住宅購入する時、「買い付け申込書」を売主に渡します。
申込書を渡すことは、約束と同じニュアンスだと思われる方も多くいるでしょう。
そのため、やっぱり購入を取り消したいと思った時、どのような対処をしたら良いか不安になるものです。
この記事では、買い付け申込書をキャンセルする時の手続きや、ペナルティについて解説しています。
是非参考にして頂いて、購入の取り消し時には、円滑に進められるようにしましょう。
分かりました!
目次
買い付け申込書をキャンセルできる?
結論から言うと、キャンセルはできます。
この申込書は法的な力は無く、売主に対して「家を購入したいと考えています」という意思表示をするものです。
申込書の取り消し方法は単純に、不動産会社に連絡して「キャンセルします」と伝えるだけです。
とはいえ、購入意思を伝える申込書なので、直ぐにキャンセルできるからと言って、安易に出すのは控えた方が良いでしょう。
次に詳しく紹介していきます。
買い付け申込書とは
「家を買いたい」という意思表示の書類です。
申込書には主に以下の内容を記入します。
- 家の予定購入額
- 契約できる日
- 手付金の予定
- 引き渡しはいつできるか
- 住宅ローンは組むのか 等
このように詳しく書いて売主に対し、購入したい気持ちをアピールして、話をスムーズにします。
他に気になった物件があったとしても、複数に申込書を出すことは、やめた方が良いです。
基本的に、購入したい物件一つだけに出します。
申し込みを取り止めする理由
せっかく家を買おうとして申し込んだのに、取り消してしまうのは主に以下の理由があります。
家族に同意を得られなかった
家を買うというのは、両親や配偶者など一緒に住んでいる家族の生活も変化することになるので、自分だけで決められないことが多いです。
気になる家に1人で内覧へ行き、買いたい気持ちが高まり、営業担当者にすすめられるがまま、申込書に記入。
ところが、家に帰って家族にその旨を伝えると反対され、自分自身もその場のノリで申し込んでしまったと反省して、取り消しにするケースはよくあります。
他にも魅力的な家があった
不動産会社の周辺エリアでも、全部の物件を取り扱っている訳ではないです。
例えば、「他にも良い家はないですか?」と不動産業者に聞いて、「ない」と言われたから、買い付け申込書に記入。
その帰り、申し込んだ物件よりも魅力的な家を見つけてしまった場合は、そちらに申し込みを変更したいとなり、取り消しになることは多いです。
毎月の返済が心配になった
毎月の返済額が、今住んでいる家賃と一緒か、それより安かったとしても、家を購入することは高額な住宅ローンを組まなくてはいけないので、心配になるというもの。
毎月の支払いは今までと変わらなくても、戸建てを購入した場合、以前より部屋が広くなるので電気代が高くなったり、税金もかかってきたりします。
後々考えてみたら、毎月に支払うものが増えることで、取り消しになるパターンもあります。
きちんと確認したら希望と違っていた
内覧時は分からなかったけど、朝や夜の時間帯になると、また違った環境になっていることがあります。
例えば、朝だと出勤ラッシュで車が多くなって危険なことや、夜だと灯りが少なく周りが見渡せないことなどあるでしょう。
そのため、担当者と内覧した時の周辺環境と違っていて、取り止めになることもあります。
買い付け申込書が必要なワケ
家を買いたいという意思表示だけなら、別に申込書を出さなくても良いと考える方も少なくないでしょう。
買い付け申込書を出さなくてはいけないのは、売主が購入希望者を把握しておくために必要になります。
また、購入希望者が沢山現れたら、優先的に話し合うことも可能です。
後から現れた人の方が、条件が良かった場合は、優先順位は変わってくることもあります。
大体は、最初に申込書を出した人が、後から申し込んできた人より、購入意思が強いのか確認されて、合意したら売主は最初の購入希望者と取引をするというもの。
人気のある物件だと、投資家や業者からも目星を付けられるので、口頭のみの案内だけでは把握しきれないため、買い付け申込書を見て判断しています。
契約書とは何が違うのか
申込書と契約書の違いは、申込書は買いたいという意思を表すもので、契約書は売買契約を交わす書類になります。
そのため、2つの書類は全く異なるものです。
申込書の内容に売主が全て了承したとしても、実際の契約で約束するものとは別になります。
契約は口頭でも成り立つと言われていますが、不動産のような高額な取引の場合は不可になります。
手付金との違い
申し込みをする際に申込金を払います。手付金とは別のもので、契約する前に渡すのが申込金。
不動産の売買契約を結ぶ時に渡すのが、手付金になります。
買主の事情で契約を取り消すことになった場合は、手付金を捨てて解約します。
申込金に関しては、申込書と一緒にお金を出すことで、購入の意思が高いと捉えることができるでしょう。
申込金は、手付金のように法的に用意しなくてはいけないものではなく、不動産の事情で行われていることが多いです。
いつまでに取り止めできるのか
契約書にサインをして売主に手付金を渡すまでに、買い付け申込書を取り消しできます。
不動産の売買契約をする際には、重要事項説明を業者は必ずしなくてはいけませんが、説明の内容に納得がいかなかったりした場合は、契約を取り止めすることが可能です。
この時は、売主も同席しているので、目の前で取り消しすることになりますが、契約書にサインをする前なので、法的には何の問題もありません。
また、申込書を取り消しする場合は、相手方に連絡をしてきちんとキャンセルを伝えるのが道理です。
なるほどです!
たまに、申し込みだけして連絡が取れなくなる人もいます。
連絡を入れずに取り止めすると、今後は不動産会社からサポートを受けるのは難しくなるでしょう。
さらに、業界の中でそのような情報が出回ってしまうと、どの不動産会社に行っても話を聞き入ってくれない恐れがあります。
申し込みするだけして、毎度キャンセルするようなことは、しない方が身のためです。
実際に、購入したいと申込書を出しては、取り消しを続けていた人がいました。
その人は業界で有名になってしまい、家が欲しいと思っても購入できなくなったそうです。
申込書を出すのが遅れて失敗したケース
家を買うか迷って、買い付け申込書を出すのに、ためらう方も少なくありません。
営業マンが「早く決めないと、他の人に取られますよ」とよく言ってきますが、本当に購入されてしまうことがあります。
申込書を早く出した方が、優先的に購入できる可能性が高くなります。
申込書を出すのが遅れて失敗した人も多くいるので、気をつけておきたいです。
よって、これから失敗しないためにも事例を紹介していきます。
価格を決めている最中に購入された
人気のある地域で理想とする物件を見つけたAさん。
しかし、理想の物件でしたが価格が予算60万円オーバーしていたのです。
なんとか値下げができないか、売主と話し合いすることにしましたが、応じてくれませんでした。
Aさんは考えた末、安くならなくても購入を決意しますが、Aさんが悩んでいる数日の間に、他の買い手が見つかり購入されてしまったのです。
Aさんはショックでしたが、また新たに物件を見つけて購入することに。
新しく物件を見つける間は、時間がかかってしまい、家賃もその分支払うことで無駄な出費となってしまいました。
迷っている間に購入された
望んでいた物件を都内で見つけて、内覧することにしたBさん。
周辺の利便性も良くて、とにかく条件にマッチングしていました。
ところが、探して直ぐに望んでいた物件を見つけてしまったので、他の物件を全然見ていませんでした。
そのため、ここよりもっと良い物件があるのかもしれないと思い、別の物件も内覧へ行くことに。
Bさんが他の物件も内覧して、やっぱり最初に見た物件に決めようとした時には、別の人に購入されていたのです。
Bさんはまた物件を探すことになってしまいました。
失敗した事例を2つ紹介しました。
どちらとも条件に合う家を見つけられたのに、即決して申込書を出せていない点が失敗に繋がっているようです。
他の人に購入されてしまい、また同じような良い物件を探すのは時間がかかります。
直感で良い物件に出会ったら、直ぐに申込書を出すようにしましょう。
次に、買い付け申込書の他にも、不動産売買の最中に取り消した場合はどうなるのか、紹介します。
不動産取引中に取り消しできるの?ペナルティはどのくらい?
不動産の取引をしている最中に、やっぱりキャンセルしたくなった場合、どうしたら良いか悩むと思います。
売買契約や、不動産会社との媒介契約の取り消しには、どのくらいのペナルティが課せられるものなのか?
そもそも契約は取り消しができるものなのか?
ここからは、契約の取り消しについてと、ペナルティはどのくらいかかるのか解説していきます。
取引中は取り止めできるの?
買い付け申込書と同様に、不動産の取引中でもキャンセルができます。
また、契約を結んだ後でもキャンセルはできます。
ただし、取り止めする時期によってはペナルティが課せられることもあるでしょう。
例えば、売買契約を結んだ後、相手の方が契約に沿って実行開始している場合は、ペナルティ代を求められることが多いです。
また、主に以下のような項目のタイミングでも変わってきます。
- 訪問査定が終わった時
- 不動産会社と媒介契約をした時
- 買い付け申込書を貰った時
- 専任媒介契約をしている最中
- 売買契約を結んだと時
- 精算する時
取引中でも違約金が出る時と、出ない時はどのような場合なのか、具体的に紹介していきます。
ペナルティがない場合
不動産の売買で取引中にキャンセルしてもペナルティがない場合はこちらです。
訪問査定の後
不動産の売買をする時、通常は不動産会社に依頼するものです。
その際に、家を売却しようと考えたら、どのくらいの売却額になるのか、査定を行って貰います。
最初に大まかな査定をして貰って、次に現地で査定を行って貰う「訪問査定」をします。
不動産会社に訪問査定して貰って、自分の思った金額ではなかった場合、売却をためらうこともあるでしょう。
そうなった場合、訪問査定をして貰った後でもキャンセル代は、かかりません。
稀に、悪質な手口を使ってくる業者もいて、訪問査定の後でも違約金を求められる時もあるかもしれませんが、1円も払う必要はないので気をつけましょう。
媒介契約を結んだ後
訪問査定をして貰った後、売却額に問題がなければ不動産会社と、媒介契約をします。
契約を締結することで、不動産会社は売却活動をスタートさせられます。
営業担当者が家を売却するため、色々動いてくれている最中、「やっぱりキャンセルしたい」となったらペナルティ代が発生すると思うものですが、この時もお金はかからず取り消しができるというもの。
媒介契約を結んだ後だからと言って、取り消しでペナルティ代が出ることは原則としてありません。
とはいえ、不動産会社は一度契約を結んだお客さんから、取り消しの申し出があった場合、説得しようと考えるのが一般的でしょう。
そのため、「契約を取り消したい」と不動産会社に申し出たら、話し合いになることは念頭に置いてください。
取り消しをスムーズにさせたいのであれば、一般媒介契約ではなく「専任媒介」で契約することをおすすめします。
専任媒介は契約期間が3ヶ月と決まっているので、その更新のタイミングで取り止めすると良いです。
3ヶ月が経ってからなら、不動産会社もそこまで引き止めはしてこないでしょう。
申込書を貰った後
前述した買い付け申込書です。
自分が家を売ろうとした場合、購入希望者から申込書を貰うことになります。
申込書を貰ったということは、相手は家を気に入ってくれて、買いたいと思ってくれている状態です。
よって、申込書を受け取ったら、売買取引を行って引き渡しまで早く話が進んでいくので、取り止めしたいなら早く伝える必要があります。
家をやっぱり売らないと伝えた場合も、ペナルティ代は発生しません。
民法では、申し込みされたら契約成立となりますが、家を売る場合は宅建業法が先に適用されます。
宅建業法では、申込書を受け取ったくらいでは契約にならないとしています。
ペナルティがある場合
次は、取引中に取り止めしてしまい、ペナルティが発生する例を紹介します。
勉強になります!
専任媒介の契約中
前述した専任媒介ですが、専属専任媒介と専任媒介に分かれていて、どちらも1つの不動産会社としか契約を結べません。
売却活動の内容に違いがありますが、どちらも契約期間は3ヶ月になることがほとんどです。
種 類 | 契約数 | 売却活動の報告 | レインズの登録 | 契約期間 |
一般媒介契約 | 複数 | 義務はなし | 義務はなし | 無期限 |
専任媒介契約 | 1社のみ | 2週間に1回以上 | 契約後7日以内 | 3ヶ月 |
専属専任媒介契約 | 1社のみ | 1週間に1回以上 | 契約後5日以内 | 3ヶ月 |
3ヶ月の契約中に取り消しとなると、ペナルティ代が生じてきます。
契約書の内容には、「これまで売却活動にかかった費用を請求できる」と書いてあることが多いので、その分の費用を払わないといけなくなるでしょう。
しかし、全部の費用を支払う訳ではなく、約款に書かれている約定報酬額と決められています。
この報酬額は、契約が決まったら不動産会社に払う仲介手数料ことです。
契約金額 | 仲介手数料の上限額 |
400万円超 | 取引額の3%+6万円+消費税 |
報酬額は、売却額×3%+6万円+消費税が相場になるので、ペナルティ代はこの位と考えておくと良いでしょう。
例えば3,000万円の不動産を売っていた場合、105万円が違約金になるという訳です。
契約が更新される3ヶ月後のタイミングに取り消しをしておくと、ペナルティ代は払わなくて済むので確かめておいてください。
契約をした後
きちんと契約を結んだことになるので、取り止める場合は購入希望者にペナルティ代を支払うのが必須になります。
料金に関しては法的な決まりはありませんが、手付金から計算されることがよくあります。
売り手が契約を取り止めした時のペナルティ代の計算の仕方は、受け取った手付金の2倍となっています。
手付金が50万円受け取っていたら、100万円を払うということです。
実際に買い手に払う金額は、50万円になります。
取り消しのペナルティ代の計算は以下の通りです。
手付金50万円+実際に払う50万円=【100万円のペナルティ代】
契約を取り止めたい時は手付金を確かめておいて、どのくらい支払うのか計算しておくと良いでしょう。
精算する時
契約を結び、後は買主から残りのお金を受け取るだけのシチュエーションで、取り消しをした場合もペナルティ代は発生します。
大体の契約書には、売買額の10〜20%と記載してあるというもの。
例えば、3,000万円の住宅を売ろうとしていたけど、取り止めたいとなった場合は、300万〜600万円のペナルティ代がかかると思っておくと良いです。
また、この時期に取り止めてしまうと、直ぐ現金で支払うように請求されるので、心構えをしておく必要があると言えます。
契約後にペナルティ代が出る時は、契約が進んでいるか、どうかでも金額も違ってくるので確かめておいてください。
例えば、以下のような内容の時です。
売主 | 登記の手続き中 |
買主 | 代金を渡している |
次に、上記以外にも取り止めに関して、解説します。
契約の後にキャンセルする場合
買い付け申込書や取引中の取り消しについて紹介してきましたが、次に契約をした後の取り止めにはどういったパターンがあるのか、以下の例を紹介していきます。
- 契約違反
- 特約に従った
- 事実と違った契約
- 契約不適合責任
- お互い合意した場合
- 契約違反
買い手が、契約に書き記してある内容に応じず、反する行為をしているとなった場合は、売り手は契約を取り止めできるのです。
例えば、主にある反則はこちらです。
- 契約後に一部の支払いがない
- 連絡がつかない
- ありえない金額の値引き交渉
上記のような、反する行為があった時は、まず買主に通告をします。
催告しても音沙汰がない場合は、売主は取り止めの通告ができるもの。
また、損失が出た時にも買主にペナルティ代を要求できます。
一方で、買い手が精算をしているのに、売り手が引き渡しをせず、反する行為をした時は、買い手から取り止めができるのです。
あくまでも両者が反則した時だけ解除を通告できるもので、単純に取り消しを言い渡せる訳ではないです。
特約に従った
住宅ローンなどの特約があった場合は、契約を取り止めできます。
買い手がローンを組むことができなかった時は、契約を取り消しできると、契約書に書き記しています。融資実行後に返済能力がない場合はローンを組みにくいでしょう。
また、契約に条件があって満たしていない場合も解約になるというもの。
例えば、買主が指定した業者に依頼しなかったなどといった内容です。
条件を付けるのは契約前になり、満たせなかった場合はペナルティ代がかかってくることもあるため、必ず契約書の内容を把握しておいてください。
業者が事実と違った契約をする時
業者が、「この物件の価格はこれから上がっていきます」と売り手に対して、事実と違った勧誘をした時には、契約を取り止めできます。
このよう虚偽の促しは不正になるので、売主に損害が出たらペナルティ代を要求できるのです。
契約不適合責任について
土地に問題があって家を建築できなかったり、家の設備が壊れていたりなど家に欠陥が見つかった時は、契約の内容と違ってくるので契約を取り止めできます。
契約不適合責任の制度を受けられるのは、家を引き渡してからおよそ3ヶ月の期間です。
お互い合意した場合
契約書の内容に関係なく、お互い相談した上で、契約を取り消しすることは可能です。
双方が承知の上で契約を取り消すことを「合意解除」とも言います。
この時、口頭だけで取り決めるのではなく、しっかり書面に両者のサインをしておいてください。
不動産の契約にはクーリングオフができる
不動産の契約でもクーリングオフは適用できます。
しかし、適用できるシーンとできないシーンがあるので、注意しておきます。
クーリングオフができる | クーリングオフができない |
売り手が宅建業者契約した場所がカフェやレストラン精算がまだ告知から8日以内 | 買主が指定した場所での取り決め業者の事務所で取り決め個人が売る時 |
直接、不動産業者から家を買うならクーリングオフは可能ですが、中古物件など個人から買う場合は適用になりません。
契約を結んだ場所が業者のオフィスだと、適用できないので気をつけてください。
何故なら、業者の事務所であったら購入する気があって出向いているということになるので、クーリングオフをわざわざ付ける事ではないとされているからです。
一方、買主が落ち着いて判断できないような場所での契約は適用されます。
例えば、不動産会社が早く契約させたいがために、カフェで買主と話し込んで、「早く買わないと物件が取られる」「直ぐに買うなら特典をつける」などすすめてきたら、買主は勢いで契約を結んでしまうでしょう。
そのような時、契約を無かったことにできるクーリングオフを使用できます。
また、告知されてから8日以内なら適用されますが、この期限を過ぎてしまうとクーリングオフはできなくなるので、日にちは守る必要があります。
家の引き渡しや精算がまだ終わっていない時もクーリングオフは適用です。
基本的には個人でのやり取りでは適用にならないので、家を買ってから売主からクーリングオフしてくることはないです。
効果について
クーリングオフをすると契約を無かったことにできて、まだ払っていない代金の支払いをしなくても良くなります。手付金を渡しているならお金を返金して貰えます。
ペナルティ代が無い場合もある
売買契約を交わした後に、当事者が交通事故に遭ってしまったなどの場合は、ペナルティ代は出ません。
万が一を想像して、契約書にはペナルティ代が出ない例を記載しておくと、お互い安心して取引を行えるものです。
急な問題は避けられませんが、なるべく不動産会社に取り持って貰い、円滑にさせましょう。
売買契約を取り止める方法
シチュエーション別にそれぞれ解説していきます。
一般媒介契約の取り消し
普通の媒介契約の場合は、不動産会社に連絡するだけで取り消しができます。
説得させられることはあるでしょうが、ペナルティ代を求められることはないので、キッパリと断っても大丈夫です。
専任媒介の取り消し
専任媒介の取り消しの場合は、書面に残して伝える必要があります。
後からトラブルへと発展しないようにするためにも、明らかにできる書類を用意しておきます。
書面には決まりはありませんが、下記の項目を書き留めておくと良いです。
- 書いた日付
- 依頼している不動産会社名
- 自分の名前
- 解除通告の題名を記入
- 取り止めの理由
- 契約後の取り消し
契約の後でも売主と買主、両者とも取り止めはできます。
ところが、両者とも契約の取り止めとなると、色々と手間がかかることが多いので、契約を進めて行く前に解消する方が良いでしょう。
効率よく手続きするためにも、取り消しがあった場合は直ぐに不動産会社に相談することが大切です。
双方の間で納得いく話し合いができるのが理想ですが、まずは不動産会社に中間に入って貰うことが円滑です。
買主から取り止めされた時の接し方
前述したクーリングオフなどを使って、買い手が取り消しの申し出をすることがあるというもの。
買い手から取り消したいと伝えられても、普通は売り手が何か行動に出ることはありません。
たまに話し合いをして取り決めることもありますが、このパターンは少ないです。
買主から取り消しをされても対応できるように、他の買い手を留めておいたり、手付金を少し高くしておいたりしておくと良いでしょう。
ペナルティ代は課税になる?
契約を取り止めてペナルティ代を受け取った場合は、一時所得となり所得税と住民税がかかってきます。
そのため、確定申告は必ず行うようにしてください。
ペナルティ代を受け取った翌年の2月16日〜3月15日の間に申告をします。
控除を受けられる制度もあるため、詳しくは不動産会社に問い合わせてみると良いでしょう。
売買契約の取り止め事例
買い手にとって折角見つけた物件を取り止めするのは、よほどの事情があるものです。
契約を進めたくても、難しくなってしまうケースはどんな内容なのか、いくつか事例を紹介していきます。
突然転勤が決まってしまったケース
仕事で突然、転勤になってしまうことがあります。
こうなってしまうと、契約を取り消すしかなくなり、買主のせいではないのですが、契約が解消となり、ペナルティ代がかかることに。
もし転勤が考えられるのであれば、事前に売り手と話し合って、お互い合意のいく取引になるようにしましょう。
地盤工事の費用が高額で取り消したケース
土地を買って、家を建てようとした時に、地盤を良くするための工事をしなくてはいけない場合があります。
工事費用が思った以上に高額になると分かり、契約を取り止めすることがあるのです。
こういった事態にならないためにも、契約前に整備は高額になることもあると説明したり、契約書に書き記したりしておくべきです。
契約書には、「工事費用が定めた金額を超えた場合、解約を認める」など項目を入れておくと良いです。
さらに良い条件の家を発見した事例
契約をした後に、さらに良い条件の家を発見してしまうこともあるでしょう。
この場合で取り消しをしてしまうと、ペナルティ代が発生してしまいます。
代金も高額になってくるので、注意してください。
まとめ
買い付け申込書は、「家を買いたいです」と意思表示するものなので、法的な効力はないためペナルティはありません。
また、売主側が買主から申込書を受け取った時のキャンセルも一緒です。
お互いにキャンセル料などはかかりません。
とはいえ、申込書を取り止めたいとなった時は、必ず相手に連絡して伝えておくのが重要です。
なるべく早く伝える方が良いですが、契約前には遅くても伝えておくと良いでしょう。
また、契約をしても取り消しは可能ですが、その際にはペナルティ代が発生する例が多いです。相場は、手付金の2倍の金額です。
色々なシチュエーションがあるので一概には言えませんが、契約が実行されていくと、どんどんペナルティ代は高くなっていくと思っておくと良いでしょう。
取引中に取り止めしたくなったら、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。
なるべく早くに対処しておきましょう。