

土地を売却する場合、一般的には下記の手順で土地の売却を進めます。

  1. 売却したい土地の情報収集
  2. 一括査定をしてもらう
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 売却活動
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 決済と土地の引き渡し
  7. 確定申告をする

売却の前に土地に関する情報や売却に必要な書類を集めたりと準備期間が必要です。
実際に売却を依頼する前に土地売却がスムーズにいくようにしっかりと準備をしましょう。

不動産会社の選び方

不動産会社の売買をする場合、最も大切なポイントとしては不動産会社選びです。
不動産会社選びを失敗してしまうと、土地売却は思ったようにいきません。
ではどのようにして不動産会社を選べば良いのでしょう。
不動産会社選びのコツについてみてみましょう。

不動産会社には下記のように二つのタイプがあります。

大手不動産会社と地域密着型のメリットとデメリット

大手不動産会社

大手の不動産会社は全国に支店を持っており、なかには一年間の売上高が1兆円を超える会社もあります。

豊富な資金力があるので宣伝などにお金をかけることができ、大々的に買主を募ることができるのです。

大手不動産会社を選ぶメリットとしては、資金力の他にも全国にネットワークがあるため情報量が豊かな点です。
広いネットワークを持っているため、普通では売りづらい特徴のある土地でも買主を見つけることができます。
圧倒的な情報量で多くの人の中から買主を見つけることが可能なのです。

大手不動産会社にもデメリットがあります。
例えば売主が地域の中で買主を見つけたいという希望を持っている場合は、地域密着型の不動産会社の方が土地の事情をよく知っているなど有利なケースがあります。

また大手不動産は扱っている案件が多いため、その中に埋もれてしまい熱心な売り出しをしてもらえないケースも出てきます。

大手不動産は期間を優先して買主を募るため、すぐに売れそうにない物件は売り出し価格の値引きなどを薦めてくる場合もあります。

地域密着型不動産会社

決まったエリアで土地を売却したいと考えた場合は、地域密着型の不動産会社を選ぶことをお勧めします。
地域密着型の不動産会社はその地域の事情に通じており、地域特有のルールなどにも詳しいので、売却したい地域が決まっている場合は、スムーズな売却を期待することができます。

また同じ地域の不動産会社とは熾烈な競争関係にあるため、顧客ひとりひとりを大切にしてくれる傾向があります。

地域密着型不動産会社のデメリットは大手の不動産会社と違い、資金力が弱いため大々的な宣伝などをすることが難しい点です。
地道な販売活動になるため、急いで買主を探している場合は不利になるかもしれません。

こざかな生徒
こざかな生徒

不動産会社は思ったよりもたくさんあるんですね。

そうですね。土地を売りたい場合は土地を売ることが上手な不動産会社を選ぶ必要がありますね。

クジラ先生
クジラ先生

営業マンの力

不動産会社選びと同じように大切な点としては、営業マンの手腕です。
同じ不動産会社に所属していても売り方の上手な営業マンとそうでない営業マンがいます。

優秀な営業マンの特徴としては下記の点が挙げられるでしょう。

  • 売主の要望をよく聞いてくれる
  • 知識や経験が豊富
  • 説明の際に専門用語ばかりを使わずわかりやすく説明してくれる
  • マイナス面も説明してくれる

上記のような点が挙げられます。

良い不動産会社を選ぶとともに、腕の良い営業マンに出会うことができるかが土地売却の大切なポイントとなります。

不動産一括査定サービスとは?

土地の相場を知るためには、インターネット上で行われている不動産一括査定サービスを利用することをお勧めします。

不動産一括査定サービスは売却したい土地の情報を入力すると、複数の不動産会社で査定をしてくれるシステムです。
一括査定サービスは査定をしてくれるだけでなく、買主とのマッチングにも力を発揮してくれます。

不動産一括査定サービスができる前は、売主が複数の不動産会社に足を運ばなければなりませんでした。

売却したい土地の相場を知りたい場合、念のため自分で路線価や固定資産税評価額などを調べておくことで、不動産会社が査定した価格が適正であるかどうかを判断することができます。

また査定を依頼した不動産会社と直接コンタクトを取ることで、信頼できる不動産会社かどうかを判断する手がかりになります。

不動産一括査定サービスのほとんどが無料で利用することができます。
無料で利用できるシステムは、一括査定サービスに登録している不動産会社が一括査定サービスを運営している会社に登録料を支払っているからです。
運営会社は主にその登録料を原資にして広告を載せるなどしてサイト運営をしているのです。

不動産一括査定サイトの流れ
こざかな生徒
こざかな生徒

土地を売る時には不動産一括査定サービスを使うと便利そうですね。

そうだね。不動産一括サービスを利用すると効率よく土地を売却できます

クジラ先生
クジラ先生
不動産売却一括査定サイト徹底比較

媒介契約について

不動産一括査定サービスなどで依頼する不動産会社が決まったら、その不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
不動産会社と結ぶ媒介契約には次の3種類があります。

  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 一般媒介契約

専任媒介契約は売却が成功する率が高く、多くの人が利用しています。
一つの不動産会社と契約するため、専任媒介契約を結んだ不動産会社は集中して宣伝など販売努力をしてくれます。

その結果、良い条件で土地を売却できる確率が高いのです

販売できる期間が3ヶ月と決まっていることもあり、熱心な不動産会社と契約を結ぶことができれば短期間で土地売却が成功する可能性が高いと言えるでしょう。
また定期的に売主に売却状況を報告する義務があるので、売却の経過がわかるため売主は安心してまかせることができます。

専属専任媒介契約は専任媒介契約とほぼ同じ条件ですが、一つだけ専任媒介契約とは異なる条件があります。
専任媒介契約の場合は、自分で友人や親戚などの買主が見つかった場合は不動産会社に対して仲介手数料を払う必要がありません。

その点、専属専任媒介契約の場合はたとえ売主が自分で買主を見つけてきた場合でも、必ず契約した不動産会社を通して契約を結ばなければなりません。


そのため自分で買い手を探してきた場合でも、不動産会社に仲介手数料を支払わなければならないのです。
土地の売却は高額のお金が動くため、不動産会社に支払う仲介手数料の金額も高額になります

一般媒介契約は複数の不動産会社と結ぶ契約の方法です。
複数の会社と媒介契約を結ぶことで幅広く買主を探すことができる一方で、契約を結んだ会社は確実に自分の会社で売ることができる保証がないため、土地の状況によっては熱心に買主を探してもらえない場合もあります。

不動産会社は仲介手数料で成り立っているので、確実に仲介手数料が入る契約方法を結んだ物件を優先する傾向があるからです。

また一般媒介契約の場合、他の二つの方法と違い売る期間が決められていないために、契約した不動産会社によっては集中的に売るための宣伝などをしてもらえないケースがあります。

売主への報告義務もないので、一般媒介契約を選んだ場合は売主の方から積極的に不動産会社へ売却活動をするよう働きかける必要があります。

媒介契約の種類と特徴とメリット

上記の3つの媒介契約の中で、最も成功率が高い方法は専任媒介契約と言われています。
短期間で集中的に売却活動をすることによって、土地売却がうまくいくケースが多いからです。

こざかな生徒
こざかな生徒

契約方法にもいろいろなタイプがあるんですね。

それぞれ特徴がありますが、自分のやり方に向いた契約方法を選ぶと良いでしょう。

クジラ先生
クジラ先生

土地の売却活動

不動産会社との契約を結んだ後は、不動産会社が売却活動をしてくれます。
資金力がある不動産会社の場合、頻繁に広告を出すなど熱心な売却活動をしてくれるでしょう。

土地の売却活動で難しい点は、早く高く売却するというのが難しいところにあります。
少しでも早く売却をしたい場合は、値切られる可能性があります。
高く売りたい場合は、時間がかかる場合が多くみられます。

不動産会社としても早く高く売れれば良いのですが、両立させることは難しいことなのです。

土地売買での注意ポイント

売却にあたって測量が必要に!

土地を売却するにあたって最も大切なことの一つが、土地の面積を明確にすることです。
土地の面積が明確にされなければ、土地を売り出すにあたって価格をつけることができません。

特に代々受け継いだ土地で書類も残っていないなどのケースでは隣り合う土地との境界がはっきりしていない場合も多く、近隣とのトラブルに発展しかねないケースさえあります。
境界をはっきりさせるためにもきちんと測量をしておくことで、後々のトラブルを避けることができます。

測量には3ヶ月ほどかかるケースもあるので、土地を売却することが決まったら早い段階で測量をしておくことをお勧めします。

測量にはいくつか種類があり土地の広さにもよりますが、費用の相場としては35万円から80万円となっています。

建物を解体するかしないか

建物が立っている土地を売却する場合、建物を解体してから土地のみで売却するか、建物をそのままにして売却するか迷うケースがあります。

建物付きで売却した方が良いのか、更地にしてから売却した方が良いのか、メリットとデメリットについてみてみたいと思います。

建物は築年数が経ち資産価値がほとんどない状態の場合古家と呼ばれます。
一般的に築20年以上経た建物の資産価値は建てた当初の1割と言われています。
古屋付きで売却する場合のメリットは、解体費がかからないことです。
また、古屋付きで売却する場合のデメリットとしては、瑕疵についてのトラブルが起きやすい点が挙げられます。

一方、更地にして土地だけ売却する場合は、建物がほとんど使用できない状態であれば買い手がつきやすい点がメリットと言えるでしょう。
その場合は売主があらかじめ解体をしてから不動産会社に売却を依頼することになります。
解体費用は売主が持ちます
建物を解体するときは構造によって下記の表のように費用が違ってきます。

構造坪あたりの費用
木造住宅3万円/坪
鉄骨住宅4から5万円/坪
RC住宅5から6万円/坪

例として木造住宅の場合、解体費用は30坪で90万円程度となります。

解体の際に建物内にあるもの、例えば家具などを撤去するかしないか又は解体した後に整地をするかしないかでも解体全体にかかる費用は違ってきます。

解体費用を土地全体の価格に上乗せするかどうかは売主の考え方次第です。
もし解体費用を土地の価格に上乗せした場合は、同じ地域の他の土地よりも売値が高くなってしまい買い手がつきにくくなってしまうケースが出てきます。
解体費用はあくまでも必要経費と割り切って、売却価格とは切り離して考える方が合理的と言えるでしょう。

更地にして売る場合のデメリットとしては、固定資産税が高くなるという点です。
これは駐車場にして利用していた場合も同様です。
建物が立っていない土地の固定資産税は、建物が建っている土地よりも固定資産税が高いのです。
特に都市部の固定費産税が高い地域では注意をしなければならない点です。

売る予定の土地の場所によっては、固定資産税の他にも都市計画税を払わなければならず、使わない土地は所有しているだけで維持費がかかるのです。

売りづらい土地

土地の売却と言っても、中には売り辛い土地というものが存在します。
その代表的な土地の一つに狭小地があります。

狭小地とは明確な定義はありませんが、およそ15から20坪の広さの土地を狭小地と呼んでいます。

狭小地ができる理由としてはいくつかのケースがあります。
広い土地を分譲した結果中途半端な狭小地ができてしまったり、新しい道路を作るために土地を分断したときに狭小地ができてしまうなどが主な原因です。

なぜ狭小地が売り辛い土地なのでしょう。
主な理由としては住宅ローンを組むことが難しい点が挙げられるでしょう。
狭小地は購入費用を現金一括で払える人でなければ購入が難しいのです。
現金で一括払いができる人は、もっと広い土地を望んでいるケースが多くその点も狭小地が売り辛い原因にもなっています。

狭小地など独特な土地を売る場合は、買取業者に買い取ってもらうことができます。
狭小地の買取を得意としている不動産会社がありますので、買取専門の不動産会社をあたってみるのも一つの手です。
買取の場合、市場価格よりも安い価格で買い取られてしまいますが、どうしても急いで処分したい土地の場合は一般の不動産会社とは別に買取業者も視野に入れてみることをお勧めします。

売買契約を結ぶ

買い手が見つかり双方の合意が得られたあとは売買契約を結びます。
不動産売買契約は、売り手及び買い手が署名と捺印をすることで締結します
その際、買い手から売り手へ手付金を支払います。
手付金を払うことは契約成立の条件の中に含まれています。
また手付金の金額はおよそ売買代金の10%が目安になっており、現金で支払うことが慣習となっています。

万が一契約を結んだ後で解約を希望する場合は、いかなる理由であったとしても解約することができます
買主から契約解除を申し出た場合は、売主に支払った手付金を放棄することで解約が成立します。
売主から契約解除を申し出た場合は、買主から受け取った手付金の返還及び手付金と同額の金額を支払う必要があります。
つまり手付金の二倍のお金を支払うことになるのです。

決済と土地の引き渡し

売却活動の結果無事に土地の買い手が決まり売買契約書を交わしてから、決済と土地の引き渡しが行われます。
売買契約を結んでから決済までの期間としては、土地売却の場合約1ヶ月から1ヶ月半が一般的です。

こざかな生徒
こざかな生徒

契約を結んでから短期間のうちに引き渡さなければならないんですね

引き渡しのための準備は早いうちから進めておくと良いでしょう

クジラ先生
クジラ先生

買主が支払う費用

  • 手付金(売主へ支払います)
  • 印紙税
  • 残代金(売主へ支払います)
  • 固定資産税分担分(売主へ支払います)
  • 仲介手数料(不動産会社へ払います)
  • 登記費用(司法書士へ支払います)

売主が支払う費用

  • 仲介手数料(不動産会社へ支払います)
  • 登記費用(司法書士へ支払います)
  • 印紙税
  • 測量、解体、廃棄物処分などの費用

仲介手数料

仲介手数料は売買価格によって違ってきます。
仲介手数料の上限は下記の表のとおりです。

売買価格仲介手数料の上限
200万円以下5%+消費税
200万円超400万円以下4%+2万円プラス消費税
400万円超3%+6万円プラス消費税

あくまでも上限ですので売主及び買主双方が納得している場合は、少ない額でも問題はありません。
仲介手数料について買主は買主側の仲介不動産会社へ、売主は売主側の仲介不動産会社へ支払います。

出典:国土交通省 不動産流通について

登記費用について

不動産の売買には必ず登記の作業が発生します

登記とは土地の持ち主が変わったことなどを登録する作業のことを言います。

登記は法律上の義務ではありませんが、きちんと事実関係を登記しておくことで避けられるトラブルも多く、通常土地の売却をした場合は登記も同時に行います。
また登記の手続きは資格を持った司法書士が行うことになっており、登記の手数料のほかに司法書士への報酬も支払う必要があります。

土地を売却した場合の登記の順序としては次のようになります。

その1 売主が売却の際に自分の名前へ登記上の名義を変更する
その2 引き渡し時に売主が自分の名前を抹消
その3 買主へ所有権を移転する

売ろうとした土地が必ずしも売主の名義になっているとは限りません。
売却する際には、登記上の名義が売主になっていなければならないため、登記上の名義を確認し自分の名義になっていなかった場合は、名義を変更しなければなりません。

名義については相続の際に名義変更をせずに親の名義のまま土地を売却しようとするケースなどがあります。

次に土地の引き渡しの時に、所有者を買主に変更するためにまず自分の名前を抹消します。

最後に引き渡しが終わった時に買主に所有権を移転する登記を行わなければなりません。

登記費用は売主、買主がそれぞれ負担します。
売主が負担すべき登記費用は抵当権抹消登記及び住所変更登記と氏名変更登記の二つです。
抵当権抹消登記は土地を購入した際に組んだローンが残っていた場合に必要となってきます。
通常土地の売却時にはローンを全額返済しておく必要があります。
ローンを全額支払い終わったことを証明するために、抵当権抹消登記が必要となってきます。
ですからローンが残っていない場合は必要ありません。
登記費用は不動産の数に1,000円をかけた金額となります。
買主の登記に関する費用の負担は、所有権移転登記の費用です。

登記そのものにかかる費用とは別に司法書士への報酬も支払わなければなりません。
案件にもよりますが、約1万円から約10万円が相場となっています。

売主と買主が支払う費用一覧

司法書士への報酬は法律で定められた金額ではありません。
地域によって司法書士への報酬の相場は違ってくるので、不動産会社の担当者に確認してみましょう。

土地売却と税金

土地を売却した際に必要となる税金は次の3つです。

  • 印紙税
  • 所得税
  • 住民税

印紙税

売買契約を結ぶには売買契約書に印紙を貼る必要があります。
売主の売買契約書の収入印紙の代金は売主が支払い、買主の売買契約書の収入印紙の代金は買主が負担する慣習となっています。

印紙を使う際に気をつけなければならないことは、必ず消印を押すことです。
収入印紙を貼り忘れたり、消印が押されていない場合は過怠税として全部で印紙金額の3倍の税金を払わなければなりません。これはしっかりと印紙税法によって定められております。

記載金額不動産売買契約書
1万円未満のもの非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円超50万円以下200円
50万円超100万円以下500円
200万円超300万円以下1,000円
300万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下10,000円
5,000万円超1億円以下30,000円
1億円超5億円以下60,000円
5億円超10億円以下160,000円
5億円超10億円以下320,000円
50億円超480,000円

上記の表は印紙税率の軽減措置が適用されている額面となります(令和4年3月31日までに作成されるが対象となります

ただし税務調査を受ける前に、あらかじめ自分から納付していないと申し出た時には過怠税は1.1倍に軽減してもらうことができます。

出典:国税庁:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

所得税と住民税

土地を売却して得た利益は譲渡所得に分類されます。

譲渡所得とは不動産や株の取引などで得た利益など給与以外に本人が持っている資産に対してかかる税金です。

土地を売却した際に利益が出た場合は所得税と住民税が発生します
税額は土地を所持していた期間によって下記のように分かれます。

税金の種類長期譲渡所得短期譲渡所得
所得税15.32%30.63%
住民税5%9%
合計20.32%39.63%

長期所得か短期所得か

不動産の損益を確定申告する際に重要な点はその土地が長期譲渡所得か短期譲渡所得かという点です。
売却をした年の1月1日現在で、所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得として計算され、5年以下の場合は短期譲渡所得として計算されます。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得の計算式は下記の通りです。

譲渡所得=譲渡価格(収入金額)-取得費-譲渡費用

譲渡価格とは土地の売却代金に固定資産税等精算金を加算した金額です。

取得費は土地の売却の場合は購入額になります。
古くから持っている土地などで取得費が不明の土地もあると思います。
取得費が不明の場合は、土地を売却した利益の5%相当を取得費とします。

例えば土地が2,000万円で売れた場合は、その5%である100万円が取得費になります。
売値の5%を取得費とする場合、この費用は概算取得費と呼ばれます。

譲渡費用は仲介手数料などの各種手数料や建物を解体した場合はその料金を書いたものなどの合計金額です。

また土地の売買の際には消費税はかかりません

土地売却と確定申告

土地を売却した場合、売却の翌年には確定申告をする必要があります。

会社員の場合、確定申告は会社が年末調整として行ってくれますので、本人が確定申告をする機会はあまりないでしょう。

不動産を売却して利益を得た場合は、会社からもらう給与以外の収入ですので自分自身で確定申告を行わなければなりません。
不動産を売却した際の所得に対する税金は、給与所得などと分けて計算しなければならないからです。

土地を売却して発生した税金は、正確には土地を売却したことによって得た利益にかかる税金のことを言います。

損失が出た場合は?

土地売却の価格が土地を取得した金額よりも安かった場合、つまり土地売却で損失が出た場合は確定申告をする必要があるのでしょうか?

損失が出た場合でも税金の特例を利用することができます
損失が出た場合の特例とは、一定の条件を満たす場合に限って土地を譲渡した年に他の事業所得や給与所得などと損益通算をすることができるのです。
尚且つ、損益通算を行っても控除しきれない損失は、譲渡の年の翌年から3年に渡って、繰り返し控除をすることができます。
この特例を利用するためには確定申告が必要です。

この特例は長期譲渡所得の場合に利用することができます。

特例を利用しないのであれば、土地売却で損失が出た場合は確定申告をする必要はありません。

確定申告の際に必要な書類

確定申告をする際には下記の書類が必要になります。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 確定申告所B
  • 申告第三表 分離課税用
  • 譲渡所得計算証明書
  • 除票住民票
  • 売却物件の売買契約所の写し
  • 売却物件の購入時の売買契約書の写し
  • 媒介報酬や印紙代などの金額が分かる書類
  • 特例に必要な書類

特例に必要な書類は、譲渡損失が出た場合の特例を受けるケースにだけ必要となります。

確定申告はいつ提出するか

確定申告は毎年2月16日から3月15日の間に申告をする必要があります。
休日などの理由で若干日にちがずれることもありますので、あらかじめ調べておきましょう。

確定申告の方法がわからない?!

確定申告に慣れていない人は、事前に無料相談に参加することをお勧めします。
多くの自治体が確定申告の前に地元の税理士による確定申告の相談会を開いています
その際に注意しておきたい点としては、土地売却の際に受け取った領収書などの資料を持参することです。
具体的な数字がわかれば相談にのってもらうときにも説明を受けやすくなります。

またできることなら国税庁のホームページから申告書の用紙をダウンロードして、自分でわかる部分だけでも記入してみましょう。
国税庁では確定申告のやり方についての手引きを作っているので、その手引きをダウンロードし参考にして申告書の用紙に記入してみましょう。

利益が出たのに確定申告をしなかったら?

土地を売却して利益が出たにもかかわらず確定申告をしなかった場合は、本来納税しなければならない金額に加えて無申告税が加算された金額を支払わなければなりません。

無申告税の具体的な金額は、納付すべき税額に対して50万円を超える場合は20%、50万円までは15%を加えた額の税金を納めなければなりません。
確定申告の締め切りは3月15日ですから、間に合うように早めの準備を心がけましょう。

まとめ

土地売却を成功させるためには、まず良い不動産会社や営業マンを見つけることです。
不動産会社はそれぞれ得意分野があります。
建物を売買することが上手な会社もあれば、土地の売買に長けた不動産会社もあります。

土地を売ることを考えた時には、まず不動産一括査定サイトにアクセスしてみましょう。
不動産一括査定サイトを利用し、いろいろな不動産会社とコンタクトを取りながら、信頼ができ、土地売却に実績のある不動産会社と契約を結びましょう。

現実的に土地の売買には土地の価格以外にも多額の経費がかかります。
あらかじめ調べておける費用について確認しておき土地売却に備えましょう。
また利益が出た場合には、確定申告もしなければなりません。
土地売却には税金も関わってくるので、大体の予算をたてておきましょう。

土地の売却手続きや確定申告の際には多くの書類を求められます。
売却の手順を踏みながら、その過程で発生した書類はまとめて取っておくことをお勧めします。
事前に取得できる書類などは、あらかじめ不動産会社などと相談して取得しておきましょう。

土地の売却にはさまざまな知識や手続きが必要となります。
あらかじめ知識を持つことで、上手な土地売却を成功させましょう。

この記事の監修・執筆者

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

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鯨鑑定士の不動産売却・投資
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