不動産会社が行う買取保証とは?通常との比較でメリットとデメリットを解説

不動産会社が行う買取保証とは?通常との比較でメリットとデメリットを解説

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不動産会社が行う買取保証とは、売却方法の一つです。
不動産のチラシや広告等で、お家を売るならお任せください!買取保証あり!などという文言を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
家を売り出して買い手が見つからなくても買取保証があれば絶対に買い取ってくれる、そんなうまい話本当にあるの?と疑わしく思われる方も多いのではないでしょうか。

まだまだ一般的に浸透しているとは言えない買取保証。
実はこの売却方法は、売主にとって大変メリットの多い方法です。

しかし、仕組みや内容を理解していなければせっかくのメリットを得られないまま、大切な不動産を安値で買い取られるようなことになりかねません。
不動産売却をご検討の方は、買取保証について理解を深め、より良い条件での売却を目指しましょう。

今回は、不動産会社が行う買取保証について徹底解説してまいります。
買取保証の仕組みや他の売却方法との違い、メリットやデメリットについて通常と比較しながら丁寧にご説明して参ります。
是非最後までご覧ください。

こざかな生徒
こざかな生徒

買取保証とは、絶対に買い取りますよということですよね。
上手い話には裏があるのでは?と心配です。

条件が良すぎて逆に不信感を抱く方も多いようですが、とてもメリットが多いのですよ。
あるコツを押さえておくだけで、高値での買取りも期待できます!

クジラ先生
クジラ先生

不動産買取保証は買取と仲介のメリットを掛け合わせた売却方法

買取保証とは住宅を売ったり買い替えるとき、所定の期日までに仲介での売却ができなかった場合、不動産会社やその提携先企業でその物件を買い取ることです。

つまり、売出しても買い手が見つからなかった場合に、買取されるということになります。

不動産の売却方法には次の3つがあります。

  • 仲介
  • 個人売買
  • 買取

仲介とは、不動産会社が買主を見つけてマッチングさせる方法です。
個人売買とは、不動産会社を通さず、個人の売主と買主で売買契約を締結させる方法となります。
買取では、不動産貸家が直接不動産を買い取ります

仲介と買取を比較すると、買主・売却期間・価格に違いが見て取れます。
どのような違いがあるのか、下記の表をご覧ください。

売却方法買主売却期間価格
仲介個人3ヶ月程度相場に近い価格で売却できる
買取不動産会社早ければ1週間程度相場の7割程度

仲介の場合、売却期間に3ヶ月程度要するのが一般的です。

場合によっては1年以上買い手が現れないというケースも少なくありません。

買主が見つかってからも、条件交渉をしてから売買契約を締結、その後に引き渡しされるまで売却代金を受け取ることも出来ません。
全ての手続きを終えるまでに半年以上かかることもあるでしょう。

一方で買取は、販売期間を必要としませんので、最短で1週間程度と早期売却が出来る点がメリットとなります。
不動産を買取してくれる業者さえ見つかれば、ほぼ確実に売却可能です。
また買取の場合は不動産会社と売主が直接やり取りする形となりますので、売却の事情や売主の都合に合わせた売却スケジュールで進めることが可能です。

契約解除や瑕疵担保責任請求など不測の事態が発生する可能性が低いこともメリットとなるでしょう。

しかしながら、成約価格に関しては仲介の方が高くなる傾向にあります。
様々な広告媒体を使って売出し中の不動産情報を拡散し、売主が希望する価格で購入してくれる買主を探すことができるためです。
立地条件や物件の状態が良ければ、不動産市場の相場よりも高く売れる可能性もあるでしょう。

買取の成約価格は、相場の7割程度と言われています。
場合によっては相場に近い価格で買い取られることもありますが、ほとんどの場合は仲介で売るよりも安くなると考えてよいでしょう。
不動産会社は買取後、付加価値を付けて再度販売することになりますので、リフォーム費用や修繕費用を差し引いた価格で買取するためです。

どの売却方法を選んでも一長一短。
しかし、買取保証は仲介と買取のメリットを掛け合わせた売却方法です。

冒頭で、買取保証について次のようにご説明しました。

所定の期日までに仲介での売却ができなかった場合、不動産会社やその提携先企業でその物件を買い取る

これは言い換えれば、高く売れるチャンスもあり、確実に売却できるということ。

買取保証は、相場に近い価格で売却できる仲介と確実に売却できる買取のどちらのメリットも得られる方法と言えます。

こざかな生徒
こざかな生徒

買取りというと安く買い叩かれるイメージがあります…

一般的にはそのイメージがありますね。
しかし、買取にも種類があるのですよ。
種類によって特徴が異なり、売却価格や売却までの期間も変わります。

クジラ先生
クジラ先生

即時買取と買取保証の違い

買取には、即時買取と買取保証の2種類があります。

前項でお伝えした相場の7割程度で買取られる、最短1週間程度で売却できるというのは、即時買取のことです。
一般的に浸透している買取のイメージも、この即時買取です。

買取の種類買主売却期間価格
即時買取不動産会社最短1週間程度相場の7割程度
買取保証個人or不動産会社3~4ヶ月(仲介期間3か月間)相場に近い価格で売却できる可能性有

買取手続き

買取する不動産会社が決まればすぐに買取られる
一定の仲介期間で買主が見つからなければ買い取られる

即時買取と買取保証で大きく異なる点は、仲介があるかないか

即時買取は買い取ってくれる業者が見つかればすぐに買取手続きへと移行しますが、買取保証の場合は一定の仲介期間を設け、その間に売却できなければ買取となります。

一定の仲介期間で買主が見つかれば、不動産会社に仲介を依頼する形で売買契約を結ぶことになります。

買取保証と即時買取

不動産の買取保証が向いている人

仲介と買取のいいとこどりができる買取保証。
この売却方法がおすすめなのは、なるべく高く売りたいけれども売却期限が決まっている人です。
具体的には、次のような方が買取保証に向いています。

  • 買替により住み替え住居が決まっている人
  • 離婚で財産分与する人
  • 転勤の異動までに売りたい人
  • 相続不動産を遺産分割する人

買取保証は、○○日までには売却して現金化したいという方に向いている売却方法です。

例えば、新居が既に決まっている状態で不動産売却をする人、いわゆる買い先行で買い替えをする人
新居が決まっている場合の不動産売却は時間に余裕がありますが、売却までに時間がかかるとその分金銭的負担も増えます。
売れない間は二つの不動産に維持管理費がかかることになりますので、住み替え日までに売却を済ませるのが最適です。

買取保証なら、高く売れる可能性のある仲介売却での選択肢も残しつつ、住み替え日より前に買取する日を設定しておけば、それまでに確実に売却することが可能です。
新居購入時の手付金や決済時の費用もすぐに補填できるため、資金面での不安を取り除きたい方も安心できるでしょう。

不動産の買取保証のメリット

仲介→買取となる買取保証は双方のいいとこどりをしたような売却方法です。
そのため、一定の仲介期間で売れた場合は仲介のメリットを、買取の場合は買取のメリットが得られます。
また、最終的に買取されることが決まっていることで得られるメリットもあります。

仲介では下記のようなメリットが得られます。

  • 相場よりも高く売れる可能性
  • スケジュールが立てやすい
  • 買い先行で買替できる

仲介で売れず買取となった場合でも、次のようなメリットがあります。

  • 瑕疵担保責任が免責される
  • 仲介手数料が不要
  • 予め買取価格がわかる

買取保証では最終的に買取されることが決まっているため、仲介期間に無理に売却する必要がありません。
そのため、次のようなメリットも得られるでしょう。

  • 売却準備の負担が軽減される
  • 近所に売却がばれにくい傾向にある

では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

相場よりも高く売却できる可能性

一定の仲介期間を設ける買取保証なら、不動産を高く売れる可能性があります。
通常、不動産を仲介で売却する場合の売り出し価格は、査定価格に10%程度上乗せするのが一般的です。
最初の一か月間は高めの価格に設定し、その後段階的に下げていくことになるでしょう。

例えば、査定額が2000万円の不動産なら、200万円を上乗せし、2200万円で売却できる可能性があるということです。

結果的に買取となれば相場よりも低い価格での売却となりますが、仲介期間の早い段階で買主が見つかれば、相場よりも高く売れる可能性があるのです。

通常の不動産売却よりスケジュールが立てやすい

通常の仲介売却の場合、不動産会社との間で結ぶ媒介契約の有効期間(3ヶ月程度)を過ぎると、売却活動がストップします。
仲介を依頼する不動産会社を選定し直して新たに契約を結んだリ、価格や条件を見直して再度売出し、買い手が現れるのを待つことになりますので、いつ売れるのか分からないという不安が付きまとうでしょう。

しかし、買取保証なら契約したタイミングで買取日と買取価格が設定されますので、仲介のようにいつ売れるのか分からないという不安を抱えずに済みます。

ちなみに、買取保証における仲介期間は3ヶ月程度が一般的です。
通常の仲介売却とそれほど変わらない上、確実に売れるという安心感が付帯されるのは大きなメリットといえるでしょう。

買取保証の利用で買い先行で買替できる

買取保証が向いている人の項目でもお伝えした通り、買い先行での買替ができるのも買取保証のメリットです。
売却代金以外の資金を購入代金に充てる場合、買取保証であればいつそれを補填できるかが分かるため、資金面での負担や不安が軽減します。

また買取保証は、売却代金を購入費用に充てたい場合にも有効な売却方法となります。

一般的に、家を売却してその代金を受け取るまで新居を購入することはできません。
しかし、買取保証をする不動産会社や提携する金融機関によっては、つなぎ融資や立替え払いを利用できる可能性があります。

利用条件にクリアすれば、新居購入から引っ越しまでをスムーズに行うことが出来るでしょう。

不動産売却リスクの一つ「瑕疵担保責任」が免責される

中古不動産の売却におけるリスクの一つと言われている瑕疵担保責任。

瑕疵担保責任とは、引渡し後に不動産の瑕疵(欠陥等)が見つかった場合に売主が負う責任のことです。
要は売却後にも補修費用を払う可能性が生じるということ。

瑕疵担保責任とは

築年数の古い不動産等で瑕疵担保責任が免責されている場合を除き、仲介による不動産売却では必ずこの責任を負わなければなりません。
ただし、瑕疵担保責任は買主が個人の場合にのみ生じるため、買取のように買主が不動産業者の場合には免責されます。

不動産業者は買取をする際、念入りな調査を行い、買取査定額を算出します。

瑕疵についての確認がなされており、査定額には瑕疵分が考慮されていることになるのです。
そのため、引き渡し時に瑕疵が見つかったとしても、それは不動産会社が見落とした過失として認められます。

買取保証に設けられている一定の仲介期間に個人の買主が見つかり、契約を結んだ場合には瑕疵担保責任が付きますが、期間満了後の買取りでは責任を負うことなく売却できるため大きなメリットとなるでしょう。

不動産売却時の仲介手数料が不要

不動産の売却にはさまざまな費用がかかりますが、その中の大部分を占めるのが仲介手数料です。

仲介手数料とは不動産会社に仲介を依頼し、買い手との間で売買契約が締結した時点で発生する手数料のことで、売買契約を成立してくれたことへの成功報酬として不動産会社に支払うものです。

仲介手数料の例

仲介手数料は売買価格×3%+消費税です。(400万円を超える部分)
売却価格に対してどのくらいの仲介手数料が必要になるかについて、下記の表をご覧下さい。

売却価格仲介手数料(税抜)仲介手数料(消費税10%込)
500万円22万円23万1000円
1000万円36万円39万6000円
3000万円96万円105万6000円
5000万円156万円171万6000円

上表で示した仲介手数料は、宅建法で定められている手数料の上限額です。
仲介手数料半額、ゼロ円としている不動産会社も一部ありますが、大半の不動産会社ではこの上限額を設定しています。
仲介で売却するときの費用負担についてお分かりいただけたでしょう。

出典:国土交通省 不動産流通について

買取で売却する場合は仲介手数料はかかりません。

仲介と買取では利益構造が異なるためです。
仲介の場合は仲介手数料が不動産会社の利益になりますが、買取の場合は買取った金額+付加価値のためにかけた経費以上の価格で販売し、差額分を利益とするのです。

買取になった場合は支払う必要がなくなりますので売却にかかる費用の負担軽減が期待できるでしょう。

予め不動産の買取価格が分かる

先の項目でもお伝えした通り、買取保証の場合は仲介で売却活動を行う期間と買取価格が予め決められます。
買取価格が決まっていると資金計画が立てやすくなるというメリットがあります。

通常の仲介売却の場合、売れなければ価格を下げざるを得ず、これくらいで売れるだろうと思っていた最低ラインを割る可能性もあります。

一方で買取保証なら、買取価格が最低ラインとなりますので、それ以上下がることはありません。
更に値下げしなければならなくなったらどうしようと悩む必要もないので、予算管理をしやすくなるでしょう。

不動産売却準備の負担を軽減できる

仲介では、売買契約の前に内覧が行われます。
購入希望者が不動産の現況を確かめ、購入するかしないかを決めるためです。

内覧は売却の決め手となる大切なステップとなりますので、売主自身も事前準備を行う必要があります。
室内の掃除はもちろん、外回りの片付け、収納部分の整理、水回りに汚れがある場合はハウスクリーニングをすることも。
購入希望者を惹きつけるため、できる限り物件内を整えておく必要があるのです。

しかしながら、内覧の度にその為の準備をするのには手間がかかりますし、外注した場合には予定外の出費となってしまうでしょう。

仲介にこだわらず買取保証で売却する場合、最終的には不動産会社が買い取ってくれることが決まっていますので、このような内覧準備が通常よりは時間がかからなかったり負担が少なくなることが多いです。

物件内に目に見える傷や汚れがあっても、業者が買い取った後に何らかの手を加えるため、売主は一切の修繕費用を負担せずに済みます。
買取時のサービスとして家電や家財の処分もしてくれるため、売主が住んでいるそのままの状態で売却することが可能です。

近所に不動産を売却する事がばれにくい

プライバシーの関係から、ご近所に不動産売却を知られたくないという方も多いでしょう。
ご近所に知られないように早く売りたいけど、もし高く売れたらラッキーとお考えの方にも買取保証を利用するメリットがあります。

一定の仲介期間を設けてはいるものの、積極的な売り出しをしたくない場合は近隣に配布するチラシに掲載しないなど、販売活動の制限や配慮も可能です。

ただし近隣に内緒で売却する場合は仲介での売却確率は下がります。

ある程度、買取になる可能性が高いと心得ておきましょう。

買取保証のメリットは?
こざかな生徒
こざかな生徒

仲介で売れても、買取で売れてもメリットがありますね!
最終的に買い取られることが決まっていることで、売主さんは安心して売却活動ができますね。

仲介と買取のいいとこどりができる売却方法なだけあって、他の売却方法に比べてメリットも多めです。
ただし、不動産売却はいかなる方法であってもリスクはあるものです。
デメリットやリスクを理解し、それに対する対策を講じることで不動産売却の成功率は高くなります。
次項からは買取保証のデメリットや対策についてお伝えしていきますので、最後までご覧ください。

クジラ先生
クジラ先生

不動産の買取保証のデメリット

不動産の売却には様々な方法がありますが、どれもメリットデメリットが存在するもの。
仲介と買取のメリットを併せ持つ買取保証も、それは同じです。

一定期間設けられている仲介で売れた場合、売却価格は高くなりますが、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。
仲介で買い手が見つからず買取となった場合はそのまま買取手続きへと移行し売却が完了しますが、おそらく仲介で売却するよりも低い価格で買い取られるでしょう。

仲介と買取のいいとこどりではありますが、デメリットも掛け合わせたものになると心得ておく必要があります。

また、特殊な売却方法ゆえの制限も存在します。
ここからは、買取保証のデメリットをみていきましょう。

不動産の価格設定には制限がある

不動産会社によっては、買取価格・売り出し価格・売り出し中の価格に制限があります。

買取価格の目安は相場の約7割、最大で9割程度です。

このように、相場よりも割安で取引されるのには、次のような理由があります。

  • 買取保証の査定価格は通常の仲介よりも5~10%安くなる
  • 買取価格は査定価格の最大90%までと制限されている

買取保証を付けない仲介よりも査定額自体が低くなるうえ、買取価格にも制限が設けられているのです。

また、売出し価格と売り出し中の価格にも以下のような制限が設けられています。

  • 売り出し価格は査定価格の最大115%まで
  • 売り出しから1ヶ月後には査定価格の100%以下に修正する
  • 売り出しから2か月後には査定価格の90%以下に修正する

これはあくまでも一例ではありますが、多くの不動産会社は買取保証の条件としてこのような価格制限を設けています

中には、通常査定と変わらない価格で買取します!と謳っているところもあるようですが、はじめから査定額を少なく見積もっているのが実情です。

条件を満たさなければ不動産の買取保証は付けられない

買取一括査定サービスを利用して相場に近い価格で買い取られるなら、通常の仲介ではなく、買取保証を利用した方が断然良いです。

しかし、買取保証は定められた条件をクリアした不動産でなければ利用することができません

どのような条件であれば買取保証ができるのか、下記表に大手不動産会社の条件をまとめましたのでご覧ください。

対象物件不動産会社の営業可能エリアに所在していること/居住用不動産であること
基準敷地(専有)面積が40m2以上あること/建築基準法等を満たした住宅ローンが利用可能な物件であること

不動産会社によって詳細条件は異なりますが、大枠はこのようになります。
要は、買い手の需要があるかどうか
買い手が付かなそうな不動産は買取保証できないということです。

新耐震基準を満たしていなければ新たな買主は住宅ローンを組めませんし、専有面積40m2以下だったり人口が少ないエリアだと、不動産会社が付加価値を付けて再販してもなかなか買い手が見つかりません。

買取保証を利用したい場合は、まず不動産会社に条件の確認を行い、自身の不動産と照らし合わせる必要があるでしょう。

不動産会社との専属専任媒介契約を途中で破棄しにくい

買取保証で売却する場合は、不動産会社との間で専属専任媒介契約を結びます。

媒介契約とは、不動産の売買を不動産会社に依頼することを取り決める契約のことです。

媒介契約の種類と特徴

媒介契約にはこの他、一般媒介契約と専任媒介契約がありますが、中でも専属専任媒介契約が最も拘束力の強い契約形態となります。

媒介契約自己発見した買主と個人売買できるか複数の会社と媒介契約を結べるか
一般媒介契約
専任媒介契約×(1社のみ)
専属専任媒介契約××(1社のみ)

専属専任媒介契約を結んでいる間は、他の不動産会社に仲介を依頼することはできません。
媒介契約の有効期間は最大3ヶ月となりますので、その間は契約解除を申し出ることもできません。
解約を申し出た場合は違約金としてこれまでにかかった広告宣伝費等を請求される可能性もあります。

また、買取の条件や価格は契約時に決めた内容を途中で変更することもできませんので注意しましょう。

契約後に後悔しないためにも、契約を結ぶ不動産会社は慎重に選ぶことが大切です。

不動産会社が積極的に販売活動がされない可能性

不動産会社が仲介した場合に得られる利益となる仲介手数料と、買い取ったものに付加価値を付けて再販したものだと、後者の方が利益率が高くなります。

そのため不動産会社は仲介で売却されることなく買取したいと考えています。
買取保証では買取が着地点となりますので、不動産会社によってははじめから買取することを目的とし、仲介期間に熱心に販売活動しないところも存在します。

広告宣伝費などの販売活動にかかる費用も含まれているため、コストをかけずに(積極的な販売をせずに)買取した方が良いと考えているのです。

もちろん、全ての不動産会社が買取保証で手を抜くわけではありません。
熱心な仲介売買を行ってくれるところ、もし買取になったとしても転売して得た利益を還元してくれる所もあります。

要は、どの不動産会社に依頼するかが重要ということです。

買取保証のデメリットは?

買取査定額を高くするコツと不動産会社選びについて

前項でお伝えした買取保証のデメリットに対して不安を覚えた方も多いことでしょう。
しかし、不動産会社選びにさえ気を付ければ大丈夫です。

買取保証で不動産売却をする場合は、いくつかの不動産会社を比較しましょう。
特に査定に関しては、1社だけに依頼するのと複数社に依頼するのでは結果が大きく変わります。

買取保証のデメリットの一つに、価格設定の制限がありました。
売り出し価格も、売出し途中の価格も、そして買取価格も、全てのベースになるのが査定額です。
査定額が低い=売り損してしまうことになりますので、このデメリットを回避するためには査定額を高くすることが重要です。

査定額を高くしてもらうことなんてできるの?と思われるかもしれませんが、あるサービスを利用するだけでその可能性はずっと高くなります。

不動産のような固有資産は定価がありません。
しかし、オークションのような入札式で競争原理が働けば価格はつりあがっていきます。
不動産の買取業者を入札式で競争させる方法、それは一括査定サービスです。

一括査定サービスとは、誰もが無料で利用出来るインターネット上のサイトです。

不動産売却で利用される一括査定サイトには仲介と買取の二つがありますが、買取保証で高額査定を狙うなら買取の方を利用しましょう。
仲介の方は売却予想価格を競わせる形となりますが、買取の方は買い取る価格を競う形となるからです。

不動産売却一括査定サイト徹底比較

買取の一括査定サイトを利用すれば、相場の7割程度で買い取られるというデメリットを回避できるかもしれません。
場合によっては相場の9割程度の査定額を出せる可能性もあります。

不動産一括査定サイトを選ぶポイント

一括査定サービスを利用し比較もできる

入札式となる一括査定サービスを利用すれば、自動的にあなたの不動産を買取りたいという業者が手を挙げます。
自身で買取ってくれる不動産を探す必要がありません。

専属専任媒介契約となる買取保証では途中で契約解除できませんので、仲介期間も積極的に営業活動を行ってくれるところ、付帯サービスが充実してくれるところを選ぶことが大切です。

一括査定サービスなら、手を挙げてくれた業者を比較して、その中から最も適切な会社を選ぶことが可能です。
不動産会社がこれまで行ってきた仲介売却の実績や、広告掲載の種類を確認すると、仲介売却でどのような販売を行ってくれるかをイメージできるでしょう。

媒介契約期間中に新居の購入費用を一時的に融資してくれるつなぎ融資があるか、買取後に再販売した際に利益が出たら還元してくれる利益還元制度があるか。
こういったサポート制度が充実しているところと契約できれば、買取保証のメリットをより享受できるでしょう。

サービス内容を始め、契約期間、条件等を比較して、自身の不動産と希望に合った不動産会社を選ぶことが大切です。

専属専任媒介契約では、売却活動の状況について1週間に一度売主へ報告する義務があります。
これは法律によって定められていることです。
報告があった場合は、どのような営業活動をしているのか、広告はどのように出しているのかなど細かな確認を行いましょう。
熱心に活動しているかのチェックができますし、売主が売却活動に関心を持つことは不動産会社にとってもプレッシャーになりますので、積極的な販売活動に繋がる可能性があります。

クジラ先生
クジラ先生

仲介で高く売却したい場合は、売主もその活動に関心を持つことが大切ですね!

クジラ先生
クジラ先生

まとめ

ここまで、不動産会社が行う買取保証について解説してまいりました。
買取保証は、一定の仲介期間で不動産の売却が成立しなかった場合に、不動会社が買い取る仕組みです。
仲介が持つ相場よりも高く売れる可能性と、確実に売却できる買取のメリットを併せ持った売却方法となります。
これまで安く買い叩かれるなど、買取に対してマイナスイメージをお持ちだった方も、メリットの多い売却方法であるとお分かりいただけたでしょう。

この売却方法では、最終的に買取されていることが決まっているため、無理に仲介で売却しなくても良いからこそ得られるメリットもあります。
不動産の売却には様々な方法がありますが、、これほどメリットの多いものはなかなかありません。

一方で、特殊な方法であるがゆえのデメリットもあります
制約が多く、条件を満たした不動産しか利用することはできません。
不動産会社選びを誤れば、積極的な販売活動がされないまま、相場よりもずっと安い価格で買い取られてしまう可能性もあります。

そのようなデメリットを無くすため、買取保証で不動産を売却する場合は、買取の一括査定サービスを利用しましょう。
買取額を各社に競わせることで査定額を高くすることができるうえ、サービスや販売方法、実績を比較して最適な会社を選ぶことができます。
ご自身に合った条件で売却できるよう、しっかりと比較検討を行いましょう。

この記事の監修・執筆者

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

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