マンション売却においてネックになるのが仲介手数料です。
不動産会社に仲介を依頼するのであれば、必ず仲介手数料が発生します。
この仲介手数料は売却時に必要な諸費用の中でも断トツに金額が高く、売却代金にもよりますが数十万円から数百万円程度の負担を余儀なくされるケースが多いです。
そのため仲介手数料を値引きしたいという感情が沸いてくるかもしれません。
仲介手数料の値引きは不可能ではありませんが、タダでは不動産会社も応じてくれません。
しかし交渉材料があれば値引きしてもらえる余地はあるため、どのように交渉したらよいのかコツを学びましょう。
目次
そもそも仲介ってどんなシステム?不動産売却における仲介・仲介手数料の基礎知識
まずは不動産売却における仲介とは一体何なのかを押さえましょう。
不動産売却をする方法はいくつかありますが、その中の1つが仲介での売却です。
不動産会社と媒介契約を結んで、第三者へ不動産を売る手段になります。
仲介は売却における最もスタンダードな方法のため、実際に仲介で売却する人が非常に多いです。
よって売却する際の一番最初に考える選択肢となるため、仲介に関する基礎知識を学んでいきましょう。
不動産会社経由で第三者に不動産売却するのが仲介
自分自身でマンション売却をする相手を見つけ出すのは大変です。
物件を探している人が丁度良いタイミングで現れるとも限りませんし、そもそも自分の物件を売りに出していることを周囲に知らせる手段も少ないです。
よって特別なツテでもない限り、自分自身で売却する選択肢は現実的でありません。
そこで頼りになるのが、不動産会社です。
不動産会社に仲介を依頼することで、不動産会社が広告宣伝をおこない相手方を探し出してくれます。
また無事に引き渡しが完了するまでのサポート業務も担ってくれるため、自分だけで売却活動をおこなうより遥かに効率がよいです。
つまり不動産会社を頼って第三者へ不動産を売却する方法が、仲介というシステムです。
あくまでも売る相手は個人となり、売主と買主の間を取り持ってくれる役目を果たすのが不動産会社になります。
仲介してもらうためには不動産会社と媒介契約を結ばなくてはいけません。
また、仲介によって無事買い手が見つかり売買契約を締結できたら、成功報酬として仲介手数料を不動産会社へ支払うことになります。
買取では仲介手数料不要
仲介は不動産会社経由で第三者に売却しますが、その一方で不動産会社自体に買い取ってもらう方法もあります。
それを不動産会社の買取と呼びます。
つまり仲介は買主が個人の第三者ですが、買取では不動産会社になります。
また買取の場合は、不動産会社に仲介してもらうわけではないため仲介手数料は発生しません。
それぞれの特徴に関しては下記の表にまとめてありますので、ご参照下さい。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
買主 | 第三者 | 不動産会社 |
仲介手数料 | 発生する | 発生しない |
引き渡し完了までのスピード | 遅い | 早い |
売却価格 | 高い | 安い |
買取なら仲介手数料不要なんですよね?それなら仲介ではなく買取で売却した方がよいのではないでしょうか?
確かに仲介手数料はかからないです。ただし買取の場合は、肝心の売却価格が仲介で売るよりも安くなってしまいがちです
どれくらい変わるのですか?
買取ですと仲介よりもおおよそ2割から3割程度、売却価格が安くなる傾向にあります。よって仲介手数料を支払っても、仲介にした方がお得になる可能性が高いです
仲介のメリット・デメリット
仲介と買取の違いが分かったところで、もう少し深堀して仲介のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリットとしては何といっても高値で売却しやすい点です。
不動産会社が宣伝広告費をかけて幅広く告知してくれるため、自分だけで相手探しをおこなうよりいろんな人に知ってもらえるチャンスが増えます。
購入希望者が増えればその分金額を吊り上げることができますので、結果として高値で売却できる可能性が広がるでしょう。
買取の場合は、再度売却することを前提として不動産会社が購入することになります。
よってなるべく低価格で買い取るために、仲介よりも低い価格での買取となるのが一般的です。
金額面では仲介の方が明らかに有利でしょう。
一方で買取にも良さはあります。
買取は不動産会社と直接取引をすることになるため、流れが非常にスムーズです。
売却話をまとめやすいですから、急いで売却したい時などはメリットが大きいでしょう。
仲介ですといつ相手が現われるか分かりませんので、相手が見つかるまでの無駄な期間が生じてしまいます。
また買取では大々的な宣伝活動をおこなわないため、周囲の人にバレずに売却しやすいのも特徴です。
不動産会社に仲介依頼の際、締結する媒介契約は3種類
不動産会社に仲介を依頼する際には、媒介契約を締結させる必要があります。
媒介契約では主に以下のことを取り決めます。
- 契約の種類
- 成功報酬の金額
- 契約期間
- レインズの登録についてのこと
- 売主への活動報告頻度
一言で媒介契約と言っても、実際には3種類ほどあるためどのタイプの契約を結ぶか選ばなくてはいけません。
選んだ契約タイプによって、媒介契約の内容も当然ですが変わってきます。
ただしどの契約を選んだとしても、基本的には国土交通省が定めるガイドラインをベースとした内容になります。
媒介契約のタイプは、以下の3種類です。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
仲介手数料を知るうえで媒介契約の種類まで理解する必要はないと感じるかもしれませんが、実は契約の種類こそが仲介手数料の値引き交渉に大きく影響します。
その内容は後の章にて詳しく解説しますので、まずは契約種類ごとにどのような特徴があるのか把握しましょう。
一般媒介契約
一般媒介契約は3種類ある契約タイプの中で、唯一複数の不動産会社に仲介依頼できる契約です。
よって複数の不動産会社に仲介をお願いしたい場合には、必然的に一般媒介契約を選ぶ必要があります。
さまざまな不動産会社と契約を結べるだけではなく、自分自身で買主を探す自己発見取引も許されています。
自由度の高い契約こそが、一般媒介契約です。
一般媒介契約はいろんな会社と契約できるというメリットがある一方で、デメリットもあります。
不動産会社からすると、自社で売却相手を見つけられるという確証がないです。
広告宣伝活動をおこなったのにも関わらず、別の不動産会社が見つけた相手と契約してしまうリスクを抱えているわけです。
売却活動中に費やした広告宣伝費を回収できる見込みが弱いため、売却活動に対するモチベーションが下がりやすいです。
よって他の顧客を優先されてしまう可能性が高く、積極的なサポートが期待できないかもしれません。
売却相手を幅広く探すことができるものの、売り出しに力を入れてもらいにくいという難点を持ち合わせています。
専任媒介契約
専任媒介契約は一般媒介契約と違い、1社としか契約を交わすことができません。
よって媒介契約を締結した不動産会社の力量に大きく左右されることになります。
ただしこの後紹介する専属専任媒介契約とは異なり、自己発見取引は禁止されていません。
そのため知人などにマンションを売却する余地は残されている契約です。
また一般媒介契約と違い、専任媒介契約はレインズへの登録が義務づけられています。
レインズとは不動産流通機構が運営している、中古物件の情報を記載及び閲覧できるシステムのことです。
不動産会社のみが利用できるシステムで、こちらを使うことで売主側と買主側のマッチングがしやすくなるため、早期売買に役立ちます。
一般媒介契約ですとレインズの登録は任意ですが、専任媒介契約では7営業日以内の登録が義務になっています。
よって一般媒介契約よりも幅広く、売却希望のマンション情報を届けることができます。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約では他社と仲介契約を結べませんし、自己発見取引も不可です。
通常なら自己発見取引時に仲介手数料は請求されませんが、専属専任媒介契約ですと自分で相手を探した場合でも、仲介したこととして見なされます。
よって不動産会社の恩恵を受けてなくても、仲介手数料を支払わなければいけません。
このように3種類ある契約の中でも、一番縛りがキツイものとなっています。
その代わり、契約を締結した不動産会社に優先して力を入れてもらいやすい条件が揃っている契約内容となります。
専任媒介契約ではレインズへの登録が7営業日以内と定められていましたが、専属専任媒介契約ではこれが5営業日以内です。
少し早く登録してもらえるため、他の不動産会社にいち早く物件情報を知ってもらうことができます。
また専任媒介契約と専属専任媒介契約では不動産会社が売主に活動報告をする義務があるのですが、専属専任媒介契約の方が短いスパンで報告期間が設定されていいます。
こまめに不動産会社からの報告を貰えるため、売却活動の状況を把握しやすいのがメリットです。
不動産売却時の仲介手数料はいくら?相場を把握しよう
仲介というシステムを理解したところで、次は仲介手数料に関して見ていきましょう。
売却時には以下のようなさまざまな諸費用を要します。
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 印紙代
- 司法書士への手数料
この中でも特に負担が大きいのが仲介手数料です。
よって仲介手数料がどのくらいかという問題は、しっかりと把握しておかなければいけません。
注意手数料の求め方や支払時期について紹介します。
不動産売却時の仲介手数料の上限値が法律で決まっている
仲介手数料の上限値は宅地建物取引業法にて定められています。
よって不動産会社は上限値を超えた金額を顧客に請求することは、禁じられています。
上限値の計算式は、表のとおりです。
売買金額 | 仲介手数料の上限金額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買価格の5%+消費税 |
200万超え400万円以下の部分 | 売買価格の4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 売買価格の3%+消費税 |
このように400万円超え物件の場合には、価格帯を3つに分けて計算することになります。
例えば2400万円で売却した場合、200万円までの部分に課せられる金額が200万円×5%なので、10万+消費税です。
200万円超え400万円以下の部分が200万円×4%=8万円+消費税となります。
最後に400万円超えの部分は、2000万円×3%=60万円+消費税です。
よってこれら3つを合計して、78万円+消費税が仲介手数料の上限値となります。
少々複雑ですので、この後ご紹介する速算式を活用するとよいでしょう。
尚上限については定めがありますが、下限に関しては特に決まっていません。
不動産会社が自由に設定できることとなっています。
よって仲介手数料を値引きする余地はあると言ってよいでしょう。
仲介手数料の上限額は速算式で簡単に求めよう
仲介手数料の上限を簡単に求めるには、以下の式を活用しましょう。
- 仲介手数料=売買価格×3%+6万円
こちらに消費税を加えたものが、仲介手数料の上限値になります。
尚この式は400万円超えの物件を売却する際に使えるものです。
不動産の売却時は、400万円以上の取引となることが大半ですから、かなり多くのケースで使用できる式と思ってよいでしょう。
速算式を使って、先ほどと同じく2400万円で売却した場合の仲介手数料を考えてみましょう。
計算式は2400万円×3%+6万円=78万円+消費税となり、3分割で計算した場合と同様の答えを導けます。
ちなみに400万円以下の売買では、計算値が満たなくても売主に18万円まで請求できることとなっています。
よって不動産会社が設定した18万円以内の金額を、仲介手数料として支払わなくてはなりません。
つまり売買価格が50万円であろうが400万円だとしようが、同じ18万円を請求される可能性が高いです。
不動産売却後、仲介手数料の支払いタイミングは?
仲介手数料は成功報酬ですから、売買契約が成立した時点で初めて支払い義務が生じます。
よって仲介を依頼する段階では払う必要がありません。
複数社と一般媒介契約を結んだとしても、最終的に売却相手を見つけてきてくれた会社にのみ仲介手数料を支払うことになります。
法律的には売買契約締結後であれば、不動産会社は仲介手数料を請求できることになっています。
ただし慣例として売買契約時に50%、残りの金額を引き渡し時に支払うのが一般的です。
多くの不動産会社では半分ずつの支払いとなっていますが、売買契約時に100%の支払いを請求されても違法ではありません。
法律的には何ら問題のない行為ですが、売買契約時の全額支払いは売主側にとって不都合です。
その理由は次に詳しく説明します。
売買契約時に全額支払いの場合は要注意
売主と買主のマッチングが完了したら、売却活動は全て終わりという訳ではありません。
その後引き渡しが済むまでの間、やらなければならないことは多々残っています。
売買契約が締結してから引き渡しまで1か月程度の期間を要するため、その間不動産会社にきちんと働いてもらわないと不都合です。
よって売買契約締結時に仲介手数料を全額支払ってしまうと、引き渡し完了まできちんと働いてくれるか心配が残ります。
まともな会社であれば業務をこなしてくれるでしょうが、悪質な業者であれば急に業務を放り出す可能性もゼロではないです。
よってリスク回避のために、仲介手数料の支払いは売買契約時と引き渡し時に分けておくのが望ましいでしょう。
仲介手数料の支払いタイミングは、不動産会社に仲介依頼する際の媒介契約時に取り決めを交わします。
よって契約を結ぶ前の段階で、支払いタイミングの交渉をすることが重要です。
仲介手数料を用意できるか不安です
交渉次第では、仲介手数料の支払いを全額引き渡し時にすることも可能です。媒介契約締結前に、一度相談してみましょう
仲介手数料は手付金で支払える場合あり、ただし手付金設定額に注意しましょう
仲介手数料の支払いが不安な場合でも、手付金で賄える可能性があります。
手付金は売買契約締結時に、売主が買主から受け取るお金です。
金額に関しては双方同意の上で自由に設定可能ですが、通常は10%程度が相場になります。
手付金を仲介手数料の支払いに充当することができるため、手付金の金額次第ではあらかじめお金を用意しておく必要がないです。
例えば先ほどの2400万円で物件を売却したケースで支払う仲介手数料の上限は、78万円+消費税でした。
手付金を10%にしておくと、買主から受け取れるお金は240万円です。
よって手付金を使えば、十分にカバーすることができるでしょう。
ただし注意点としては、手付金の設定金額です。
今回のケースで設定を3%にしてしまうと、受け取れる手付金は72万円まで減ります。
仲介手数料を全額手付金で賄うのが難しくなり、持ちだしが生じることになるでしょう。
そのため仲介手数料を自己資金で工面するのが心配な場合には、手付金の設定をなるべく高めにしておくことが重要です。
手付解除に注意しよう
売買契約時には、手付解除が生じるリスクも考慮しておく必要があります。
もし契約締結後に買主都合で契約解除する際には、売主側は受け取った手付金をそのままいただくことが可能です。
逆に売主都合で解除する場合ですと、売主は買主に対して手付金の倍額を渡さなければなりません。
とはいえ既に手付金を受領しているはずですから、売主が支払うのは受け取った手付金に同額をプラスしたお金だけです。
よって手付金を使っていないのであれば、準備するのは手付金と同額のお金のみですから、2倍の金額を準備する必要はありません。
気を付けなければならない点として、もし手付解除が生じても支払った仲介手数料は返金されないことがあげられます。
売主あるいは買主の都合で契約解除となる場合、不動産会社に落ち度はないからです。
きちんと仲介したものと見なすため、仲介手数料を請求されたとしても違法ではありません。
売主側の視点で考えた場合、万一受け取っている手付金が少ないのに買主都合で手付解除されてしまったら、自己資金で支払った仲介手数料分を損することになります。
このような手付解除のリスクも踏まえて、手付金の設定をおこなうようにしましょう。
仲介手数料の値引き交渉を成功させるためのコツとは?
不動産会社に支払う仲介手数料は非常に大きな金額です。
そのため何とか値引きしたいと思うのは、当然の心理でしょう。
とはいえ売却するにあたって宣伝広告費などに沢山の予算を費やしているため、不動産会社側としては回収したい思惑が強いです。
当然のように上限値を請求してきますので、それを崩すには一筋縄ではいきません。
値引きを要求したところで却下されてしまいます。
よって値引きを成功させるためには、ただお願いするだけでなく、きちんと交渉材料を用意しておくことが大事です。
値引きのコツについて見ていきましょう。
仲介手数料値引のポイントは交渉するタイミングにあり
値引き交渉を成功させるために大事なのが、交渉タイミングです。
タイミングとしては、媒介契約を締結させる前がベストでしょう。
不動産会社からすと、契約を結べないことには、仲介手数料を得るチャンスそのものが失われてしまいます。
多少仲介手数料が減ったとしても、契約を結びたいと考えるのはある意味当然です。
会社によっては契約数を重視するところもあるため、契約締結前は付け入る隙ができます。
要は契約を締結する前までは、売主側が主導権を握りやすい立場に置かれます。
逆に言えば契約を結んでしまった後は立場が同等になるため、値引きしてもらえる余地はありません。
契約を交わしてしまえば不動産会社としては値引きに応じる理由もないですから、値引き交渉が成功する可能性は限りなくゼロです。
値引き交渉を成功させるために最低限タイミングを重視する必要がありますが、タイミングが良くても交渉材料がないことには応じてもらいにくいです。
その交渉材料こそが、最初の章にて学んだ契約種類になります。
不動産会社に有利な契約を引き合いに出す
おさらいすると、媒介契約には以下の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約は複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。
一方の専任媒介契約と専属専任媒介契約は、複数社との契約は不可で、1社とのみ媒介契約を結べます。
不動産会社からすると、専任媒介契約と専属専任媒介契約は他社に持っていかれる心配がないため、望ましい契約内容です。
複数の不動産会社と契約できる一般媒介契約の場合は、時間や予算をかけて売却先探しをしたにも関わらず、結局他社に持っていかれてしまうリスクが潜みます。
よってあまり交わしたくない契約タイプです。
まとめると、一般媒介契約は売主が優位な契約内容であるのに対し、専任媒介契約と専属専任媒介契約は不動産会社が有利な内容になります。
そこで専任媒介契約あるいは専属専任媒介契約を結ぶから、仲介手数料の値引きに応じて欲しいと話を持ちだすのです。
大きな交渉材料となるため、仲介手数料を値引いてくれる可能性がグッと上がります。
仲介手数料の値引きに応じやすい中小企業に仲介を頼む
会社によって仲介手数料の値引きに対する姿勢は違います。
値引き交渉に比較的柔軟な会社もあれば、絶対に応じない会社もあります。
仲介手数料を安く抑えたいのであれば、値引きに抵抗のない会社に仲介を依頼するのが望ましいでしょう。
そこで気になるのが、どのような会社なら値引きしてもらいやすいのかという点です。
基本的には、大手の企業よりは地元を基盤とした中小企業の方が話を持ち掛けやすいでしょう。
理由としては、規模の小さい企業ほど自分の裁量で動ける部分が大きいため、仲介手数料の値引きを自分の独断で決めやすいからです。
中小企業ですと社長自らが対応してくれるケースも多く、金銭的な交渉がしやすいため値引きの余地があります。
なぜ大手の企業ですと値引きが難しいのですか?
大手は中小企業と違い、社内規定が厳しいからです。仲介手数料の値引きに関しても、営業マンの独断で決めにくいという事情があります
オペレーションの縛りが大きいんですね
そういうことです。値引きをするためにはまずは上司への相談が必須など、かなりの労力を費やすことになるため、営業マンとしては消極的にならざるを得ません
仲介手数料の値引きキャンペーンを活用する
不動産会社によっては、仲介手数料の値引きキャンペーンなどをおこなうところもあります。
そういったキャンペーンを適用すれば、面倒な交渉に労力を費やすことなく仲介手数料の値引きが可能です。
ただし頻繁におこなうわけではないため、キャンペーンを見つけること自体が大変かもしれません。
一般的には売却件数が増える時期に合わせて、キャンペーン実施も増えます。
例えば新生活準備として3月や9月などは、さまざまな特典を用意している会社が多いです。
よってこの時期に該当する場合には、使えるキャンペーンがないか不動産会社のホームページなどで探してみるとよいでしょう。
仲介手数料の値引きにおけるリスクを知っておこう
仲介手数料の値引きに成功すると、当然ですが支払う仲介手数料が減ります。
金銭的な負担が少なくなることから、すごく良いことのように思えますが、実は値引きにはリスクが潜んでいます。
意外と大きいリスクのため、仲介手数料値引きを検討している人は必ず知っておくべきでしょう。
たとえ仲介手数料が安くなったとしても、トータルで考えて得をするとは限りません。
一体どういうことなのか、解説していきます。
仲介手数料の値引きは、不動産会社のモチベーション低下に繋がる
安易に仲介手数料を値引きしてしまうと、不動産会社のモチベーション低下に繋がります。
不動産会社にとって仲介手数料は貴重な収入源です。
マンションの売り出しをするにあたって、広告宣伝費を費やすことになりますが、その費用は決して安くありません。
また売却活動をするうえで、さまざまな書類作成をおこなうなど、多くの労力をかけています。
よって不動産会社からすると、きちんと働いた分の費用を回収したいと考えるのは当然です。
仲介手数料が安くなると、積極的に売り出したいという意欲が下がってしまいます。
また広告宣伝にかけられる予算も減りますので、多くの人に物件を知ってもらうチャンスを逃してしまうかもしれません。
成約機会の減少に繋がるため、売り残るリスクが増えます。
無理な仲介手数料の値引きは、結果として不利な状況に追い込まれやすくなるため得策とは言い難いです。
無理な仲介手数料値引は、他の顧客を優先されてしまう可能性あり
不動産会社の顧客は決して自分だけではありません。
特に大手の不動産会社はたくさんの顧客を抱えているため、回転率を重視する傾向にあります。
よってある程度顧客に優先順位をつけて売り出しをおこなうケースが多いです。
ではどんな顧客なら優先してもらえるのかと言いますと、手間のかからない顧客でしょう。
早く売却できそうな状態の良い物件を抱えている顧客や、売却条件が厳しくない顧客が優先されがちです。
また営業マンも人間ですから、多少なりとも義理人情に左右される部分があります。
もし、きちんと仲介手数料を払ってくれた顧客と値引きした顧客がいた場合、満額を支払ってくれた方を優先したくなるでしょう。
後回しにされてしまうと、売却まで時間がかかる可能性が高くなり、デメリットが増えます。
両手仲介の時は仲介手数料の値引きは要注意!
不動産売却において、不動産会社が買主と売主どちらにも仲介をおこなうことを、両手仲介と呼びます。
一方、買主か売主のどちらかだけを担当する場合は片手仲介です。
両手仲介であれば、売主と買主両方から仲介手数料を貰えるため、不動産会社としてはなるべく両手仲介をおこないたいという思惑があります。
基本的に両手仲介自体は違法性のある行為ではないのですが、顧客側としてはあまり望ましい状態ではありません。
ここで注意しなければならないのが、売主と買主は利益相反の関係にあるという点です。
売主はなるべく高く売りたいですし、逆に買主は安く買いたいはずです。
両者の思惑が一致することは決してありません。
となりますと、両手仲介の場合では必然的に不動産会社はどちらかの肩を持たざるを得ない状態になります。
要はどちらか一方の要求を呑めば、相手方が損をする構図が出来上がるのです。
この関係が出来上がっている時に値引きを要求するのは、非常にリスクが高いです。
理由は次で詳しく説明します。
売買代金を値切られるリスクも
売主側が値引きを要求した場合、不動産会社としてはせめて買主側からは満額の手数料を請求しようと動きます。
両方の値引きに応じてしまうと、儲け分が少なくなるからです。
買主側から満額の手数料を支払ってもらった経緯がある以上、売主よりも買主を優先したいという気持ちが強くなります。
そのためもし買主側が物件価格の値引きを希望した際に、それに応じるように売主に働きかけるでしょう。
売主側としても仲介手数料の値引きに応じてもらった負い目もありますし、断り続けるのは難しいものです。
売買代金の値引きに応じざるをえない状況になりやすいため、肝心の売却価格で損をしやすくなります。
両手仲介ですと特にこのようなリスクが上がってしまいますので、不動産会社を100%味方にできないという状況を理解しておく必要があります。
仲介手数料を値引きするより不動産を高く売却することを考えよう
仲介手数料の値引きは節約効果が高いように感じますが、以上のような理由から、あまり賢明な判断とは言えません。
リスクの大きさと比較して、得られるリターンは微々たるものでしょう。
しっかりと高値で売却できれば、仲介手数料の負担は十分にカバーすることができます。
損して得を取れということわざ通り、仲介手数料の数十万円の値切りに奮闘するよりも、どうしたら高値で売れるか考えた方がよっぽど有意義です。
それでも仲介手数料の安さにこだわりたい時は、どうしたらよいですか?
最初から仲介手数料を低く設定している不動産会社を選びましょう。仲介手数料の安さをウリにしている不動産会社も、中にはありますよ
まとめ
不動産会社へ支払う仲介手数料を値引きしたい場合には、媒介契約締結前に交渉しましょう。
媒介契約には3種類ほどありますが、不動産会社にとって有利なものとそうでないものが存在します。
不動産会社に望ましい媒介契約を結ぶことを引き合いに出せば、値引きに応じてくれる可能性は高いです。
また大手の会社よりも中小企業を狙ってみるのも、値引きのポイントでしょう。
ただし仲介手数料の値引きが、必ずしも自分自身にとってプラスになるとは限りません。
仲介手数料を値引くことで、不動産会社のモチベーションが低下したり、売買価格の値下げに応じなければならなくなるなど、不利な状況に追い込まれる危険性が潜んでいるからです。
仲介手数料の値引き交渉は諸刃の剣でもあるため、本当に値引いてもらう必要性があるのかよく考えたうえで実行するようにしましょう。