登記簿はどうやってオンラインで取得するか?取得方法や注意点を解説

登記簿はどうやってオンラインで取得するか?取得方法や注意点を解説

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マンションや一戸建てを購入したときに必要となる「登記簿(とうきぼ)」は、該当する不動産の『現在の正当な所有者』および『権利』を証明する書類です。

こざかな生徒
こざかな生徒

ですが登記簿なんて、不動産関係の仕事でもしていなければ、そうそう利用するものではありませんよね。

つまり、普通に生活していたら、登記簿なんて滅多にお目にかかるモノではないということ。

クジラ先生
クジラ先生

とはいえ、マンションや一戸建てを購入した際には、必ずお世話になるのが登記簿です。

そんな登記簿ですが、インターネットの普及により、今は役所に出向くことなく、カンタンにオンラインで取得が可能になりました。

そこで、ここでは、登記簿をオンラインで取得する具体的な方法や注意点をまとめました。

知っているようで意外と知らない登記簿のオンライン取得方法、上手に利用すればメッチャ便利なので、自宅にいながらサクッと取得できちゃいます。

もう「登記簿」って言わない件

登記事項証明書

実はですね、厳密にいうと、最近は『登記簿』って言わないコト、知っていましたか?

というのも、2005年の法改正で『登記簿』自体の呼び方が変更となったのです。

『登記簿』とは前出のとおり、

マンション・一戸建て・土地などの不動産の、『現在の正当な所有者』や『権利』を、物件登録された日からすべて記録・証明する書類

ですが、一昔前の書類って、すべて「紙」ベースで綴られていましたよね。

そのような、不動産にかかわる情報を管轄の法務局で紙ベースで保管し綴っていた書類が『登記簿』です。

そして以前は、その用途に応じて「登記簿謄本」とか「登記簿抄本(しょうほん)」と呼び、その写しを証明書として、用途に応じて使い分けていました。

謄本(とうほん)原本を複写、もしくはコピーした文書
抄本(しょうほん)原本の一部を抜き出して複写、もしくはコピーした文書

そんな古くからある紙ベースの登記簿は、法務局のデータ化とコンピュータ管理によって、どんどんデジタル処理されました。

そして、デジタル処理・データ化された登記簿を、2005年に「登記事項証明書」と呼称変更したのです。

ですから今は、『登記簿』と呼ぶのではなく『登記事項証明書』というのが正しい呼び方です。

そんな呼応変更となった『登記事項証明書』は、用途に応じて次の4つに分類され、誰でも登記所に申請をすれば自由に閲覧でき、交付をしてもらえる証明書になっています。

4つの登記事項証明書

現在の登記簿である登記事項証明書は、次の4つです。

登記事項証明書 1.全部事項証明書 登記された不動産に関する総ての内容と、それが正しいことを証明する
従来の登記簿謄本と同じ
不動産に関する過去からの履歴(所有権の移転情報、抵当権の設定・抹消などの情報、持ち分比率など)
所在地や規模、所有年月日などが記載
2.現在事項証明書 現在の登記内容だけが記載されている証明書
証明書を申請・取得した日現在の登記内容を公的に証明することができる
過去の所有情報や、現在有効ではない内容は記載されていない(一部を除く)
3.一部事項証明書 不動産に関する一部の登記内容だけが記載されている証明書
マンションの敷地など多数の共有者がいる場合の証明書として使われる
4.閉鎖事項証明書 不動産登記に関する過去の登記内容が記載された証明書
過去の不動産所有者などの確認や、今までの登記記録などを証明するときに使われる
4つの登記事項証明書

全部事項証明書とは?

全部事項証明書は、今までの登記簿謄本と同じ内容です。

対象となる不動産の、最初に登記されてから現在にいたるまでの権利関係の記録です。

  • 不動産所有者の移転情報
  • 不動産に設定された抵当権
  • その抵当権の抹消

といった、不動産所有に関する歴史といった、ありとあらゆる取り引き情報がすべてわかります。

現在事項証明書とは?

現在事項証明書は、現在の登記内容だけが記載された証明書です。

証明書を申請・取得した日現在の登記内容のみの記載ですから、所有者の過去の移転情報や、過去に設定されていた抵当権・担保権の登録や抹消情報などは含まれていません。

一部事項証明書とは?

一部事項証明書は、『マンションの土地』といった複数の所有者がいる際の証明書に使われます。

たとえば、分譲戸数100戸のマンションだと、マンション敷地の所有は100戸で敷地を比率分割(敷地面積500㎡の100分の1)した共有名義です。

このすべてを全部事項証明書にすると膨大な量の書類となってしまうため、一部事項証明書で複数の共有権利者の名義だけを証明します。

閉鎖事項証明書とは?

閉鎖(へいさ)事項証明書とは、全部事項証明書には書かれていない(=データ化されていない)部分の記録を調べたり、証明したりする際に用いられる証明書です。

具体的には、

  • 土地の合筆(がっぴつ)や分筆(ぶんぴつ)といった、隣接する数筆(複数)の土地を一筆(一纏め)の土地に法的に合体させた記録やまとめられた側の土地の登記記録
  • すでに取り壊された建物、滅失してしまった建物、閉鎖した建物などの過去の登記記録

といった、不動産が閉鎖されたり、別物件に登記移転されたりした「過去の情報」記録です。

ですから、閉鎖事項証明書はあくまで過去情報であり、新たに追加登記される情報などはありません。

このため、データ化する必要ナシなのか紙ベースのまま保管され、その不動産を管轄していた法務局でのみ取得できます。

以上の4つの登記事項証明書は、いずれも所轄の法務局へ請求すれば取得できるようになっています。

登記簿の取得方法

登記簿謄本(=登記事項証明書)を取得する方法は、次の3つです。

  1. 法務局窓口で請求し、直接窓口で受け取る
  2. 法務局にオンラインで請求し、直接窓口で受け取る
  3. 法務局にオンラインで請求し、郵送で受け取る

いずれの方法でも、登記簿謄本(=登記事項証明書)を書面で受け取ることができます。

従来は1の法務局に出向いて発行してもらう方法だけでしたが、現在は登記事項証明書4つをオンラインで取得することも可能になりました。

ただし、時間的に取得が早いのは2. > 1. > 3.の順番になります。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

分かりました!

1の法務局窓口での請求は従来と同じ方法ですから、申請書の記入⇒提出⇒確認⇒出力といった人的作業を介しますから、それなりの時間はかかります。

所要時間は法務局の窓口混雑具合にもよりますし、近くにない場合は、そこまでの交通手段も考えなければなりません。

ですが、申請ミスや物件間違いなどを、提出時や受け取り時に確認することで防げますから、一番確実に取得できる方法ともいえます。

また3の場合は、手配自体はオンライン依頼なので早い、ですが登記簿の到着は郵送待ちです。

なので、一番時間がかかるのと、間違って申請してしまった場合も郵便が到着して確認するまでワカラナイというデメリットがあります。

つまり、登記簿謄本(=登記事項証明書)を急ぎで確実に入手したい場合は、2の法務局に事前にオンラインで請求し、直接窓口で受け取るほうが、申請書の記入⇒提出⇒確認⇒出力といった人的作業を事前に済ませることができ、あとは取りに行くだけですからスムーズで確実。

オンラインの便利さと、窓口で受け取り確認をする確実さの両方を得ることができます。

登記簿謄本はオンラインで無料閲覧できる?

登記簿謄本(=登記事項証明書)のデータがオンライン化できているのなら、「オンラインで無料閲覧できないの?」と思いがちですが、登記簿謄本はオンラインで無料閲覧することはできません

実は、以前の紙ベースの登記簿謄本は、管轄の法務局に出向けば部分的に無料で閲覧することが可能でした。

ですが、今は登記簿謄本に記載されていた情報はすべてデータ化され、法務局のコンピュータに移行・管理されたため、オンラインで無料閲覧することはできません。

とはいえ、せっかくデータ化されているのに、オンラインで一切内容確認ができないというのも不便ですよね。

そこで今は、オンラインでデータ閲覧ができる別サービスによってニーズ対応できるようにしています。

登記簿謄本(=登記事項証明書)のオンライン申請方法

具体的な手順は、法務局のトップページのオンライン申請のご案内で確認することができます。

また、不動産登記に関する建物や土地の証明書をオンラインで申請をする際は、登記・供託のオンライン申請システムである「登記ねっと」のかんたん証明書請求から、次のような手順で行えます。

  1. オンライン申請の事前準備
  2. 請求書の作成と送信
  3. 手数料の納付

具体的に解説しますね。

1 オンライン申請の事前準備 「登記ねっと」の「かんたん証明書請求」を初めて使う場合に行う登録作業(初回のみ)

1. パソコンの環境確認
・ハードウェア:CPU800MHz以上推奨
・メモリ:1GB以上推奨
・ディスプレイサイズ:1024×768以上推奨
・Internet Explorer 11:Windows 8.1、Windows 10
※Microsoft Windows 10 又は 8.1では「信頼済みサイト」への登録及びポップアップブロック機能の設定を行わないと正しく動作しない場合あり

2. 申請者情報登録(必須)
・申請者ID
・パスワード
・氏名
・氏名(フリガナ)
・郵便番号
・住所
・連絡先
・電話番号
・メールアドレス
・パスワードを忘れた場合に使われるキーワード(質問)
・パスワードを忘れた場合に使われるキーワード(答え)
2 請求書の作成と送信 1. 事前準備ができたら、取得した申請者ID及びパスワードにより登記・供託のオンライン申請システムである「登記ねっと」にログインする

2. マンションや一戸建ての場合は
【分類】不動産
【請求する証明書】「登録事項証明書(土地・建物)/地図・図面証明書」
を選択する
※【地図証明書】地図又は地図に準じた図面(公図など)の証明書
※【図面証明書】土地所在図,地積測量図,地役権図面,建物図面及び各階平面図の証明書

3. 「オンライン物件検索」もしくは「物件情報を直接入力する」のどちらかを選択し物件情報を入力する
・不動産の種別選択(土地/建物)
・不動産番号の記入(13桁)
・物件所在の記入
・物件地番/家屋番号の記入
・管轄登記所のコード、登記所名の選択
・証明書の種類選択(登記事項証明書/図面証明書)
・請求の対象選択(全部事項/現在事項/閉鎖全部事項)
・共同担保目録の選択(除く/現在事項/全部事項)
・信託目録の選択(除く/現在目録/全部目録)
・通数を入力(1~99)証明書の請求に必要な項目の入力
・請求者指名の記入
・交付方法を選択(郵送/窓口受け取り)
※郵送の場合は郵送種別(普通/書留/簡易書留)と速達区分(指定なし/速達)を選択
・申請者の郵便番号、住所、指名を記入

4. 以上の入力後に最終確認をし【確定】ボタンを押す
手数料の支払い方法選択 電子納付に関する情報を入力
※納付情報には、あらかじめ申請者情報登録で登録した情報が自動的に反映されるので必要に応じて修正
送信処理 作成した請求書を確認し、「送信実行」ボタンをクリックして送信処理を実行する
送信完了 送信処理が完了し請求書がデータベースに登録されると、到達通知が発行され登録したメールアドレスに通知される
3 手数料の納付 手数料等の納付が必要な手続の場合のみ
処理状況照会画面で取得した納付情報に基づき、国庫金納付に対応したインターネットバンキングやATM等を利用し、電子納付を行う

以上がオンライン申請をするときの手順です。

なお、申請した証明書等を、登記所の窓口で受け取りするとき

1処理状況照会の【納付】をクリックすると表示される
「Step2 照会内容確認(電子納付情報表示)」
の画面を印刷する
2証明書の受取人氏名・住所、請求した通数を直接記入

し、該当する登記所の窓口に提出しなければなりませんから、印刷出力できるプリンター環境でないと不便です。

なお、印刷環境がない場合は、次の3つの情報を書いた書面を窓口に提出すれば、窓口受け取りはできます。

1オンライン申請した際の番号
2証明書の受取人の氏名・住所
3請求に係る通数

登記簿謄本のオンライン取得Q&Aまとめ

Q:登記簿謄本をオンラインで申請すると、日数はどのくらいかかりますか?
A:郵送の場合は2~3営業日で指定した住所に届きます。
速達、書留、簡易書留での対応は可能ですが、申請人等が送付に要する費用を負担しなければなりません
Q:登記簿謄本のオンライン取得、利用時間は?
A:利用時間は月曜日から金曜日のAM8時30分~PM9時まで
(国民の祝日・休日、12月29日~1月3日までの年末年始はお休み)
Q:登記簿謄本の登記所窓口での受付時間は?
A:登記事項証明書などの登記所受付はAM8時30分~PM5時15分まで(国民の祝日・休日、12月29日~1月3日までの年末年始はお休み)
Q:登記簿謄本のオンライン申請だと何時まで受付可能ですか?
A:請求情報が当日のPM5時15分以降に登記ネットオンラインシステムに送信された場合は、送信日の翌日(翌業務日)が受付日となります。
Q:登記簿謄本のオンライン取得に必要な料金は?
A:登記事項証明書の交付請求時手数料(送付の郵送料含む)
「郵送」を選択した場合・・・50枚まで1通500円
「窓口受領」を選択した場合)・・・50枚まで1通480円
※50枚を超える場合は、その超える枚数50枚まで毎に100円を加算した額
Q:登記簿謄本のオンライン取得を速達でお願いした場合に必要な料金は?
A:速達、書留、簡易書留で送付を希望される場合は、申請人等が選択した郵便送付に必要な追加費用を負担しなければなりません
Q:登記簿謄本のオンライン取得料金の支払い方法は?
A:登記事項証明書の交付請求にかかる手数料の納付方法は
・インターネットバンキング
・モバイルバンキング
・電子納付対応ATM
を利用することができます。
納付方法は、
1. 請求情報を登記ねっとオンライン申請システムに送信する
2. 手数料の「電子納付情報」がシステム登録され、納付に必要な「電子納付情報」が発行される
3. 登記ねっとオンライン申請システム画面>処理状況照会>かんたん証明書請求の場合
もしくは、>処理状況表示」画面>申請用総合ソフトの場合
で【納付】表示
4. 【納付】>納付内容の確認及び電子納付
という流れになります。
Q:登記簿謄本のオンライン取得は、料金後払いにできますか?
A:できません。
「郵送」の交付方法を選択した場合は、手数料が納付されたことを確認した後、請求先の登記所で登記事項証明書を作成し、請求時に指定した送付先に送付します。
「窓口受領」の交付方法を選択した場合も同様の処理となります。
Q:登記簿謄本のオンライン取得は、土日も対応していますか?
A:利用時間は月曜日から金曜日のAM8時30分~PM9時までですので、土日は受付していません。
Q:登記簿謄本のオンライン取得費用には、消費税がかかりますか?
A:登記事項証明書の交付請求にかかる手数料に消費税はかかりません。(登記手数料令第13条)
Q:登記簿謄本をオンラインで取得する手順は?
A:法務局の登記・供託のオンライン申請システムである「登記ねっと」の「かんたん利用請求:初めてご利用になる方へ」を参考に申請手続きを進めてください。
【登記ネット_かんたん利用請求_初めてご利用になる方へ】https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/first.html
Q:登記簿謄本をオンラインで取得できないことはありますか?
A:法務局で登記簿謄本のデータ化がはじまったのは、10数年前からです。
そして、登記事項証明書のオンライン化を進めるべく、従来の紙ベースである登記簿をコンピュータへデータ化し移行する作業が開始されました。
ですがその際、市町村の合併などや土地の合筆・分筆、同じ家屋番号の検出や、建物の消滅などによって、データ化できない物件も少なからず出てきました。
このようなデータ化できなかった不動産物件は、パソコンで閲覧することができない不動産として残っています。これらの非データ化物件は、オンライン申請はできないものの、昔のやり方であれば問題なく該当登記所で閲覧・登記が可能です。

以上が、登記簿謄本をオンライン申請する方法でよくあるQ&Aまとめです。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

勉強になりました!

登記簿をオンラインで取得するメリット

登記簿をオンラインで取得するメリット

登記簿謄本(=登記事項証明書)をオンラインで取得するメリットは、次の4つです。

  1. 法務局に行く必要がない
  2. どこからでも取得申請ができる
  3. 申請可能な受付時間が長い
  4. 申請にかかる手数料自体が安い

法務局に行く必要がない

登記ネットのかんたん利用請求は、初回に利用登録を済ませてしまえば、あとは何度でも好きなタイミングで必要に応じて登記簿謄本(=登記事項証明書)を申請・取得できます。

ですから、わざわざ不動産を所轄する法務局まで行く必要は一切ありません。

たとえば、

  • 引っ越しなどをして不動産物件から遠距離になってしまった場合
  • 都道府県をまたいで移り住んでいた場合
  • 地方の不動産(親の住む実家など)の登記簿謄本(=登記事項証明書)が必要になった場合

など、特に書類が必要となった不動産物件が遠距離にある場合は、オンライン申請をすれば指定した住所に必要な登記簿謄本(=登記事項証明書)をすべて取り揃えることができるので大変便利です。

どこからでも取得申請ができる

登記簿謄本(=登記事項証明書)のオンライン申請は、パソコン環境が整っていれば、どこからでも取得申請が可能ですから、自宅からはもちろんのこと、勤務先でも、どこからでも、ネット環境さえ整っていれば取得申請ができます。

たとえば、地方に単身赴任中に、急に自宅の登記簿謄本(=登記事項証明書)を会社に提出しなければならなくなったといった場合でも、オンライン申請であれば指定した住所に郵送で取り寄せることができます。

申請可能な受付時間が長い

法務局の窓口受付対応時間AM8時30分~PM5時15分(月曜日から金曜日まで)
登記ねっと受付対応時間AM8時30分~PM9時(月曜日から金曜日まで)

このように、オンライン申請の場合は、物件を管轄する法務局に出向いて申請する場合よりも長く、PM9時まで申し込みすることができます。

特に法務局の受付対応時間は、月曜日から金曜日までのAM8時30分~PM5時15分とキッチリしていますから、仕事などでどうしても時間内に受付申請できない場合もあるでしょう。

その点、オンライン申請なら夜9時まで受付していますから、余裕をもって登記簿謄本(=登記事項証明書)の申請を行うことができます。

申請にかかる手数料自体が安い

法務局の登記手数料は、次のようになっています。

平成25年4月1日~

区分 手数料額
登記事項証明書(登記簿謄本、抄本) 書面請求(窓口で請求) 600円
オンライン請求・送付 500円
オンライン請求・窓口交付 480円

このように、法務局窓口で直接書面請求をするよりも、オンライン請求のほうが1通あたり100円ほどお安くなっています。

ですから、法務局窓口に出向く交通費や所要時間、かかる手間などを考慮すると、登記簿謄本(=登記事項証明書)の申請はオンライン請求・送付が一番おトク

また、オンライン請求をした場合は、手数料もオンラインで支払うことができますから、便利です。

このように、登記簿謄本(=登記事項証明書)のオンライン取得は、大変便利でおトクなサービスです。

なお、登記簿謄本(=登記事項証明書)を申請・取得するのではなく、単に登記簿に記載されている情報を閲覧だけしたい場合は、登記情報提供サービスというインターネットサービスもあります。

登記情報提供サービスのメリットとデメリット

登記情報提供サービスとは?

登記情報提供サービスとは、法務局が保有する登記簿謄本(=登記事項証明書)を、インターネットを利用してパソコンの画面上で閲覧できるという有料サービスです。

登記情報提供サービスhttps://www1.touki.or.jp/gateway.html

この登記情報提供サービスで閲覧ができる登記簿謄本(=登記事項証明書)の情報は、法務局で管理保有している登記情報と同じ内容です。

登記情報提供サービスで閲覧可能な情報 1. 不動産登記情報(全部事項)
※データ化後の閉鎖登記簿ならすべて閲覧可能
2. 不動産登記情報(所有者事項)
※所有者の住所、氏名、持分などが閲覧可能
3. 地図情報
※不動産の地図、地図に準ずる図面など
4. 図面情報
・土地所在図や地積測量図
・地役権図面
・建物図面や各階平面図
5. 商業・法人登記情報
・現存する会社等の場合は履歴事項の全部
・閉鎖・消滅した会社等の場合は閉鎖事項の全部
6.動産譲渡登記事項の概要ファイル情報と債権譲渡登記事項の概要ファイル情報
・現在事項又は閉鎖事項の全部
・それらの事項がない旨の情報など

そして登記情報提供サービスの利用料は、次のようになっています。

提供サービス名 内容 利用料金
不動産登記情報 全部事項 334円(333円)
所有者事項 144円(143円)
地図 364円(363円)
図面
・土地所在図/地積測量図
・地役権図面
・建物図面/各階平面図
364円(363円)
商業・法人登記情報 全部事項 334円(333円)
動産譲渡登記事項概要ファイル情報 現在事項・閉鎖事項 144円(143円)
債権譲渡登記事項概要ファイル情報 現在事項・閉鎖事項 144円(143円)
【注意事項】
・利用料金は協会手数料(14円)を含めた1件当たりの利用料金
※協会手数料には消費税・地方消費税が含まれる
※協会手数料を利用料金から除いた金額は、国に納入する登記手数料の預り金(登記手数料令第13条)
・(カッコ)料金は消費税不課税対象者の利用料金(利用者の住所等が日本国外にある場合に、消費税法課税対象外で消費税が課されないかた)

なお、登記情報提供サービス利用時は、「住所」だけではなく「地番」又は「家屋番号」を指定して調べたい不動産を特定しなければなりません。

登記情報提供サービス

また、請求をした不動産に記録がない場合でも、記載ナシという旨の情報が表示され課金されます。

更に、登記情報提供サービスに登記されている情報は、PDF形式での閲覧か取り寄せのみです。

つまり登記情報提供サービスは、登記簿謄本(=登記事項証明書)のあくまで「閲覧」を目的としたサービスという位置づけであり,登記事項証明書ではありません。

証明文・公印などは一切付加されませんから、マンションや一戸建ての登記証明に必要な添付書類としては使えないと考えておいたほうが良いでしょう。

つまり、登記情報提供サービスは

  • 不動産業者や金融機関が不動産を担保として閲覧するためのサービス
  • 購入したい不動産物件のチェック用に登記簿謄本(=登記事項証明書)履歴だけを見たい

というときに利用すると便利なサービスだということです。

登記簿をオンライン申請するときの注意点

登記簿謄本(=登記事項証明書)オンライン申請サービス「登記ねっと」は、利用するときに次のような点に注意しなければなりません。

  1. 不動産物件の正確な住所が必要
  2. 交付までにかかる日数を多めに見ておく
  3. 必要にあった証明書を選ばなければならない
  4. インターネットブラウザがInternet Exploreのみの対応

不動産物件の正確な住所が必要

登記簿謄本(=登記事項証明書)を「登記ねっと」でオンライン申請する場合は、知りたい不動産物件の正しい住所が必須です。(省略不可)

だとえば、注意しなければならないのは実際の住所と登記上の住所が違っている場合などで、このような場合は、それぞれの情報が違うといったケースが多々あります。

また、オンライン申請では、登記登録されている住所の記入が不可避です。

したがって所在地ではなく、

  • 物件の権利書
  • 固定資産税の通知書

といった書類等で、正確な住所を事前に確認しておく必要があります。

交付までにかかる日数を多めに見ておく

「登記ねっと」を使って登記簿謄本(=登記事項証明書)をオンライン申請する場合は、窓口受け取りと郵送によって入手する日数が変わってくる

法務局の窓口で受け取りをするのなら、受付時間内であれば即日発行してもらえます。

ですが郵送の場合は、オンライン申請をしてから指定場所に到着するまで、1~3日程度はかかると思っておいたほうが良いです。

また、オンライン申請をする日時や郵便の混雑状況等により、日数は多少前後します。

ですから登記簿謄本(=登記事項証明書)を急ぎで入手したい時は、窓口で直接申請・交付してもらうほうが、速くて確実ということもあります。

必要にあった証明書を選ばなければならない

不動産取引などで登記簿謄本(=登記事項証明書)が必要となる場合は、その多くが正式な書類添付を要求されます。

なので、登記情報提供サービスで得たデータを印刷出力して添付しても、実際の不動産取引では使用不可と考えておきましょう。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

分かりました!

また、登記簿謄本(=登記事項証明書)は、種類ごとに記載内容が異なります。

ですから利用目的によって、どの証明書が必要なのかを事前にしっかり確認しておきましょう。

登記簿謄本(=登記事項証明書)と取引の性質が合致していないと、再度取得をし直さなければならないので要注意です。

インターネットブラウザがInternet Exploreのみの対応

「登記ねっと」を使って登記簿謄本(=登記事項証明書)をオンライン申請できるのは

  • Windowsのみ(Mac OSは非対応)
  • WindowsでもブラウザはInternet Exploreのみ対応
  • ブラウザバージョンは「Internet Explorer 11」推奨

という具合に、マック製のパソコンやGoogleなどは利用できませんし、古いブラウザを使用している場合は、アップデートするなどの対策も必要となります。

まとめ

ここまで読んでいかがでしたか?

この記事では、オンラインでの登記簿の取得方法や注意点を解説しました。

登記簿は普段馴染みのないものなので、少し難しく感じたかもしれません。

以上が、登記簿のオンライン所得方法と注意点です。

「登記ねっと」を使った登記簿謄本(=登記事項証明書)オンライン申請は、大変便利ではあるものの注意すべき点もあるため、利用するときは下調べをしっかりしておくようにしましょう。

この記事の監修・執筆者

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

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